FX予言集 フィリップFXブログ
徐々に手詰まっていく
先週金曜日に行われた米国FRBバーナンキ議長の講演では、デフレは大きなリスクではなく2011年は上昇の条件が整っているなど予想以上に肯定的な経済観測であったとされるが、最近の統計からは経済活動のペースが予想より鈍っていることで、これから大きく景気が減速となれば追加金融緩和の可能性も示唆している。 これで短期ポジションがドル売りに傾いていたことで、若干ドルの買い戻しが入る中で株式市場の買い戻しも重なり、今週の日銀への思惑からクロス円の買い戻しが優勢となった。 本日は、日銀が金融緩和策を打ち出しているが、先週から各紙で予想されている事の一部を踏襲したような内容であったために、逆に円を売っていた側からの買い戻しが入っている。 先ほどの白川日銀総裁の記者会見では為替が経済に与える影響を考えての措置であったが、市場関係者は慎重な金融緩和策と見ており、日銀からの政策が発表されての円買い戻し優勢となっている。 これで日銀側からの政策は一旦終わり、日米金利差が若干縮小となってドル円は多少の落ち着きはあるものの、輸出採算レートが重くのしかかっている円には仕掛けやすくなっており、今回の戻り高値から今日の引けまで大きく差があると上値は重くのしかかり、トレーダーが揃う9月を迎えての動きが気になるところ。 これからもし再度円高へ動くと日本サイドとしては、介入をちらつかせるか更なる金融政策を日銀へ促すことになろうが、日銀としては政策を打ち出して間もなく追加することは避けたく様子見したいところであろうから、これで円安へと推移しないと円高への手詰まり感は拭えない。
首相が日銀総裁と頻繁に会談を行い連携を取っている事は、市場を牽制する意味もあり良いことだと思うが、円高への対策は市場へ見透かされておりこれからの対応は徐々に難しさを増してくるだろう。 少しずつ対応するのではなく、次にはあらゆる手を打ち円高に対して大げさなほどの強い意志を市場へ見せる必要があるだろう。 出し惜しみするから市場が催促してくる。 為替操作と各国が批判してもうまくかわしていくのが政府の重要な役割の一つであり、その対応が国民からの信頼を呼ぶのではないのではないか。 他国はあからさまにそれをやっているのだから、早く動く必要があるだろう。
2010.8.30日 6:38更新
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