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【投資戦略ウィークリー 2020年4月27日号(2020年4月24日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

イトーヨーギョー(5287)   

988 円(4/24終値)

・1950年設立。コンクリート二次製品およびゴムジョイント等を取り扱うコンクリート関連事業、空調設備を中心とする建築設備関連機器の販売・施工を行う建築設備機器関連事業を主な事業とする。

・1/31発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比19.7%増の22.61億円、営業利益が前年同期の▲1,744万円から6,564万円へ黒字転換。コンクリート関連事業における環境対策製品「ヒュームセプター」および災害対策製品の残存型枠「プロテロックピアス」の販売が堅調に推移した。

・通期会社計画は、売上高が前期比5.1%増の30億円、営業利益が同44.6%増の8,000万円。東京都は災害に強い街づくりを目指し、無電柱化を進めるため小規模な戸建て住宅の開発事業を対象に最大1,000万円を助成することを4/17に発表。台風による停電回避のため無電柱化製品の販売増が期待される。需給面で昨年の高値を付けた2019/10の信用期日明けである点も好材料だろう。

 

日本郵船(9101)   

1,365 円(4/24終値)

・1885年に郵便汽船三菱会社と共同運輸会社の合併により設立。一般貨物輸送事業(定期船事業、航空運送事業、物流事業)、不定期専用船事業、その他事業(不動産業など)を展開する。

・1/31発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比9.5%減の1兆2,532億円、営業利益が同7.1倍の324.69億円。前年同期に計上した定期コンテナ船事業終了に伴う一時的費用の反動増、および不定期専用船事業における自動車輸送部門の配船効率化などが増益に寄与した。

・通期会社計画は、売上高が前期比9.3%減の1兆6,600億円、営業利益が同3.3倍の370億円。原油先物相場が急速に下落するなか、原油安の恩恵を受けやすい面が注目されよう。また、米国で積み上がった原油在庫の貯蔵手段として大型タンカーの需要増が見込まれるほか、新型コロナウイルスの影響により停滞した経済活動が再開される場合の輸送需要の立ち上がりも期待されよう。

 

近鉄エクスプレス(9375  

1,507 円(4/24終値)

・1970年に近畿日本ツーリストから航空貨物事業部が分離・独立して設立。近鉄グループHDS9041を親会社とし、貨物運送事業(航空、海上、鉄道)を中心に国際物流サービスを提供する。

・2/7発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比8.3%減の4,103.78億円、営業利益が同0.8%増の156.21億円。世界経済の不透明感を背景に航空・海上貨物運送ともに減少したが、シンガポールの完全子会社APLLが営業利益率の改善に努めたことにより営業増益を確保した。

・通期会社計画は、売上高が前期比7.9%減の5,450億円、営業利益が同11.0%減の185億円。APLLの基幹業務システムに係る減損損失の計上に伴い、3/24に当期利益予想を70億円から25億円へ下方修正。2015年にロジスティクス事業を主力とするAPLLを買収。同事業が航空輸送、海上輸送と並ぶ主力事業に成長。原油安のほか世界的な輸送需要回復による恩恵が期待されよう。

 

東北電力(9506   

1,050 4/24終値

・1951年に東北6県並びに新潟県を電気の供給区域として設立。2016/4に首都圏における一般家庭向けの電力販売に参入。2020/4より同社の送配電部門が「東北電力ネットワーク」として分社化。

・1/29発表の2020/3期(4-12月)は、売上高が前年同期比3.8%増の1兆6,426億円、営業利益が同2.2倍の919.35億円。電力小売全面自由化に伴う競争激化により小売り販売は減少したが、エリア外への卸売販売が増加したことが増収に寄与。また、生産性・効率性の向上が営業増益に貢献。

・通期会社計画は、売上高が前期比6.5%増の2兆3,900億円、営業利益が同7.6%増の900億円。停電を起こさない系統(ネットワーク)運用のため送電広域化が求められるなか、日本では電気の周波数が東西で分割されている。傘下の東北電力ネットワークは同じ周波数50ヘルツ帯で事業を営む東電パワーグリッドとの結びつきを強める展開が予想され、業界再編の契機として注目されよう。

 

サイム・ダービー(SIME

市場:マレーシア     1.98 MYR4/23終値)

・1910年にスコットランドの冒険家ウイリアム・サイム、イングランドの銀行家ヘンリー・ダービーにより天然ゴム栽培企業として設立。現在はインダストリアル事業や自動車事業を主とする4事業を営む。

・2/26発表の2020/6期1H(7-12月)は、売上高が前年同期比7.8%増の196.85億MYR、純利益が同2.6%減の5.28億MYR。PBIT(税引き前・金融収支控除前利益)は同20.9%増の8.27億MYRだった。インダストリアル事業のオーストアリア、および自動車事業の中国・香港・マカオ・台湾が貢献した。

・インダストリアル事業は新型コロナウイルスの影響により建設機械やその部品供給が滞る懸念が残るものの、2019/12末受注残高が前四半期末比15.4%増と堅調に推移しており業績を下支えしよう。自動車事業も新型コロナウイルスの影響による中国の販売台数の落ち込みが懸念されるが、長期的には同社がターゲットとする富裕層向けの高級車需要が堅調に推移するものと見込まれよう。

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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