今回は一目均衡表の一番重要な理論を紹介したいと思います。
それは「時間論」における「対等数値」です。
前回は時間論の中でも「基本数値」を紹介しました。
9、17、26というのが単純な基本数値として存在し、
33、42、65、76,129、172・・・という数値が複合としてありました。
しかし、この基本数値でマーケットにおける価格の変化を探し出すのは難しいとも記しました。
そこで、対等数値の登場となるのです。
対等数値は基本数値の数字にこだわりません。
以下の図を見てください。
例えば、AからCまでの日柄が30日、CからEまでの日柄が30日であれば、Eから30日後の動きには注意をしたい、と考えるのです。
また、BからDまでが25日、DからFまでが25日であれば、Fから25日後にも注意をしよう、となります。
そして、図のように高値と高値、安値と安値が対等数値になる必要はありません。
AからDまでが49日、BからEまでが49日、CからFまでが49日であれば、Dから49日後にも注意をすることになります。つまり、高値と安値の組み合わせでも構わないのです。
つまり、表示されたチャートの高値や安値、また、もち合いの始点や終点なども対等数値を考える際の起点になるのです。
また、上図ではピッタリ同じ日数にて説明をしましたが、実際に同じ日数が揃うことは稀です。
例えば、25日と23日と26日といった具合に誤差が生じます。どこまでの誤差を対等数値として認めるのかについて明確な決まりはありませんが、中心となる数字の±1割までを目安にしたいと誤差と考えていいでしょう。
上図は、ユーロ円の日足です。
図に示したように、15日周期で一つの流れが出ていることが確認できます。ということは、直近は13日目を迎えていることから、そろそろ次の流れが出て来る可能性がある、ということになります。
時間を味方に付ける、ということはまさにこのようなことを意味するのです。
では、何故このような対等数値が重要なのでしょうか。
それは一目均衡表には「輪廻」という考え方が根底にあるのです。輪廻を簡単に説明すると、「生と死が繰り返される」ことなのですが、ここでは過去に起きた事が繰り返し巡ってくる。ということから、人間にも、様々な事象にも同じリズムが繰り返し存在している、ということです。
人間でいうのであればその人特有のバイオリズムがあり、また、自然界でも特有のバイオリズムが存在する、ということです。故に、人間が形成している相場にもバイオリズムのようなリズムが存在する、と考えていただければいいのではないかと思います。
ですので、ドル円にはドル円の、ユーロ円にはユーロ円の、日経平均には日経平均のリズムが存在すると考えるのです。
故に、対等数値を見つけることによって、その銘柄のリズムを知ることができるのです。
これが出来れば、そろそろ新しい流れが出現するのではないか、そろそろトレンドに変化が起きるのではないか、と時間を味方に付けて備えることが出来るのです。
ファンダメンタルズ分析だけをしていても、トレンド系のテクニカル分析でトレンドを分析していても、オシレーター系のテクニカル分析で買われ過ぎ・売られ過ぎを分析していても、未来における流れが変わりそうな時間帯というのを予測することは難しいのです。
しかし、対等数値を使うことで、将来、相場に変化が起きそうな時間帯を見つけられる可能性があるのです。
ただし、ひと言重要な点を指摘しておきます。
これは練習をしないと習得できません。『なるほど、対等数値というものがあるんだ』と理解していただくことも重要なのですが、それよりも重要なのはその対等数値を使いこなすことであり、それには日頃より、対等数値を使い、銘柄を研究することが必要になります。
筆者自身も何年も繰り返し対等数値の訓練をしてきました。
一目均衡表の章の始めに紹介した、故佐々木英信氏は毎日、300銘柄におよび銘柄の対等数値を付けていました。
一目均衡表はそれだけ努力をして得る価値あるテクニカル分析だと思います。
川口 一晃(オフィスKAZ代表取締役)
1986 年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問や国内投信会社で11年間ファンドマネージャーを務める。
2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。