風読記 フィリップFXブログ
ドル円今日のポイント
アジア時間から欧州時間前半まではユーロ堅調な中ドルの上値も限定される、という動きが続いていたが米時間に入ると一転してドル買い優勢・ユーロ売り圧力強まるという展開に。
今年7月にユーロ圏の銀行に対するストレステストが実施されたが、「来年2月に再度さらに厳しいものを実施する」とのコメントがレーン欧州委員から出されたことが心理的にユーロ敬遠へとつながった。逆にドルには好材料が続々。オバマ大統領が中間層向け減税措置の2年間延長を正式に発表、個人消費やGDP拡大への期待につながったことや、この発表を受けてムーディーズは「18ヶ月から2年のあいだにアメリカ格付けの変更は予想していない」と発表したことも追い風となった。
一連の流れを受けてドル円は82.80、83.00と節目を順調に突破、83.0-83.2で抵抗に遭ったもののドル買いの勢いは止まらず83.65水準まで上昇、83.50水準でのNY17時となった。
しかし、この83.50は先週末の雇用統計前の下限であり、発表前の水準まで戻したとはまだ言いにくいのが現状では、ドル円でのさらなる戻しにはまだ疑問が残るところ。減税効果への期待で1円程度の上昇ということでは、堅調な上昇とは言えず腰折れ懸念が強いと見ていいのではないだろうか。
本日は大きな指標発表が特になく、前日からの反動とテクニカルでの節目が意識されやすい展開になるが、ドル円の上値としてはNY時間の高値83.65水準を越えてくるかどうかが判断の基準になるだろうし、下値としては83.40を下回るかどうかで軟調転換の懸念もでてくるところだろう。
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2010.12.8日 9:33更新
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