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【投資戦略ウィークリー 2020年8月24日号(2020年8月21日)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

岩塚製菓2221

3,770  円(8/21終値)

・1947年に現在の新潟県長岡市で設立。せんべい・あられ・おかき等を製造する米菓事業を営む。米菓では国内3位。収益面で、出資・技術支援先の台湾の旺旺集団からの配当金収入に特徴。

・8/11発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比3.1%増の56.50億円、営業利益が同2.7倍の3,400万円、経常利益が同5.4倍の6,100万円。販売子会社における休業措置の影響があったものの、コロナ禍に伴う外出自粛による巣ごもりの買いだめ需要が奏功し、増収増益となった。

・通期会社計画は、売上高が前期比1.6%増の232億円、営業利益が同2.1倍の3.6億円、経常利益が同6.0%減の24億円。前期の旺旺(ワンワン)集団からの株式配当金収入は22.48億円に上った。同社は旺旺集団株式の5%を保有するなか、旺旺集団は米菓生産量で世界首位となり、その米菓商品は世界56ヵ国で販売され、現在は飲料なども幅広く扱う世界的総合食品メーカーに成長した。

 

大日本住友製薬(4506

1,372   円(8/21終値)

・1897年設立の大阪製薬が前身。2005/10に住友製薬と合併し、住友化学4005が51.6%所有の親会社となった。北米の売上収益構成比が50%を超える。抗精神病、抗がん、再生細胞に重点。

・7/30発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上収益が前年同期比13.9%増の1,338.57億円、営業利益から非経常項目を除外したコア営業利益が同9.4%増の243.67億円。コアセグメント利益は、中国が同29.0%減だったものの、主力の北米が同21.7%増、日本が同10.6%増となり業績に寄与した。

・通期会社計画は、売上収益を前期比2.5%増の4,950億円(従来計画5,100億円)へ下方修正だが、販管費減少を見込みコア営業利益を同54.2%減の330億円と従来計画から据え置いた。既に三菱ケミカルHDS4188が田辺三菱製薬を完全子会社化したことに加え、コロナ禍の不透明感から利益を企業集団内に留めたい親会社の事情もあり、TOBによる完全子会社化の可能性もあろう。

 

パナソニック(6752

948.1 円(8/21終値)

・1935年設立の総合電機メーカー。家電、FA機器、情報通信機器や住設機器などの生産、販売やサービスの提供を行っている。リチウムイオン電池、デバイスなど拡大する車載事業も展開する。

・7/30発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比26.4%減の1兆3,919億円、営業利益が同93.3%減の37.58億円、純利益が前年同期の497.77億円から▲98.33億円へ赤字転落。固定費削減に取り組んだが、住宅関連事業の非連結化やコロナ禍に伴う減販損の影響が大きかった。

・通期会社計画は、売上高が前期比13.2%減の6兆5,000億円、営業利益が同48.9%減の1,500億円、銃利益が同55.7%減の1,000億円。テレビ・半導体など「構造的赤字4事業」の売却・撤退によるコスト削減のほか、2021年に米テスラTSLAの電気自動車向け電池の生産能力を増強し、テスラの主力車「モデル3」の拡販や新型車の生産増に対応。費用・収益の双方の改善が期待されよう。

 

フクダ電子(6960

7,510 8/21終値

・1939年創業。医用電子機器の製造・販売を主な事業とし、生体検査装置、生体情報モニター、治療装置、消耗品等の4事業部門を営む。呼吸・循環器系に強く、心電計の国内販売シェアは首位。

・7/31発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比4.5%減の272.97億円、営業利益が同9.9%減の23.37億円。生体情報モニターと治療装置は増収だが、生体検査装置と消耗品等が減収。2020年度診療報酬改定はプラス改定だったが、コロナ禍に伴う医療機関への負荷が響いた

・通期会社計画は、売上高が前期比1.0%減の1,320億円、営業利益が同3.6%減の128億円。東京都の新型コロナウイルス感染に係る重症患者数(入院患者のうち人工呼吸器が必要な患者数)が7/10-12(年内最少の5人)から8/20(36人)まで増加し、今後の動向が懸念されている。人工呼吸装置を取扱う同社株価が7/14に4月以降の最安値を付けた後で上昇に転じている点は注目される。

 

IOIIOI  

市場:マレーシア  4.53 MYR8/20終値)

・1969年にインダストリアル・オキシジェン・インコーポレーテッドとして設立。世界有数の総合パーム油企業で、上流のプランテーション事業から下流の資源ベース製造事業まで全体をカバーする。

・5/27発表の2020/6期3Q(1-3月)は、売上高が前年同期比7.6%増の20.33億MYR、営業利益が同9.3%増の3.16億MYR。粗パーム油平均価格およびパーム核油平均価格の上昇が増収・営業増益に寄与。その一方、外貨建て債務に係る為替換算差損益の悪化により純利益は赤字転落だった。

・マレーシアとインドネシア政府がバイオディーゼル導入義務化を継続していること、コロナ禍に伴う移動制限で労働者の集まりが悪く収穫効率が落ちていること、およびインドがマレーシア産パーム油の輸入を5月に再開したことが奏功し、パーム油の国際相場が上昇基調で推移。また、下流の油脂化学製品部門では、コロナ禍に伴い石鹸や手指消毒剤など衛生製品の需要が拡大している。

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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