風読記 フィリップFXブログ
PIIGS問題はまだ終わりが見えない
アジア時間では横ばいのままだったものが欧州時間に入ると動意づくことに。時間を追ってみるときっかけはECB月報。「必要な限り緊急流動政策を維持」「経済は上向きであるものの、不透明感は増した」「長期失業者の増加は懸念」とされたことでユーロは対ドルで1.33前後だったものが1.32前後へと急落。売られすぎから下げ止まりを見せるかという動きだったが、直後にギリシャGDPの下方修正、フィッチによるアイルランドの3段階という大幅な格下げというものを受けては反転できないのも当然の流れで1.325まで回復するのがやっと。その後再び下落し1.317まで軟化後、米時間終盤にかけて戻しているが先ほどの上値1.325水準で戻り一服。この1.325は昨日の上下の半値ということでバランス的にもちょうどいいところなのかもしれない。しかし、この一連の流れではやはりPIIGS問題が改めて意識させられるところともなったため、来週にかけても重しとなってきそうだ。
このユーロの動きの反対側でドルが買われるかと思いきや、やはり来週14日のFOMCへの懸念は根強いことで下値が限定的なら上値も限定的というこう着状態。こちらは火曜の発表を待つしかないか。
今日も今日とて大きな指標はないが、注意しておくべきとすれば19時のイタリアGDP発表。PIIGS5ヵ国の1つに序されながら、ここのところ話題になっていないイタリア。同時刻にはGDP発表だけではなく国債入札も予定されており、結果次第では「やはり」と動き出すきっかけになる可能性もある。
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2010.12.10日 9:16更新
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