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【投資戦略ウィークリー 2019年7月8日号(2019年7月5日作成)】銘柄ピックアップ

 

くら寿司(2695)   

4,780円(7/5終値)

・1977年創業、1995年にくらコーポレーションとして会社設立。2019/5に社名変更。「無添くら寿司」などのブランドの下、回転すしチェーンを展開する。「食の戦前回帰」を企業理念とし「四大添加物」(化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料)を排除した商品を開発・提供している。

・6/7発表の2019/10期1H(2018/11‐2019/4)は、売上高が前年同期比1.8%増の663.92億円、営業利益が同37.5%減の23.59億円、純利益が同36.2%減の17.13億円。バイトテロの影響などにより既存店売上高は同4.0%減少。1H中、国内・海外合わせて14店舗出店。店舗数は467店舗となった。

・通期会社計画は、売上高が前期比4.0%増の1,378.13億円、営業利益が同3.8%増の71.33億円、当期利益が同1.2%増の51.90億円。同社子会社Kura Sushi USAは7/4、米国証券取引委員会に対して、米国IPOのための登録届出書を提出したと発表。NASDAQへの上場を目指す。(増渕)

 

トレンドマイクロ(4704)   

4,980円(7/5終値)

・1989年に英国法人の子会社が設立し、1997年に現社名に変更。「ウィルスバスター」ほかコンピュータセキュリティ対策製品の開発・販売を日本・北米・欧州・アジア太平洋・中南米で展開する。

・5/9発表の2019/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比3.9%増の394.72億円、営業利益が同横ばいの93.08億円、純利益が同4.8%増の68.99億円。北米が減収だったものの、企業向けを中心に日本・欧州・アジア太平洋・中南米で増収となり、人件費などの先行投資費用増を吸収した。

・2019/12通期会社計画は、売上高が同5.1%増の1,686億円、営業利益が同6.0%増の380億円。5G時代のセキュリティソリューションとしてIoTデバイスを保護する「ドコモ・クラウド基盤ネットワークセキュリティサービス」を3/26にNTTドコモ9437と共同で提供を開始しており、今後の5G普及の恩恵を受けよう。また。毎月課金型のサブスクリプション型事業であることも注目点だろう。(笹木)

 

宝印刷(7921)   

1,739円(7/5終値)

・1952年創業。ディスクロージャー関連書類専門の印刷会社で、新規株式上場(IPO)や金融商品取引法・投資信託法、株主総会招集通知など会社法などに関連したサービスを提供している。IRや事業報告書などSR(シェアホルダー・リレーションズ)など任意開示関連のサービスも手掛ける。

・7/4発表の2019/5通期は、売上高が前年同期比15.6%増の182.57億円、営業利益が同16.0%増の17.80億円、当期利益が同11.3%増の12.36億円。法定開示書類作成支援ツール「X-Smartシリーズ」の導入顧客数が伸長。目論見書や株主総会招集通知の販売や文書翻訳の受注も増えた。

・2020/5通期会社計画は、売上高が前期比4.6%増の191億円、営業利益が同6.7%増の19億円、当期利益が同5.1%増の13億円。コーポレートガバナンス・コードの適用により需要が増加している「株主との対話」に係るサービスや、ディスクロージャー書類の翻訳などに注力する方針。(増渕)

 

キャノンマーケティングジャパン(8060)   

2,351円(7/5終値)

・1968年にキャノン(7751の販売子会社として設立。国内市場におけるキャノン製品の販売に加え、独自事業としてITソリューションや産業機器、ヘルスケア等の顧客向けソリューションに注力。

・4/23発表の2019/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比0.1%増の1,509.30億円、営業利益が同88.8%増の70.16億円、純利益が同89.0%増の47.80億円。粗利率の高いITソリューション事業が大企業の大型システム案件から中堅・中小企業向けまで拡大したことにより大幅増益に繋がった。

・2019/12通期会社計画は、売上高が同0.1%増の6,220億円、営業利益が同1.9%増の295億円。成長分野のITソリューションは、2019/6以降も生保会社のキャッシュレス決済システム開発・構築、セキュリティ機器の運用監視サービス開始など順調に進展。独自事業の拡大により、親会社の事業ポートフォリオ再編との関係で企業統治改革の観点から注目される可能性もあろう。(笹木)

 

イオンモール(8905)   

1,766円(7/5終値)

・1911年に岐阜繭糸として設立。1970年にジャスコグループの一員となった。イオングループのディベロッパー事業を担う中核企業として、一般テナントや総合小売業を営むイオンリテール、イオングループ各社にモール内の店舗の賃貸を行う。モール数は203店舗(国内175店舗、海外28店舗)

・7/4発表の2020/2期1Q(3-5月)は、売上高が前年同期比5.1%増の806.90億円、営業利益が同19.6%増の151.37億円、純利益が同1.2%増の79.91億円。主力の国内ショッピングモールが堅調な専門店売上動向とコスト改善により利益を伸ばした。中国・アセアン事業の営業黒字化も寄与。

・通期会社計画は、売上高が前期比4.2%増の3,260億円、営業利益が同17.0%増の620億円、当期利益が同0.5%増の337億円。2017‐2019年度の営業利益年平均成長率は11.3%。国内事業の安定成長に加え海外事業の成長加速により、2025年度に営業利益1,000億円を目指す。(増渕)

 

ニトリホールディングス(9843)   

14,810円(7/5終値)

・1967年創業。家具・インテリア用品の企画・販売、新築住宅のコーディネート、海外輸入品・海外開発商品の販売事業を行う。同社は、商品企画や原材料調達から製造・物流・販売に至るまで、中間コストを極力削減しながら全体でプロデュースするビジネスモデル「製造物流小売業」を確立。

・7/3発表の2020/2期1Q(2/21‐5/20)は、売上高が前年同期比6.1%増の1,673.32億円、営業利益が同横ばいの304.31億円、純利益が同3.2%増の203.48億円。工具が不要で簡単に組立てができる収納「Nクリック」シリーズが売上を牽引。WEB媒体への転換による広告費の減少も増益に寄与。

・通期会社計画は、売上高が前期比5.7%増の6,430億円、営業利益が同3.2%増の1,040億円、当期利益が同4.9%増の715億円。1Qには自社開発した全自動洗濯機を目玉商品として投入。ポイントキャンペーンも奏功し新生活向けセット販売が伸びた。今後の成長ドライバーとなろう。(増渕)

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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