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【投資戦略ウィークリー 2020年5月18日号(2020年5月15日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

蛇の目ミシン工業(6445)   

423 円(5/15終値)

・1921年設立。家庭用ミシンや刺しゅう機並びに関連ソフトを取扱う家庭用機器事業を中心に、卓上ロボットなどを開発・製造する産業機器事業、ITソフトウェア・情報処理サービスのIT事業を営む。

・5/13発表の2020/3通期は、売上高が前期比6.9%減の355.21億円、営業利益が同0.7%増の11.58億円。営業利益は会社計画比57.1%増だった。世界的に外出自粛の動きが出る中、マスク不足からミシンを使った手作りマスクの関心が高まったことが、家庭用ミシンへの追い風となった。

・新型コロナウイルス感染拡大の影響を合理的に算定することが困難であることから2021/3通期の会社予想を未定とした。政府の緊急事態宣言解除後も、「新しい生活様式」として症状がなくてもマスクを着用することが基本的な対策として奨励されており、手作りマスクへの関心の高まりに伴う国内外での家庭用ミシン販売の広がりが新たな潜在需要の掘り起こしに繋がる可能性があろう。

 

東光高岳(6617)   

951 円(5/15終値)

・2012/10に高岳製作所と東光電気の共同株式移転により設立され、2014/4に経営統合。東京電力パワーグリッドが34.8%の筆頭株主。電力機器事業および計量事業などを主な事業とする。

・4/27発表の2020/3通期は、売上高が前期比2.7%増の933.41億円、営業利益が同15.1%減の23.21億円。2019/6にベトナムの電力機器企業をグループ会社としたことが電力機器事業における海外工事の増加に寄与したが、計量事業におけるスマートメーターの減収が響き減益となった。

・新型コロナウイルス感染症の影響について先行き不透明であることから2021/3通期の会社予想を未公表とした。2020/4より電力システム改革として電気事業者に送配電部門の法的分離が義務付けられた。送配電事業者として親会社から独立してグループ力を強化する必要がある東京電力パワーグリッドの下、利用者の電力データ活用事業などの有望事業分野への進出が期待されよう。

 

マネックスグループ(8698   

218 円(5/15終値)

 

・2004年設立。金融商品取引業、クリプトアセット事業、有価証券の投資事業を主要な事業とし、日本、米国およびアジア太平洋に主要拠点を有する。2018年にコインチェックを完全子会社化。

・5/7発表の2020/3通期は、営業収益が前期比2.0%増の532.26億円、当期利益が同2.7倍の28.20億円。クリプトアセット事業におけるビットコイン価格の相場上昇に伴う暗号資産取引の活発化、および前期と異なり年間を通じて暗号資産取引に係る営業活動を行ったことが増収増益に寄与。

・通期会社計画は非開示。5/12にビットコインがマイニング報酬に係る3度目の半減期を実行。5/14-15にかけて日本円で100万円の大台に達した。コインチェックと共に国内大手暗号資産取引所の一角を占めるbitFlyerが5/13より約2年ぶりにテレビCMを開始したこと、および5/1より改正資金決済法が施行されたことは、暗号資産の認知度拡大や関連事業の立ち上げへの追い風となろう。

 

大和証券リビング投資法人(8986   

90,000 5/15終値

・2005年設立。大和証券グループ本社8601をスポンサーとする住居特化型J-REITの日本賃貸住宅投資法人が4/1に日本ヘルスケア投資法人を合併し、前者を存続投資法人として名称を変更。

・11/19発表の2019/9期(4-9月)は、営業収益が前期(2019/3期)比2.5%増の84.60億円、営業利益が同3.1%増の38.34億円、1口当たり分配金が同2.5%増の2,040円。新規4物件(合計取得価格54.83億円)に対し、10物件(合計譲渡価格45億円)を売却。ポートフォリオの質向上に努めた。

・2020/9期(4-9月)の会社計画は、営業収益が115.42億円、営業利益が48.09億円、1口当たり分配金が2,150円。2021/3期(2020/10-2021/3)の会社計画は、営業収益が前期(2020/9期)比12.4%減、営業利益が同20.4%増、1口当たり分配金が同横ばい。新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えることはJ-REITの中でも住宅や介護施設を運用対象とする同法人への恩恵となろう。

 

デジ・ドット・コム(DIGI

市場:マレーシア    4.42 MYR5/14終値

・ノルウェーのグローバル通信事業者であるテレノール・グループが筆頭株主。2019/9末現在、マレーシアで約1,130万人のユーザーを擁し、4G+ネットワークはマレーシア国土の約80%をカバー。

・4/23発表の2020/12期1Q(1-3月)は、総収入が前年同期比3.4%増の15.60億MYR、EBITDAが同6.2%減の7.17億MYR、純利益が同2.9%減の3.32億MYR。インターネット・デジタル収入が増収に寄与したが、通信の繋がりやすさ改善に向けた支出増に伴う減価償却費用が嵩み減益となった。

・同社はマレーシア経済のGDP成長率引下げ見通しを受けて2020/12通期計画を下方修正。通信サービス収入とEBITDAを前期比1桁台前半までの減少率とした。ただし、政府による外出移動禁止令(MCO)に伴う「ステイホーム」効果により、動画配信やゲームアプリのデータ通信需要が倍増したことに伴い、1時間当たりデータ通信量が時間帯によっては最大でMCO実施前比29%増となった。

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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