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【投資戦略ウィークリー 2020年3月2日号(2020年2月28日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

帝国繊維(3302)   

1,921 円(2/28終値)

・1887年に創業し、1907年に前身の帝国製麻が設立。各種消防ホース、防災機器、探索機器・警報器具などを手がける総合防災事業、および麻や機能繊維を取扱う繊維事業を主な事業とする。

・2/14発表の2019/12通期は、売上高が前期比19.3%増の353.93億円、営業利益が同25.4%増の56.12億円。防災事業の売上高が同31.4%増の282.35億円となり増収増益に寄与。大型防災資材や空港向けセキュリティ機材の拡大のほか、救助工作車や空港化学消防車の拡販が堅調だった。

・2020/12通期会社計画は、売上高が同9.6%減の320億円、営業利益が同34.1%減の37億円。前期の当初計画(売上高が300億円、営業利益が450億円)からの一時的上振れ要因の反動減を考慮。水害被害の社会問題に係る大量送排水システムの拡販のほか、防災事業のパンデミック(新型感染症)関連製品や病院前除染対策製品が新型コロナウイルス感染拡大への対応で要注目。

 

ヘルスケア&メディカル投資法人3455   

122,400 円(2/28終値)

・介護医療事業を手掛けるシップヘルスケアHDSに加え、三井住友銀行、NECキャピタルソリューションを主要スポンサーとするヘルスケア特化型J-REIT。2017/11にJ-REIT初の病院資産を取得。

・9/13発表の2019/7期(2-7月)は、営業収益が前期(2019/1期)比54.4%増の20.08億円、営業利益が同83.9%増の11.89億円、利益超過を含む1口当たり分配金が3,643円(1口当たり利益超過分配金は318円)。2019/2に取得価格合計226.91億円にて8物件を取得し、期末保有物件は35物件。

・2020/1期会社計画は、営業収益が前期(2019/7期)比0.2%増の20.12億円、営業利益が同7.4%減の11.01億円、利益超過を含む1口当たり分配金が同8.3%減の3,304円。2020/7期会社予想に基づく年分配金利回り(2/27終値基準)は4.83%。高齢化の進展および介護を担う世代の人口減少に伴い、ヘルスケア施設の増設と介護・医療サービスへの社会的需要の高まりが見込まれよう。

 

日水製薬(4550   

1,316 2/28終値

・1935年に日本水産1332の子会社として設立。診断用薬・検査薬、検査用機器、原料の製造・仕入・販売を行う診断薬事業、および医薬品や健康食品を取り扱う医薬事業の2事業を主に営む。

・2/3発表の2020/3期3Q(4‐12月)は、売上高が前年同期比0.9%増の93.18億円、営業利益が同18.0%減の7.70億円。2事業ともに増収だった一方、政府による医療費削減策の基調が変わらず価格面で厳しい環境が続き、診断薬事業の営業利益が同15.6%減となったことが利益面で響いた。

・通期会社計画は、売上高が前期比6.0%増の133.00億円、営業利益が同1.3%増の13.30億円。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が懸念される中、同社が手掛ける臨床診断薬について新型コロナウイルスに対する取り組み強化が期待されよう。同社は親会社との取引割合が高いことから親子上場における子会社の独立性が問題となる面もあり、企業統治の観点からも注目されよう。

 

アイネス(9742   

1,474 2/28終値

・1964年設立。情報システムやネットワークの企画・開発から稼働後の運用・保守・メンテナンスまで一貫したサービスを提供。自治体向けウェブ型総合行政システム「WebRings」を中核製品とする。

・1/30発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比12.5%増の297.13億円、営業利益が同83.7%増の22.14億円。公共分野における各種の法改正に伴うシステム改修需要や公的機関のBPO業務拡大が増収に寄与したほか、利益面で不採算プロジェクトの解消が増益に貢献した。

・1/30に通期会社計画を上方修正。売上高を前期比11.4%増の425億円(従来計画:420億円)、営業利益を同38.3%増の30億円(同:20億円)とした。公共分野は業種別売上構成比38.2%を占める。2/26に全国1,700の自治体が使う住民記録や地方税、介護保険を初めとする行政システムの仕様を共通化する作業が始まることが報じられた。自治体に強い同社の受注への期待が高まろう。

 

ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB

市場:シンガポール   63 SGD2/28終値)

・1935年創業。ウィーCEOは創業者の一族。中国やタイ、インドネシアなど19カ国・地域に500を超える拠点を持つ。商業銀行、投資銀行、富裕層向け金融、保険など総合的なサービスを提供。

・1/21発表の2019/12通期は、総収益が前期比10.0%増の100.30億SGD、当期利益が同8.4%増の43.43億SGD。貸出残高増に伴う純金利収益の増加、ウエルスマネジメント業務とクレジットカード手数料に係る純手数料収益、トレーディングや投資に係る非金利収益の増加が増収増益に寄与。

・同社は2019/3にタイでスマホのアプリだけで営業するデジタル・オンリー銀行「TMRW」をアセアンで初めて開業した。アプリの中に、預金をすればするほど仮想の都市を発展させられるといったゲーム感覚の預金サービス、およびSNSをヒントに組み込んだチャット機能などを組み込み、モバイル・オンリーのミレニアム世代をターゲットとしている。2020年にはインドネシアでも開業の予定。

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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