「少額で世界中の資産に投資できる」「買いだけでなく売りからも始められる」「ほぼ24時間取引できる」——CFD(差金決済取引)には、他の投資手法にはない独自のメリットが複数あります。
一方で、レバレッジという言葉に身構えたり、「自分のような初心者でも使いこなせるのか」と不安を感じたりする方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、CFDの7つのメリットを具体例付きで整理したうえで、デメリットとリスクへの対策、他の投資との違い、初心者がCFDを始める際のポイントまでを解説します。CFDが自分に合っているかを判断する材料としてお役立てください。
CFDは「Contract For Difference」の略で、日本語では「差金決済取引」と呼ばれます。原資産(取引の対象)を実際に受け渡さず、買値と売値の差額のみを現金で精算する取引方法です。
対象となる原資産には、次のようなものがあります。
CFDの仕組みや取引所CFDとの違いについて詳しく知りたい方は、CFDとは?初心者向けにわかりやすく解説をご参照ください。
CFDを活用するメリットを、他の投資手法と比較しながら整理します。
CFDの最大のメリットとされるのがレバレッジ(てこの原理)です。少額の証拠金で、その数倍〜数十倍の金額に相当する取引ができる仕組みを指します。
当社の取り扱うCFD取引におけるレバレッジは、次のとおりです。
たとえば、通常の株式現物取引で100万円分の投資をしたい場合は100万円の資金が必要ですが、株価指数CFDであれば約10万円の証拠金から同規模の取引が可能です。限られた資金を効率的に活用したい方にとっては、大きなメリットと言えます。
CFDでは、「買い(ロング)」と「売り(ショート)」の両方向から取引を始められます。
株式の現物取引は基本的に「安く買って高く売る」買い取引に限られますが、CFDでは相場が下落すると予想される局面でも「先に高く売って、後から安く買い戻す」ことで利益を狙えます。
この仕組みにより、景気後退局面や特定市場の下落トレンドなど、下げ相場でも収益機会を探せるのがCFDの大きな特徴です。
日本株の現物取引が平日9時〜15時(昼休みあり)に限られるのに対し、CFDは銘柄によって平日ほぼ24時間取引できます。
日中は仕事で取引しづらい会社員の方でも、帰宅後の夜間にヨーロッパ市場や米国株式市場の値動きに合わせて取引することが可能です。海外のニュースで相場が動いたときも、即座に対応できるのは大きな利点です。
CFD口座を開設すると、MT5ではマイページ内でFX・証券CFD・商品CFDの口座での入出金ができるだけでなく口座間それぞれでの資金移動も可能です。取引システムでは、FX・証券CFD・商品CFDの口座を切り替えて取引ができるため基本的なMT5のアカウントは1つで、株価指数・貴金属・そしてFXなど、世界中の多様な資産にアクセスできます。
株式現物で米国株を買おうとすると米国株口座、金を買おうとすると金ETFや実物取引など、通常は投資対象ごとに別々の口座や手続きが必要です。CFDは1つのMT5プラットフォームで完結するため、手続きの手間と管理負担を大きく減らせます。
当社でのCFD取引の取引手数料は、無料です。
ただし、スプレッド(売値と買値の差)があるため、その差額分が実質的なコストとなります。たとえば買いでエントリー(ポジションメイク)した際、買うことができる値段よりも売ることができる値段が低いため、買った瞬間にスプレッドの分だけ損失(未決済の場合の含み損)が発生することとなります。
損失が発生したままということでは必ずしもなく、思惑通りに上昇すれば利益になっていく、という仕組みです。
レバレッジの効果により、CFDは数千円から数万円程度の少額資金から始められます。
たとえば日経225CFDであれば、基準となる参考銘柄の価格が60,000円の場合には証拠金率10%のため必要証拠金は6,000円となります。「投資を始めたいが大きな資金は用意できない」という方でも、小さな金額から経験を積みながら学んでいける点は、初心者にとって大きな魅力です。
ただし、少額で始める場合ほど、レバレッジを抑えてリスク管理することが重要になります。
メリット2と重なる部分ですが、下落相場を「利益機会」に変換できるのはCFDならではの強みです。
株式現物取引では、相場全体が軟調なときは「買わずに静観する」のが基本戦略になります。一方、CFDでは売りからエントリーすることで、下げ相場でも積極的にリターンを狙えるため、投資機会の総量が増えます。
景気後退局面・特定市場の調整局面・経済指標発表による一時的な急落など、他の投資手法では対応しにくい局面でも、CFDはポジションを取ることができます。
メリットだけを見て判断すると、後になって想定外の損失に直面することがあります。ここではCFDの主なデメリットとリスクを整理します。
レバレッジは利益を拡大する力であると同時に、損失も同じ比率で拡大させる力です。
たとえば10倍のレバレッジをかけている場合、原資産が5%逆方向に動いただけで、証拠金の50%に相当する損失が発生します。さらに急変時には一定額以上の損失を防止するための「強制ロスカット」の発動だけでなく、差し入れた証拠金を上回る損失が発生するケースもあるため注意が必要です。
レバレッジを活用する以上、このリスクは切り離せません。後述する「リスクをコントロールする4つのコツ」で対策を詳述します。
CFDのポジションを翌日以降に持ち越すと、以下のような調整額がコストとして発生します。
これらは銘柄やポジションの方向性(買い/売り)によって支払から受取へ転換する場合もありますが、一般的にポジションを長く持つほどコストとして積み上がりやすい点に注意が必要です。
上記のような調整額があるため、CFDは長期投資には向いていないとされます。株式現物取引のように10年・20年の長期保有を前提とする場合、CFDは調整額コストが継続的に発生するため非効率です。
CFDは短期〜中期のトレード(数時間〜数週間)に向いた投資手法として設計されており、長期的な資産形成には投資信託やNISA口座での株式投資が適しています。
世界中の銘柄にアクセスできることはメリットですが、裏を返せば世界中の様々な情報により値段が変動するということでもあるため、情報収集の負担が大きくなるとも言えます。
米国株価指数・欧州株価指数・原油・金など、複数の市場をウォッチするには、マクロ経済指標や各国の金利動向にも目を配る必要があります。取引を始める前に、自分がカバーできる範囲の銘柄に絞って取引するということもご検討ください。
CFDのデメリットは、正しいリスク管理によって大幅に軽減できます。ここでは初心者でも実践できる4つのコツを紹介します。
レバレッジをフル活用するのではなく、実効レバレッジを2〜3倍程度に抑えることをおすすめします。
たとえば最大10倍のレバレッジとなっている株価指数CFDでも、取引金額の30〜50%程度の証拠金を預け入れておけば、実効レバレッジは3倍程度に収まります。「使えるレバレッジ」と「使うべきレバレッジ」は別物と理解しておきましょう。
お取引開始前に、当社の定めるロスカットライン(強制ロスカットとなる証拠金維持率)を、必ずご確認ください。ロスカットが発動するまでにどの程度の逆行を許容できるかが、ポジションサイズの上限を決める根拠になります。
比率だけでなく、「この値段でエントリーした場合にはいくらまで下がる(または上がる)とロスカットになるか」という実際の値段での許容幅の確認も重要です
ロスカットギリギリで運用していると、大きくない動きでもポジションが強制決済され、本来避けられた損失を確定させてしまうことになります。
逆指値(ストップロス)注文は、想定と逆方向に一定水準動いたら自動的に損切りする注文方法です。
エントリーと同時にストップロスを設定しておくことで、感情に左右されずに損切りができ、損失の拡大を未然に防げます。初心者ほど積極的に逆指値注文を活用することをおすすめします。
最後に、最も大切な原則は「余裕資金で取引する」ことです。生活費や借入金でCFD取引を始めると、相場が逆方向に動いたときに冷静な判断ができなくなります。
失っても生活に影響しない範囲の資金で取引することで、長期的に相場と付き合う余裕が生まれ、結果的に成績も安定していきます。
CFDが他の投資手法とどう違うかを整理します。
| カテゴリ | 指数CFD | 商品CFD | 株式現物 | FX |
| 最大レバレッジ | 10倍 | 20倍 | 1倍 | 25倍 |
| 売りエントリ | 〇 | 〇 | × | 〇 |
| 取引時間 | ほぼ24時間 | ほぼ24時間 | 9:00~15:30 | ほぼ24時間 |
| 取引対象 | 株価指数 | 商品銘柄 | 個別株 | 為替 |
| 手数料 | 無料 | ほぼ24時間 | 9:00~15:30 | ほぼ24時間 |
CFDは短中期の機動的な取引に強みがある一方で、長期の資産形成には株式現物や投資信託のほうが適しています。複数の投資手法を目的別に使い分けるのが、賢い資産運用のコツです。
CFD取引は多くの会社で提供されていますが、始める際にお付き合いする業者をどのようにして選ぶかは重要なポイントです。フィリップ証券のCFD取引には、初心者・経験者問わず選ばれる4つの強みがあります。
CFD取引に関してよく寄せられる質問と回答をご紹介します。
始められます。ただし、レバレッジを抑え、少額からスタートすることが重要ですが、まずはデモ口座でお取引システムへ慣れることから始めていただき、感覚を掴んでから本番口座に移行すると安心です。
はい、雑所得に分類され、給与所得者の場合には合算して20万円を超えると、年間申告分離課税として一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)が課税され、翌年に確定申告をお客様ご自身で行っていただくこととなります。損益がマイナスの場合には損失の繰り越しが可能です。詳細については最寄りの税務署や税理士等の専門家にお尋ねください。
はい、スプレッド(売値と買値の差)が実質的な取引コストになります。また、ポジションを翌日以降に持ち越すと金利調整額などの調整額も発生する場合があります。
一般的に短期〜中期の取引に向いており、長期投資には不向きです。金利調整額等が発生する場合があるため、長期にわたる保有ではその調整額での負担も大きくなります。
CFDには「レバレッジによる資金効率」「売り買いどちらでも始められる」「ほぼ24時間取引可能」「銘柄の多様性」など、他の投資手法にはない魅力があります。一方で、レバレッジによる損失拡大や調整額コストといったデメリットもあり、これらを正しくコントロールすることが成功の鍵になります。
具体的には、レバレッジを抑える・ロスカットラインを把握する・逆指値を活用する・余裕資金で取引する、という4つのコツを徹底することで、CFDのメリットを最大限活かしながらリスクを管理できます。
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