English

MT5コラム

 

FX、MT5関連キーワード解説コラム『MT5で指値注文する方法|エントリー~決済時まで詳しく解説』

FX取引では外国の指標や指数、または通貨の名称など普段の生活の中ではあまり耳にしないようなワードが多く聞かれます。

そこでこの記事では、FX、MT5関連キーワードを紹介し、内容の理解を深めていただくとともに、お取引に役立てていただけるようまとめています。

 

 

FX取引における指値注文とは、注文数量や売買価格をあらかじめ定めておき、実際に為替レートが売買価格の水準になったときに注文が執行される注文方法です。MT5では、さまざまな注文方法を簡単に設定できます。英語表示に慣れる必要がありますが、慣れれば強力な取引ツールになるでしょう。

そこでこの記事では、MT5を活用した指値注文の種類と実際の注文方法について解説します。

 

MT5のエントリー時の指値注文

MT5には、さまざまな指値注文方法が用意されています。もっとも、ほかのFX取引ツールと呼び方が異なるため、MT5の表示に慣れておきましょう。

 

Buy Limit(買い指値注文)

Buy Limitは、一般のFXツールにおける買い指値注文です。現在の買値よりも低い注文レートを指定して買い注文を設定します。レートが指定した金額に達すると買い注文が執行されます。例えば、現在の米ドル円レートが143.01-02の場合、買い指値注文は143.02以下で可能です。

 

Sell Limit(売り指値注文)

Sell Limitは、売り指値注文を意味します。現在の売値よりも高い注文レートを指定して売り注文を設定します。現在の米ドル円レート143.01-02の場合は、売り指値注文は143.01以下で可能です。

 

Buy Stop(買い逆指値注文)

Buy Stopは買いの逆指値注文です。現在の買値よりも高い注文レートを指定して買い注文を行います。現在の米ドル円レート143.01-02の場合は、買い逆指値注文は143.02以上で可能です。

 

Sell Stop(売り逆指値注文)

Sell Stopは買いの逆指値注文です。現在の売値よりも低い注文レートを指定して買い注文を行います。現在の米ドル円レート143.01-02の場合は、売り逆指値注文は143.01以下で可能となります。

 

Buy Stop Limit(トリガー・買い指値注文)

Buy Stop Limitは、条件付きの買い指値注文を行う方法です。

現在の買値よりも高い価格をトリガー価格とし 、トリガー価格よりも低い値の買い指値注文を設定します。為替レートがトリガー価格に達すると、自動的に買い指値注文が有効となり、さらにレートが買い指値注文の値に達したときに買い注文が執行されます。現在の米ドル円レート143.01-02の場合は、Buy Stop Limitのトリガー価格は143.02以上での設定が可能です。

一般のFX取引ツールにおいては、このようなトリガー注文ができないものもありますが、取引戦略によっては有用な注文方法になります。

 

Sell Stop Limit(トリガー・売り指値注文)

Sell Stop limitは、Buy Stop Limit同様に条件付きで売り指値注文を行う方法です。
現在の売値よりも低い価格をトリガー価格とし 、トリガー価格よりも高い値の買い指値注文を設定します。
現在の米ドル円レート143.01-02の場合は、Sell StopLimitのトリガー価格は143.01以下で設定が可能です。

MT5の指値注文の活用方法

MT5においてどのような注文方法を用いるかは、どのような値動きを想定しているかによって異なります。自分の取引戦略に合った注文方法を選択しましょう。

 

Buy limit・Sell Limit の活用方法

Buy limit、Sell limitは現在の上昇(下降)トレンドが継続することを予想して、押し目買い・戻り売りを狙うときに使います。上昇トレンドが継続していても、一方的にレートが上がっていくのではなく、押し目を形成しながら上昇するものです。

下降トレンドにおいても、戻り値を形成しながらジグザグに下がっていくことがよくあります。その押し目、戻り値に注文レートをおいて、Buy limit、Sell limitを設定します。また、レンジ相場におけるレンジの上限・下限付近で反転を狙うときにも、Buy limit、Sell limitは有効です。

 

Buy Stop・Sell Stop の活用方法

Buy Stop、Sell Stopはレンジや三角持ち合いからのブレイクアウトを狙うときに活用します。Buy Stopは、現在の為替レートより高い値で買い注文を設定するため、一見損のようにも思えます。しかし、相場の状況がレンジ相場や三角持ち合いになっているときには、そこからブレイクアウトしたときに一方向に値が動く傾向があります。それを狙って、レンジや持ち合いから離れた地点を注文レートに設定する手法です。

 

Buy Stop Limit ・Sell Stop Limit の活用方法

Buy Stop Limit 、Sell Stop Limitは相場の特性に重きをおいた特殊な注文方法です。レンジ相場や三角持ち合いからのブレイクアウト時に、トリガーの成立による指値注文を有効にし、より低い(高い)価格でポジションを持つことを狙います。

具体的には、レンジや持ち合いから離れたところにトリガー価格を設定し、レンジや持ち合いの端の水準に近づいたところに注文レートを設定します。リターン・ムーブを想定した取引にも有効です。

 

MT5での決済時の指値注文

MT5では、一般的な利食い、損切注文のほか、トレーリング注文も簡単に設定できますので、非常に便利です。決済時の指値注文も英語表記になっていますので、慣れるまではきちんと確認をしてから発注しましょう。

 

Take Profit(利食注文)

Take Profitは、利食いのための決済指値注文です。買い(ロング)ポジションであれば、現在のレートより高い値での決済注文を設定します。

 

Stop Loss(損切注文)

Stop Lossは損切りのための決済逆指値注文です。買い(ロング)ポジションであれば、現在のレートより低い値での決済注文を設定します。

 

トレーリングストップ

トレーリングストップは、あらかじめ設定された値幅で損切注文を設定し、損切注文の値が一定の値幅で変わっていく注文方式です。

たとえば、買い(ロング)ポジションの損切りの値幅を100ポイント(10pips)と設定した場合、100ポイント以上の含み益が出たことを条件に、トレーリングストップの注文が発動します。その後、為替レートの変動によって100ポイントの損失が出た時点で損切注文が発動して決済されます。

この例では、100ポイントの含み益が出ていない状態でトレーリングストップを設定し、100ポイントの含み益が出ないまま相場が下落していった場合には損切注文は発動しません。そのため、損切注文を発動させるためには、別途逆指値注文を入れる必要があります。

 

MT5での実際の注文方法

それでは、MT5での実際の指値注文を見ていきましょう。指値注文は新規注文画面から発注します。IFDやOCO注文も簡単に設定可能ですので、ぜひMT5での注文を試してみてください。

 

通常の指値注文の方法

・新規注文画面を表示させるにはいくつかの方法があります。

1.左上メニューの「ツール」から「新規注文」を選択する。
2.右上ツールバーの「新規注文」をクリックする。
3.気配値表示の銘柄を右クリックし「新規注文」を選択する。
4.チャート上で右クリックし「プライスボード」から「新規注文」を選択する。
5.ツールボックス(下部)で右クリックし「新規注文」を選択する。

 

 

・タイプ(指値注文)注文タイプ(Buy limitなど)、数量、執行価格、Stop limit指値(トリガー注文の場合のトリガー価格)、期限を入力します。

・注文の内容と執行価格があっていない場合には、注文ボタンが押せません。
・内容を確認して注文すると、ツールボックス内に注文が表示されます。

 

IFD・OCOの注文方法

IFDは指値注文と決済注文を同時に出す注文方法です。対して、OCOは利食・損切注文を同時に設定する注文方法です。MT5の注文画面にはIFO、OCO注文の固有のボタンはありませんが、Buy Limit・Sell Limit注文と利食注文・損切注文を同時に設定することで、簡単に注文を設定することができます。

 

トレーリングストップの設定方法

ポジションを持った後に、ツールボックス内のポジション情報を右クリックして、トレーリングストップを選択します。すると、設定する損切幅のポイント数が表示されますので、お好みの損切幅を設定します。表示されている以上の損切幅を設定するときは、「カスタマイズ」を選択します。

 

 

決済注文の設定方法

ポジションを持った後に、ツールボックス内のポジション情報から右クリックし、注文変更または取消を選択して決済注文を変更します。

 

 

まとめ

MT5では一般の指値・逆指値注文のほか、トリガー注文やトレーリング注文も簡単に設定できるため、取引の幅が格段に広がります。英語での注文表示なので慣れが必要ですが、それほど難しいものではありません。ぜひ、いろいろな注文方法を活用して、取引戦略の実行にお役立てください。