前回は、買われ過ぎ・売られ過ぎを分析するオシレーター系のテクニカル分析の一つであるMFI(マネーフローインデックス)を紹介しました。
今回はMFIの中身を中心に考えていきます。
MFIは出来高と価格を考慮したテクニカル分析です。
赤丸の箇所は80%を超えて反転していることから『売りシグナル』
青丸の箇所は20%以下の水準から上昇したことから『買いシグナル』
となります。
上図では、シグナルが良いタイミングで出ているという印象を受けると思いますが、これはパラメーターを積極的に変えた結果なのです。
実はパラメーターが教科書で紹介されている『14日』や『20日』という数字をいれて算出すると、買われ過ぎや売られ過ぎの水準に半年以上も到達しない状況も出てくるのです。つまり、MFIを使用する場合にはパラメーターは積極的に変える必要があるということなのではないでしょうか。
しかし、パラメーターを変える場合、ただ単に数値を入れ替えるだけではいけません。
つまり、MFIの公式を理解し、パラメーターをどう変えるとどのような変化を刷るのかを知る必要があるのです。
そこで、まず公式(算出方法)を見ていくことにしましょう。
まずはTP(Typical Price)を求めます。
これは 高値、安値そして終値の合計を3で割ることで求めます。
次にマネーフローを計算します。
マネーフローはTPに出来高を掛けて求めるのですが、為替の場合はTick数をかけます。
次に前日のTPと当日のTPを比較し、当日のTPの方が高い日のマネーフローをn日分合計します。これを『A』とします。ちなみに、このn日のnがパラメーターとなります。
逆に、前日のTPと変わらずないしは安い日のTPのマネーフローもn日分合計します。これを『B』とします。
そして、以下のように計算をしてMFIを求めます。
TPに出来高をかけて前日比上昇したのか、下落したのかを考えるということは、価格に出来高を掛けたエネルギーが上昇として入ってきたのか、またエネルギーが出ていったのか、ということになります。
ですので、上昇が続くとMFIも上昇し、80%を超えてくると『買われ過ぎ状態』に入ったと考えます。逆に下落が続くとMFIも下落し、20%を割り込むと『売られ過ぎ状態』となるのです。
「出来高は価格に先行する」ということがマーケットで言われていることから、このような考え方が成立するのだと思います。
パラメーターについては、教科書では『14日』が使われているのですが、筆者としては14日よりも短い数値にした方が良いと考えています。
なぜなら、株価は右肩上がりで成長していくことが前提となっており、長くトレンドが出やすいので、長めにパラメーターを取っても計算しやすいのです。
しかし、為替は二国間の通貨の交換比率であることから、ある程度のレンジの中で推移することが考えられます。故に、上昇ないし下落が連続して出にくい、つまり10日間連続高とか連続安というのが出現しにくい。上昇、下落を繰り返しながら徐々に水準を上げたり、下げたりしていく傾向が強いのです。ですから、パラメーターも14日よりも10日以下の数値に設定して求めた方が、実際の相場に合うと筆者は考えています。
川口 一晃(オフィスKAZ代表取締役)
1986 年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問や国内投信会社で11年間ファンドマネージャーを務める。
2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。