前回、出来高を考慮したテクニカル分析、OBVを紹介しました。為替の場合、出来高を的確に算出することは難しいのですが、Tick数を出来高に見立てるという方法で計算をしたのです。
そこで、今回も出来高を考慮したテクニカル分析を紹介したいと思います。
今回紹介するのは、MFI、マネーフローインデックスというテクニカル分析です。
上図はドル円の日足とMFIです。。
基本的な見方は、MFIが80%以上になると買われ過ぎ状態、20%以下が売られ過ぎ状態となります。
つまり、MFIはオシレーター系のテクニカル分析なのです。
上図の買われ過ぎの状態から下落に転じる箇所には赤い矢印、逆に売られ過ぎ状態から上昇に転じている箇所には青い矢印を示しています。
実際にドル円の価格の動きと合わせてみると、相場の転換点をよく示しているのではないでしょうか(黄矢印)。
また、MFI単独ではなく、他のオシレーター系のテクニカル分析を併用することで、より精度を上げることが出来ると考えています。
上図はMFIにストキャスティクスを追加して表示してみました。
天底の位置より若干前後にずれる部分はありますが、2つのオシレーター系のテクニカル分析を合わせて使用すると価格の流れが良くわかるのではないでしょうか。
ところで、下図のMFIを見てください。
これはユーロ円のMFIなのですが、表示している期間中、買われ過ぎないしは売られ過ぎの水準を越えたのは赤丸で示した2カ所のみです。他の場所では買われ過ぎ、売られ過ぎの水準を越えていないことから売買シグナルも出ていません。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。トレンドが続いているというだけの問題ではないのです。実は、パラメーターに問題があるのです。
以前、RSIを紹介した時に、教科書で表示されている「14日」というパラメーターは期間と長すぎるので短め、例えば10日とか7日に設定した方が良い、と記しました。
ストキャスティクスの時には逆に教科書よりも長めのパラメーター、例えば「20日」などを使用した方が良いとも記しました。
このパラメーターの問題がMFIにも起きているのです。
教科書の多くは「14日」で紹介されていますが、14日だと買われ過ぎ、売られ過ぎに入る回数が激減します。
これは前述したドル円のMFIですが、パラメーターを「14日」にしています。
前述のMFIのパラメーターは「10日」でした。
パラメーター14日のMFIを見ると、表示している期間中に買われ過ぎ、売られ過ぎになった場面が一つもないことになります。誰の目にもこれが現実的なものではないということがわかります。
ということで、MFIを使用する場合には、パラメーターを教科書の14日よりも短めに設定する必要があると考えられます。
筆者のお勧めは7日から10日の期間です。
次回は、MFIの計算式を中心に使用法の工夫を考えたいと思います。
川口 一晃(オフィスKAZ代表取締役)
1986 年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問や国内投信会社で11年間ファンドマネージャーを務める。
2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。