為替勝力 フィリップFXブログ
減税措置とドルの動向
火曜日NY市場、オバマ米大統領は、ブッシュ前政権が実施した2010年末までの「ブッシュ減税」を、中間所得者層向けに2年間延長することを発表した。この材料を受け、個人消費の拡大、そして米景気回復への期待が高まり、安全資産としての米国債に対する需要が後退した。従って、米国債価格の下落と主要金利の上昇に伴い、ドル円相場は9月15日以来一日で最大の上げ幅を記録した。日米金利差の拡大によりドル買い・円売りが進んだが、オーバー大統領が共和党に譲歩したことや、欧州委員のコメントもまたドル買いを支援材料になる。
元々全世帯を減税の対象にしたかったオバマ大統領は「富裕層を減税対象から除くべきだ」と主張する共和党に譲歩したことで、党派の対立が回避でき、協議を順調に運ぶ可能性が高いと見られ、ドル買いに安心感を与えた。一方、レーン欧州委員による「来年2月に銀行に一段と厳しいストレステストを実施する」とのコメントがユーロドルを下げ、側面からドル買いを支援した。
但し、減税措置の延長により、財政赤字の拡大を回避できず、すでに巨大な債務を抱えている米国政府にとって、その債務を制御できなくなる可能性がまた高まった。格付け機関ムーディーズは、減税措置の長期化が米国財政及び信用格付けに損害をもたらすと指摘した。
景気刺激と金利上昇の面から見ると、減税措置がドルにとって大きな支援材料となりそうだが、財政赤字の拡大やインフレ水準の上昇など、将来のことを考えると、米国はどれだけのリスクを直面しているかは分かる。だから短期の場合ドルが買われても、中長期で堅調をキープするのは難しい。
2010.12.8日 9:17更新
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