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6月度月例経済報告
6月の月例経済報告が午前中に発表になった。内閣府・月例経済報告で「景気の回復が続いている」と5年5ヵ月連続での景気拡大。戦後最長とされている「いざなぎ景気」とよく比較されるが、継続期間では比べ物にならないのではないだろうか。
いつもこの「月例経済報告」を見て思うことなのだが、この曖昧な表現はなんとかならないものだろうか。たしかに経済財政諮問会議から内閣の関係閣僚会議に提出するという立場上、その書き方や文章として主観的にならざるを得ないところはあるだろう。ただ、その「主観的」という部分があまりにも全面に出てきてやしまいか。今回の発表も「いざなぎ景気を超える5年5ヶ月連続の景気拡大」と表面的には括られてしまい、額面どおりに受け取ると「景気拡大継続」で終わってしまう。それでいいのだろうか。
実際に今回の報告の中身を見てみると、住宅建設の項目の総戸数と公共投資の項目の今年前半の公共投資の受注額において前月比(総戸数)と前年比(公共投資受注額)マイナスになった項目がある。「そんなたかが1項目や2項目マイナスになったくらいで何を…」という声も聞こえてきそうだが、「景気回復」を鵜呑みにできないのはこういう点が文章の書き方や言い回しによって何重にもオブラートに包まれているのは紛れも無い事実。お得意の先送り・責任逃れ体質がここにも顔を出している。
もし、この発表が前月比パーセントといった数字先行で表されるものであったら、民間レベルでの感じ方も違ったものになっていたかもしれない。マクロ的なものを飾ってミクロ的なレベルでの感じ方に影響を与える、まるで第二次大戦中の日本軍の情報操作のごときものを思い出して「これが日本民族の体質か」とその旧態依然ぶりには呆れるばかりだ。これでは円の独歩安と揶揄されても仕方が無い。
今回の月例経済報告、他の見方は
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2007.6.18日 1:42更新
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