225耳より情報
225耳より情報(デルタヘッジの先物買い)
2023年11月21日 08:23
おはようございます。
20日の「225耳より情報」で日経平均株価について「17日の午前10時30分以降の推移のレンジ再現を中心としつつ、9月高値超えを試すとして、3万3400〜3万3650円近辺での推移を想定」と書きました。
実際には、週明けの寄り付きから買い先行で、年初来高値となる3万3853円まで上昇しましたが、その後急速に売りに押されて午後1時頃には3万3352円の安値を付けました。
特段の買い材料があったわけではなく、円高ドル安も日経平均株価にとっては買い材料となりにくい中での高値更新でした。
この背景には、3万3500円や3万3750円を権利行使価格とするコールオプション(買う権利)の売りポジションの存在が考えられます。
コールの売りは、期日に権利行使価格を超えなければ当初に貰ったオプション価格分のプレミアムを確保できる一方、権利行使価格を超えてしまうとその超過分が損失となります。
そして、期日未到来の時点では、権利行使価格を超えれば超えるほど評価損が加速度的に膨らむことから、損失回避のために先物買いを増やさなければならなくなります。これを「デルタヘッジの先物買い」といいます。
上昇が一服して反転下落すれば、今度は増やした先物買いポジションを減らさないと、コールオプションの損失と先物買いの利益が相殺される状態(デルタ・ニュートラル)が維持できなくなります。
そのため、今度は下げが加速するということになります。
21日の日経平均株価は、目先は下押し圧力が強まって3万3500円の上値が重くなると見て、3万3150〜3万3500円近辺での推移を想定します。