風読記 フィリップFXブログ
スペイン格下げの噂でユーロ下落、ドルは堅調
欧州両通貨軟調、ドル堅調という昨日。ドル円ではFOMC後の高値を午前中に抜けてきたことで底堅さが意識されたこと、また実質的に年末最後と言ってもいいゴトー日ということで上昇しやすいという背景も少なからずあっただろう。午前10時の仲値に向けて上昇し直後に軟化というのが良く見られる仲値前後での動きなのだが、昨日は仲値直後の83.95が午前中の高値。例外的ではあったが、これを夕方に超えてきたことでさらに強さを増すこととなった。その後NY時間入りではNY連銀指数が好調、ブッシュ減税延長が米上院で可決されるなど好材料が相次ぎ84.50目前まで上昇したが、もう一段の上昇となるには材料が足りず失速。84.20前後でのNY時間引けとなった。
不調だったのがユーロとポンドユーロ/ポンドでは上昇が見られているためポンドのほうが悲観されたというところか。雇用統計が発表になり、失業保険申請件数が市場予想よりも悪化したこと、また失業率の項目でILO統計失業率では市場予想7.7%に対して発表値7.9%と悪化したことが重石となった。ユーロもユーロで、ムーディーズがスペインの格付けAa1を引き下げ方向で見直すとの声明が発表されたことが心理的にネガティブに。S&Pがベルギーの格付けを6ヶ月以内に引き下げる可能性があると発表していたことも蒸し返されて意識された。ユーロは対スイスで最安値を更新したが、こちらは今夜スイス国立銀行の金利発表が予定されておりその声明の中身に注目が集まるところ。
今日の注目指標も夕方から。
17:30スイス国立銀政策金利発表
18:30BOEインフレ態度報告
19:00ユーロ圏CPI
時間未定ギリシャ失業率
22:30米住宅着工戸数、経常収支、新規失業保険申請件数
24:00フィラデルフィア連銀指数
これが最大の注目!といったものはないが、どれもこれもひとクセありそうな顔ぶれ。そろそろ年末に向けて通常の動きとはとても言えない動きが散見されるような時期でもあり注意したいところだ。
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2010.12.16日 9:30更新
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