2026年は午年です。マーケットには午年にちなんだ格言もいくつか存在しますが、格言云々というよりも乱高下の激しい年初の相場を見ると、『暴れ馬』のように26年は始まった、というのが正直な感想です。
為替相場では年初より円安が進み、クロス円は軒並み高値を更新。ドル円も160円に接近する場面もありました。ところが、為替介入懸念が広がると大きく急落。調整局面となっています。
こうなると、投資家はいつも思います『あの時売っていればなぁ』と。
そういう時に高値や安値の目標となる参考価格があると便利です。多くのケースでは、過去の高値や安値を参考に目標価格を調べるのですが、今回のように高値を更新している場合には、参考になる過去の価格がないので悩んでしまいます。
そこで今回は一目均衡表の水準論、すなわち価格観測論を紹介したいと思います。
この考え方をマスターできれば、高値更新や安値更新する場合なども含めて、価格の分析をする際に大いに役立つと思います。
一目均衡表における価格観測論の代表的なものに、『E計算値』、『N計算値』、『V計算値』があります。他にも、『NT計算値』や『背反値』というのもあるのですが、ここでは代表的な3つの計算方法を紹介します。
・E計算値
AからBまで上昇した値幅をBに加えます。上の例では上昇した値幅10円をBの価格110円に加えます。
Aの100円、Bの110円そしてE計算値の120円。それぞれの水準で横線を引くとアルファベットの『E』の形になるので、E計算値と言います。
大底を付けた銘柄はE計算値まで戻る、と言われています。また、目標値のE計算値を超えた場合には、E計算値に更にAからBまでの上昇値幅を加えます(この場合、10円を加えて130円とします)。これを2E計算値と言います。一目均衡表上、4E計算値までは可能性を認めています。
・N計算値
AからBまで上昇した値幅を押し目のCに加えます。上の例では、AからBまでの上昇幅10円を押し目の108円に加えます。118円がN計算値となります。
ABCDを線でつなげるとアルファベット『N』に似ているのでN計算値と言います。なお、N計算値には2N、3Nといった計算は存在しません。Nのみです。
実践ではよくN計算値を使いますし、N計算値になることが多いのが筆者の感想です。
・V計算値
上の例でV計算値を説明するのであれば、BからCまで下げた値幅の倍返し。つまりBからCまで下げた値幅をBに加えます。この形がアルファベットの『V』の形に似ているのでV計算値と言います。
換言すれば、起点となる価格の直前の高値(ないしは安値)の値幅をその直前の高値(ないしは安値)に加える形となります。
ここで紹介した3例はともに上昇しているパターンですが、下落しているケースでも、
上昇と下落の方向を逆にして考えることができます。
つまり、上昇のE計算値もあれば、下落のE計算値もあるのです。
上図はNZドル円の週足です。Aの81円15銭(価格は『約』ですが、以下も省かせて
いただきます)からBの88円85銭までの上昇幅7円70銭をBの88円85銭に加えた
E計算値は96円55銭となります。
E計算値通りに上昇したのであれば、2024年の高値に接近する動きになることが
考えられるということです。
上図はユーロ円の日足です。
Aの180円30銭からBの184円75銭までの上昇幅4円45銭をCの182円75銭に
加えると187円20銭となります。ほぼ今回の高値と一致してきます。
上図はユーロドルの日足です。
Aの1.180ドルからBの1.157ドルまでの下落幅0.023ドルを1.180ドルに加えると
1.203となり、現在の高値水準とほぼ一致してきます。
このように、価格観測論を使うと、将来の価格を予想するのに大変便利です。
是非、練習をして使いこなせるようにしてみてください。
川口 一晃(オフィスKAZ代表取締役)
1986 年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問や国内投信会社で11年間ファンドマネージャーを務める。
2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。