FX取引を始めるにあたり、必ず耳にする言葉が「証拠金」です。そもそもFXは「外国為替証拠金取引」の略称であり、証拠金は取引の土台となる極めて重要なものと言えます。
しかしながら、「必要証拠金と有効証拠金の違いがよくわからない」「レバレッジをかけると計算が複雑に思える」「結局のところ、いくら資金を用意すればロスカットになりにくい安全な取引ができるのか」と悩まれるお客様も多いのではないでしょうか。
では、FXの証拠金とは一体どのような仕組みで、どのように計算するものなのでしょう。
本記事では、証拠金の基本的な仕組みや計算方法をはじめ、ロスカットを防ぐための維持率の目安をわかりやすく解説いたします。さらに、必要証拠金についてお客様ご自身の取引条件で計算できるシミュレーション機能もページ内でご利用いただけますので、実際にお取引を始める前に、ぜひお役立てください。
FX(外国為替証拠金取引)を行うために、FX口座に預け入れる担保となる資金のことを「証拠金」と呼びます。実は、FXは現物の外貨を直接やり取りするわけではありません。売買の損益のみを受け渡しする「差金決済取引」という仕組みを採用しています。
そのため、取引の元手として全額をあらかじめ用意する必要はありません。一定額の証拠金を預け入れることで、スムーズに取引が可能となります。
「証拠金」が口座に入っている資金全体(預託証拠金、MT5取引画面での表示は「残高」となります)を指すのに対し、「必要証拠金」とは、特定のポジション(建玉)を持つために最低限必要となる金額のことです。
ここで注意が必要なのは、新たに取引を始める場合には取引する通貨ペアや為替レート、取引数量によって、この必要証拠金の額が常に変動するという点です。いちど取引を始めると、必要証拠金は変動せず取引を続ける間の担保として差し引かれ、決済して取引が完了すると、口座に返還されます。
口座内の証拠金から必要証拠金を差し引いた金額が、口座の余力として「余剰証拠金」として表示され、この金額が0以下になるとポジション保有に耐えうる余力がなくなることから、強制ロスカットとなります。
FXの最大の特徴は、何と言っても「レバレッジ(てこの原理)」をかけられることです。国内のFX取引の規制では、個人の場合最大25倍のレバレッジをかけることが可能です。
これにより、実際の取引金額の25分の1の資金(必要証拠金)で取引をスタートすることができます。つまり、レバレッジをうまく活用することで、資金効率を大幅に高めた運用が可能となります。
必要証拠金は以下の計算式で算出することが可能です。
この計算式において、為替レートは常に変動しています。そのため、必要証拠金もリアルタイムで変化していく点には留意が必要です。お客様ご自身で計算される際は、必ず取引時点の最新レートをご確認いただく必要があります。
例えば、米ドル/円の為替レートが1ドル=150円のときに、1万通貨(1万ドル)の取引を行う場合を計算してみます。国内口座の最大レバレッジである25倍を適用すると、以下のようになります。
したがって、この取引に必要な証拠金は60,000円となります。もしレバレッジをかけない(1倍)場合は150万円が必要ですが、レバレッジ効果により、このように少額から取引が可能です。
一方で、ユーロ/米ドルなど、日本円を含まない通貨ペア(クロス円以外のストレート通貨など)の場合は少し計算が異なります。取引通貨(左側の通貨、この場合はユーロ)の対円レートを掛けて、日本円に換算する手順が必要です。
例:ユーロ/米ドルが1.1500、米ドル/円が170円のときに1万通貨取引する場合
このように、対円以外の通貨ペアを取引する際も、最終的な必要証拠金は日本円で算出されます。
毎回ご自身で計算するのは、やはり手間がかかるものです。そこで、取引をする通貨ペアの為替レートとその取引数量を入力することで、必要証拠金額が自動で計算される計算フォームをご用意しました。FX取引でレバレッジ25倍(証拠金比率4%)の取引する場合の最低限必要な証拠金となります。
※あくまでも必要証拠金のみの表示で、口座内のご資金からこの必要証拠金額を差し引いた数字がゼロに近い場合、強制ロスカットとなる可能性も高くなりますのでご注意ください。
FX取引において、含み損が拡大し、口座の資金が一定の水準を下回った場合に、強制的にポジションが決済となる仕組みを「強制ロスカット」と呼びます。
これは投資家の損失が証拠金以上に拡大するのを防ぐための、いわば安全装置です。しかしその反面、意図しないタイミングで損失が確定してしまう、ずっと保有していたかったのに予期せず取引が終了してしまうことを意味するため、投資家にとっては注意すべき点のひとつとなります。このロスカットが執行される基準となるのが「証拠金維持率」です。
証拠金維持率は、口座の純資産額が必要証拠金に対してどの程度の割合を占めているかを示す指標であり、以下の計算式で算出します。
純資産額には現在発生している含み損益が反映されます。そのため、相場が予想と反対に動いて含み損が増加すると、純資産額が減少し、結果として証拠金維持率も低下してしまいます。
フィリップ証券のMT5でのFX取引ではロスカットが執行される水準は100%となっていますが、ロスカット水準ギリギリでの取引は非常に危険です。為替レートが少し逆行しただけで、あっという間に強制決済されてしまいます。
そのため、証拠金維持率には常に目を配っておくべきとされますが、当社の取引ツールMT5(メタトレーダー5)では、現在の証拠金維持率が画面上にリアルタイムで分かりやすく表示されるため、急な相場の波も常にモニタリングすることができます。
安全にFX取引を行うための証拠金維持率の目安は、「200%以上」あると心の余裕も生まれ、FX取引を楽しむこともできるようになります。証拠金維持率が低下してきた場合は、マイページでクイック入金を行ったり、ポジションの一部を決済して必要証拠金を減らしたりするなど、MT5を活用して迅速かつ計画的なリスク管理の対策を立てることが可能です。
同じ通貨ペアの「買い」と「売り」のポジションを同時に持つことを「両建て」といいます。両建ての場合、取引数量が多い方のポジションのみに証拠金がかかる仕組み(MAX方式)を採用しています。
しかしながら、スプレッド(実質的な手数料)が二重にかかり、またスワップ金利で日々損失が生じる可能性が高く、結果として経済合理性を欠くことになることから、当社では両建て取引はお勧めしておりません。
本記事で取り扱った内容をの要点をまとめると以下となるます。
証拠金取引の利便性、メリットはもちろんのこと注意すべき点もしっかりと確認し、最先端の取引ツールMT5でFX取引の醍醐味を堪能ください。