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【投資戦略ウィークリー 2020年6月22日号(2020年6月19日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

星野リゾート・リート投資法人(3287

 483,000 円(6/19終値)

・2013年設立。ホテル・旅館および付帯施設に対する投資を行うホテル特化型のREIT。主に星野リゾートグループの「星のや」、「星野リゾート 界」、「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランドに投資。

・6/15発表の2020/4期(2019/11-2020/4)は、営業収益が前期(2019/10期)比1.2%増の61.58億円、営業利益が同2.1%増の33.99億円、1口当たり分配金が同1.0%増の13,302円。収益基準となる賃料対象期間が2019年であるためコロナ禍の影響が反映されず、新規物件の賃貸収益が寄与。

・2020/10期会社計画は、営業収益が前期(2020/4期)比2.2%減の60.21億円、1口当たり分配金が同4.1%減の12,753円。2021/4期会社計画では、営業収益が前年同期(2019/10期)比29.5%減、1口当たり分配金が同61.6%減と緊急事態宣言下の休業期間の影響を受ける見通し。観光振興では6/19から都道府県を跨ぐ移動が始まり、7月下旬に「Go To Travel キャンペーン」が開始の予定。

 

みらかホールディングス(4544)      

2,716 円(6/19終値)

・臨床検査薬事業を営む富士レビオと受託臨床検査事業を行う業界首位のエスアールエルが2005年に経営統合して発足。両事業のほか滅菌関連事業や新規育成事業その他を手掛ける。

・5/13発表の2020/3通期は、売上高が前期比4.0%増の1,887.12億円、営業利益が同32.1%減の99.39億円。臨床検査薬事業を除く全ての事業が増収だったが、同事業における大口契約終了と顧客開拓に伴う費用増、および新規育成事業における先行費用の拡大が響き減益となった。

・新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明であることから2021/3通期会社計画を未定とした。エスアールエルが受託するPCR検査は、唾液を使う検査についても6/2より公的保険が適用可能となった。ビジネス目的での出入国時にPCR検査が条件となる模様であり需要増が期待される。富士レビオが開発した抗体検査キットも経済活動の本格再開に向け各方面からの需要が見込まれる。

 

文化シャッター(5930           

750 円(6/19終値)

・1955年設立。主な事業内容は、シャッター、住宅用建材およびビル用建材の製造販売とその保守点検・修理、住宅リフォーム。ゲリラ豪雨対策の浸水防止用設備を取り扱う止水事業を強化中。

・5/28発表の2020/3通期は、売上高が前期比5.5%増の1,842.39億円、営業利益が同3.2%減の94.85億円。ゲリラ豪雨に対応する止水事業を初めとして全事業セグメントが増収となるなど堅調だったが、設備投資増に伴う減価償却費、および取付工事費が嵩んだことなどが響き減益となった。

・新型コロナウイルスによる影響を現時点において合理的に算定することが困難なことから2021/3通期会社計画を未定とした。ゲリラ豪雨や集中豪雨といった社会問題に係る止水事業の2020/3通期は売上高が前年同期比35.3%増、営業利益が同3.1倍と堅調に伸びている。6月に入り梅雨前線が活発化するなか、台風シーズンを控えて大雨対策を前倒しする動きが出やすくなる面もあろう。

 

日立製作所(6501                

3,489 6/19終値

・1910年設立の総合電機メーカー。「IT」、「エネルギー」、「インダストリー」、「モビリティ」、「ライフ」を主要5セグメントとする。情報・エレクトロニクス、電力・産業機械を始め、広範な製品群を有する。

・5/29発表の2020/3通期は、売上収益が前期比7.5%減の8兆7,672億円、本業の儲けを示す調整後営業利益が同12.3%減の6,618.83億円。新型コロナウイルスやライフセグメントでの事業売却などが影響し減収。調整後営業利益では日立建機6305日立金属5486の減益が響いた。

・2021/3通期会社計画は、売上収益が前期比19.2%減の7兆800億円、調整後営業利益が同43.8%減の3,720億円。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」サービスを提供する基盤となる「ルマーダ」関連事業の売上収益を同11.9%増と見込む。同事業を企業グループ全体が関連する事業と位置付け、広範な顧客・製品群が持つデータを生かして新たな価値を生む経営戦略の進展に期待。

 

バンコク・エクスプレスウエイ・アンド・メトロ(BEM

市場:タイ    9.85 THB6/18終値

・バンコクおよび周辺の高速道路を管理運営するバンコク高速道路とバンコクで地下鉄を運営するバンコクメトロが2015年に合併し設立。高速道路事業、鉄道事業のほか商業開発事業を手掛ける。

・5/14発表の2020/12期1Q(1-3月)は総収入が前年同期比5.7%減の38.89億THB、純利益が同40.9%減の5.08億THB。コロナ禍に伴う移動制限や夜間外出禁止令、在宅勤務が響いた。主要3事業の収入は高速道路事業が同10.9%減、鉄道事業が同6.8%増、商業開発事業が同14.0%増。

・6/15以降、タイでは各種感染予防措置の実施条件下で日常生活に関わるほぼ全ての施設や活動の再開が認められ、夜間外出禁止令も解除された。また、3/30にバンコクMRTブルーラインの全区間(38駅、総延長48km)が開通し、他の主要路線との乗り継ぎも可能になったことは鉄道事業への追い風となろう。3国際空港を結ぶ高速鉄道に係る2024年開通計画の具体的進展も要注目。

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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