FX取引では外国の指標や指数、または通貨の名称など普段の生活の中ではあまり耳にしないようなワードが多く聞かれます。
そこでこの記事では、FX、MT5関連キーワードを紹介し、内容の理解を深めていただくとともに、お取引に役立てていただけるようまとめています。
pips(ピップス)は、異なる通貨ペア間でトレード結果を比較できる、便利な単位です。取引をするうえでも、損益の表示やスプレッドの表示はpipsで表示されることがあるため、FX初心者の方は、ぜひpipsについても知っておきましょう。本記事ではpipsについての基本的な情報に加え、MT5でのさまざまなpipsの表示方法についてご紹介します。
時間ごとに刻々と移り変わる通貨ペアの値動きや、トレード成績を把握するためには、pipsの理解が不可欠です。まずは、FX取引におけるpipsの基本を整理しておきましょう。
pipsとは、「percentage in point」を略したもので、通貨ペアの値幅を表す共通単位です。1pipsは一般的にはドル円・クロス円(ユーロ円・豪ドル円などドル円以外の日本円のペア)では小数点第2位(0.01円=1銭)、ドルストレート(ユーロ/米ドル・豪ドル/米ドルなど米ドルを絡めたペア)では小数点第4位で表します。
たとえば、ドル円が1ドル150.500円から150.600円まで上昇した場合、「10pips上昇」と表します。
pipsの単位は、FX会社によって異なる場合があります。当社のMT5では、ドル円・クロス円は小数点第3位・ドルストレートの通貨ペアでは小数点第5位までを表示していますが、クロス円通貨ペアの中でもHKD/JPY(香港ドル/円)だけは小数点第5位までの表示となっています。ただし、これは表示のみのもので、実質的には小数点以下第3位までのお取引となりますのでご注意ください。
スプレッドとは、売り値(Bid)・買い値(Ask)の差で、取引コストを表します。スプレッドはpips表示されるのが一般的です。
FX取引を円でのみ把握すると、投資判断を誤る可能性があります。ドル円・クロス円・ドルストレートの取引を共通の指標で比較するのが望ましいでしょう。
値動きをpipsで把握することにより、相場の状況を冷静に判断できるでしょう。円で換算された損益は、取引ロット数によって大きく異なり、取引ロット数によっては、値幅がそれほどでなくても、大きな値幅が生じたと感じ、冷静に判断できなくなる可能性があります。
トレード成績をpipsで把握すれば、取引ロット数に左右されない、純粋なトレード成績を確認できます。損益を円で把握していると、損益の大小の原因について、ロット数が多かったことによるものか、値動きが大きかったことによるものか、見分けられません。
円換算で同じ損益であっても、取引ロット数が少ないほうが、投資効率は良いといえます。pipsで損益を判断し、円換算の損益とあわせて分析すれば、正確な投資効率の判断が可能です。
ドル円・クロス円とドルストレートでは、ポジションを持ったとき、円の損益だけで比較しようとすると、どちらの通貨ペアがどのぐらいの値幅で動いたのか判断できません。特にボラティリティの判断においては、pipsで比較するのが望ましいと考えられています。
MT5では、チャートや損益表示において簡単にpips表示が可能です。クロスヘア機能や損益表示の変換はデフォルトで設定できますが、無料のインジケーターを追加することも可能です。MT5では「point」で表示されますが、1pips=10pointです。
クロスヘアとは、チャート上においてカーソルを中心とした十字線を表示させる機能です。MT5では、チャート上の2つの点をドラッグするだけでpipsが表示されます。数本のローソク足の高値と安値をドラッグすることで、時間をまたいだpipsの把握が可能です。
ツールボックス内の建玉表示の損益欄は、デフォルトでは円表示になっていますので、pips表示に設定を変更しましょう。変更方法については次の章でご紹介します。
ネット上に公開されている無料のMQLファイルをダウンロードして、チャート上にpipsを表示させることも可能です。
たとえば、「Keys pips Ruler」は、現在の値から上下20pips目盛りのインジケーターを表示させる機能で、無料でダウンロードできます。データフォルダ内のindicatorフォルダにMQLファイルを追加して、インジケーターをチャート上に表示しましょう。
それでは、MT5でのpipsの表示の具体的な手順について、画面表示で確認していきましょう。
右上ツールボックスの「クロスヘア」を選択します。
チャート上に十字のカーソルが現れますので、pipsを表示させたいチャート内の2点をドラッグします。すると、2点の終点に、終点の値、2点間のローソク足の本数、pips(point)、値幅のパーセンテージが表示されます。
建玉の損益表示の変更は、ツールボックスの「取引」タブ内の建玉情報の表示を変更します。まず、右上の「表示」ボタンからツールボックスを選択し、ツールボックスを表示させます。
下欄にツールボックスが表示されますので、左側の損益表示欄をクリックし「損益」を「金額」から「ポイント」に変更しましょう(デフォルトでは金額になっています)。
pips表示に慣れるまでは、損益の把握について混乱しやすいかもしれません。最初は円換算の損益と見比べて判断し、pips表示を使いこなしていきましょう。
MT5内では、pipsはpointで表示されます。先述のとおり、MT5においては、10point=1pipsですので、ご注意ください。また、お取引の際に表示されるロットも1ロット=10万通貨、0.01ロット=1,000通貨単位でのお取引ですのでこちらも同様に注意が必要です。
ドル円・クロス円とドルストレート通貨をくらべるときには、円換算での損益が異なるので要注意です。1pipsの値幅の損益は、ドル円・クロス円の場合には1pips(1銭)×Lot数で損益が計算できますが、ドルストレートの場合には単純計算できません。円損益を確認したい場合には、表示を変更して確認しましょう。
逆指値で損切を入れる場合、pipsのみで考えるのは危険です。取引ロット数によって損益が異なってくるので、逆指値を入れるときには、必ず円換算での損益も計算するようにしてください。
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ipsでの取引の管理は、純粋なトレード成績を把握し、投資効率をはかるうえで重要なファクターとなります。トレードの精度を上げるためにも、pips表示に慣れておきましょう。また、デモ口座を活用することもお取引に慣れるための近道です。当社のMT5ではデモ口座では実際のお取引環境と同じスプレッドでお取引の体験ができますのでご活用ください。
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