出来高をデータとして算出するOBVの解説をしています。通常、24時間世界中で取引をされているFXの出来高をカウントすることは難しいのですが、Tick(ティック)で代用してカウントしています。
OBVの作成方法は
前日と比較して価格が上昇したのであれば、その日の出来高を加算します。
逆に下落をしたのであれば、その日の出来高を減算します。
また、前日比と当日の価格が同値の場合は前日の終値が前々日に比べて、上昇していたのであれば加算、下落していたのであれば減算して求めます。
相場はトレンドが出ている局面とトレンドが出ていない、すなわちもち合い(レンジ)の局面の2つに分けることができます。
通常、もち合いが続いている局面というのは、次のトレンドのエネルギーが溜まっている状態であり、そのエネルギーが煮詰まると大きく動き始めるとされています。トレンドが出始めて値動きが荒くなると出来高が増えてくるのはもちろんなのですが、動き始める直前にも出来高が急増したりすることが多いことから、出来高の増減というものが、相場を読み解くヒントになるのです。
上図を見てください。
下段にはOBVを表示していますが、価格の動きとOBVの動きはビジュアル的にも連動しているのが見て取れるのではないでしょうか。
表示する期間を長めに取って見ると、更によくわかると思います(下図)。
故に、基本的には価格と出来高の動きについては相関性が高いと考えられます。
しかし、その相関性がきれいに表示されてばかりではありません。上図を見てください。価格が大きく戻ってくる場面で、価格は上昇しているにも拘わらず、OBVの数値が上昇してきていないのです。つまり、下の水準での横這いとなっているのです。
どうして、OBVの数値は上がらなかったのでしょうか。
これには2つの理由が重なったと考えられます。一つは、価格が上昇した日と下落した日が比較的交互に出現している、ということです。株式が大きく動く場面というのは、上昇でも下落でも連続することが多いのです。しかし、為替の場合には、二国間の通貨の交換比率ということもあり、レンジ相場になることが多く、短期的に上昇と下落を繰り返すことの方が多いのです。
また、そうした中で、今回は同事線に近いローソク足も多く出現しています。つまり、値動きが小さかった、ということになります。
以上の理由からOBVの数値が上昇しなかったのであろう、と推察されます。
出来高と価格の動きに相関性は見られるものの、為替の場合には上昇と下落が交互に現れやすくOBVがうまく機能しない場合があります。
そこで、他のテクニカル分析と併用してみるのはどうでしょうか。
上図は、OBVに移動平均線を併用しています。
価格が下落した後もOBVが下値水準を横這いになっているという状態は、下げ止まっているものの方向感が見えていない状況だと考えられます。
そこに、現在値が移動平均線を超えてきたことで、上昇に転じたことを示唆しています。
出来高は株価に先行する、というようにトレンドが出現する前に出来高が増えてくるのをもって相場の流れを早く捉えようとするのであれば、OBVにトレンド系のテクニカル分析を併用して分析していくのも一つの方法である、と言えるでしょう。
川口 一晃(オフィスKAZ代表取締役)
1986 年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問や国内投信会社で11年間ファンドマネージャーを務める。
2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。