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【投資戦略ウィークリー 2020年12月28日(年末年始)号(2020年12月25日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

ヘルスケア&メディカル投資法人3455

126,100 円(12/25終値)

・介護医療事業を手掛けるシップヘルスケアHDSに加え、三井住友銀行、NECキャピタルソリューションを主要スポンサーとするヘルスケア特化型J-REIT。2017/11にJ-REIT初の病院資産を取得。

・9/15発表の2020/7期(2-7月)は、営業収益が前期(2020/1期)比0.5%増の20.23億円、営業利益が同2.8%減の10.72億円、1口当たり分配金が同2.4%減の3,240円3,643円。「ベルジ武尊」と「サニーライフ鎌倉」の2物件(総取得価格14.56億円)を取得。期末保有物件は35物件、稼働率100%。

・2021/1期(2020/8-2021/1)会社計画は、営業収益が前期(2020/7期)比1.7%増の20.58億円、営業利益が同0.8%減の10.63億円、1口当たり分配金が同1.1%減の3,205円。2021/7期までの会社予想年分配金利回り(12/24終値)は5.08%。コロナ禍により商業施設やホテルを中心に不動産市場の不透明感が増すなか、同法人は施設事業者との間で賃料固定・長期の賃貸借契約を締結。

 

IGポート3791) 

1,317 円(12/25終値)

・1987年にアニメーション制作会社(アイジー・タツノコ)として創業。傘下にアニメ制作のプロダクション・アイジー、ウィットスタジオ、シグナル・エムディを擁し、「進撃の巨人」などのヒット作を有する。

・10/9発表の2021/5期1Q(6-8月)は、売上高が前年同期比42.9%減の11.27億円、営業利益が前年同期の1.71億円から▲1,500万円へ赤字転落。版権事業が伸びたほか巣ごもりのコミック需要から出版事業が好調だったが、映像制作事業で大きな売上作品が無かったことが業績に響いた。

・通期会社計画は、売上高が前期比6.2%増の96.21億円、営業利益が同15.6%減の2.38億円。コロナ禍の影響で延期されていた人気映画「Fate/Grand Order」が今年12月に全国公開。21年春の続編公開も決定した。スマホアプリと連携したメディア・ミックス展開も順調。巣ごもりの電子コミック需要を含めて通期業績への寄与が見込まれる。「進撃の巨人」のデザイン缶など版権事業も堅調。

 

三菱マテリアル(5711 

2,223 円(12/25終値)

・1871年に九十九商会(三菱グループの前身)の鉱業への進出を出発点とする。電子材料などの高機能製品、加工、金属、セメント、環境エネルギー、その他の事業を営む。伸銅品は国内首位。

・12/16発表の2021/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比3.1%減の7,255.68億円、営業利益が同59.4%減の68.90億円、事業再編損失引当金繰入額計上により純利益が▲191.50億円へ赤字転落。金やパラジウム価格上昇の恩恵により金属事業は増収だったが、それ以外の事業は減収。

・通期会社計画を上方修正。売上高を前期比4.4%減の1兆4,500億円(従来計画1兆4,200億円)、営業利益を同78.9%減の80億円(同ゼロ)、経常利益を同59.7%減の200億円(同70億円)に引き上げた。銅や金の価格上昇が金属事業への追い風となるほか、出資先海外鉱山からの配当金増加の見通し。主要国による電気自動車(EV)推進策により金属事業への恩恵が続くと期待される。

 

豊田通商(8015 

 4,070 12/25終値

・1948年にトヨタ車の販売金融を行う豊田産業の商事部門を継承して設立。トヨタ系の総合商社であり、自動車関連事業を主力とする。アフリカ事業はトヨタグループで1922年に遡る歴史を有する。

・10/29発表の2021/3期1H(4-9月)は、収益が前年同期比18.8%減の2兆7,325億円、営業利益が同33.7%減の719.99億円。コロナ禍の影響による自動車生産関連の取扱いや自動車販売減少が響いた。2Q(7-9月)の前四半期比では、収益が28.9%増、営業利益が2.8倍と業績改善を示した。

・通期会社計画は当期利益が前期比41.0%減の800億円。同社は2023/3期までの中期経営計画の重要課題に自動車部品や樹脂の回収および再利用事業を意味する「循環型静脈事業」を加え、自動車の金属や電池関連での早期収益化を目指している。また、00-08年の新興国ブームでBRICsとアセアンが注目されたなか、21年以降にアフリカが有望な新興国市場として注目されよう。

 

ランド・アンド・ハウジズLH) 

市場:タイ   8.15 THB12/24終値)

・1983年創業のタイ最大の住宅開発会社。コンドミニアム、戸建て住宅などの開発を行う不動産事業のほか賃貸・サービス事業を営む。傘下企業を通じ、商業施設やホテルの運営、銀行業も営む。

・11/12発表の2020/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比7.4%増の81.61億THB、税引前コア営業利益が同8.9%増の13.65億THB、持分法投資利益が同16.4%減の6.85億THB、純利益が同6.9%減の20.49THB。持分法投資利益を除けば、主たる本業の不動産事業は増収増益だった。

・中国人富裕層を主な担い手として成長してきたタイ不動産市場は、急激な値上がりに対し2018年頃から需要が減退したほか、19年の住宅ローン厳格化も重なり市場が悪化していた。更にコロナ禍の影響でコンドミニアム需要が減退するなか、タイ中銀が今年3/21に政策金利を1%から0.75%に引き下げ、5/20以降は0.5%に据え置く金融緩和を実施中。コンドミニアム需要回復が期待される。

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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