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【投資戦略ウィークリー 2019年5月13日号(2019年5月10日作成)】銘柄ピックアップ

 

テイカ(4027)   

2,352円(5/10終値)

・1919年に硫酸と過燐酸肥料を主製品とする帝国人造肥料として創業。酸化チタン、界面活性剤、硫酸、微粒子酸化チタン、表面処理製品、無公害防錆顔料など化学工業薬品の製造・販売を行う。近年では化粧品用微粒子酸化チタンや超音波エコー用圧電セラミックスなど新分野に注力。

・5/9発表の2019/3通期は、売上高が前期比11.4%増の473.85億円、営業利益が同4.0%減の58.03億円、当期利益が同10.6%増の40.07億円。機能性用途の微粒子酸化チタン、表面処理製品の販売が好調に推移したが製造原価の上昇が重荷に。減損処理に伴う特別損失がなくなった。

・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比9.7%増の520億円、営業利益が同17.2%増の68億円、当期利益が同12.3%増の45億円。紫外線対策への関心の高まりから、微粒子酸化チタンや微粒子亜鉛はUVカット剤用の需要が見込まれる。また東南アジア市場の開拓も進める方針。(増渕)

 

シスメックス(6869)   

7,197円(5/10終値)

・1968年設立の検体検査の総合サプライヤー。ヘマトロジー(血球計数検査)、免疫検査、凝固検査などの分野に加え、ライフサイエンス領域などの領域で機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートまで一貫して行う。ヘマトロジー分野ではグローバルシェア1位。

・5/8発表の2019/3通期は、売上高が前期比4.1%増の2,935.06億円、営業利益が同3.7%増の612.82億円、純利益が同5.1%増の412.24億円。海外で血球計数検査、血液凝固検査、免疫検査、ライフサイエンスなどの試薬が伸びた。シスメックス・ビオメリューの合弁解消も乗り越え増益。

・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比9.0%増の3,200億円、営業利益が同4.4%増の640億円、当期利益が同1.9%増の420億円。2022/3期までの中期計画ではライフサイエンス事業の収益化を見込んでおり、ガン検出法のOSNAの適用拡大などで年平均増収率35.9%を目指す。(増渕)

 

トヨタ自動車(7203)   

6,537円(5/10終値)

・1937年設立。自動車事業を中心に、金融およびその他の事業を行う。セダン、ミニバン、2BOX、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品・用品のほか、自動車販売金融や住宅、プレジャーボートなどを提供する。グループ企業には日野自動車やダイハツ工業がある。

・5/8発表の2019/3通期は、売上高が前期比2.9%増の30兆2,256億円、営業利益が同2.8%増の2兆4,675億円、当期利益が同24.5%減の1兆8,828億円。原価改善や営業面での努力が寄与した。未実現持分証券評価損失の2,937億円や米税制改正に伴う法人税減少の反動により最終減益。

・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比0.7%減の30兆円、営業利益が同3.3%増の2兆5,500億円、当期利益が同19.5%増の2兆2,500億円。2019/3期は2大市場の米中がともに改善。北米は4期ぶりに営業増益に転じた。中国ではレクサスが好調で、販売台数が同14.2%伸びた。(増渕)

 

ユナイテッドアローズ(7606)   

3,650円(5/10終値)

・1989年にビームスから独立して設立。衣料品および関連製品の企画・仕入・販売を行う。ユナイテッドアローズ、ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ、ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシングの主力3事業の他ジュエルチェンジズやオデット エ オディール、ドゥロワーなども展開。

・5/9発表の2019/3通期は、売上高が前期比2.9%増の1,589.18億円、営業利益が同5.2%増の110.63億円、当期利益が同22.3%増の64.17億円。2期連続の増収増益。既存店売上高は同6.2%増と好調に推移。チャネル別の既存店売上高は、実店舗が同1.6%増、ネット通販が同21.7%増。

・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比3.3%増の1,642.40億円、営業利益が同8.2%増の119.70億円、当期利益は同4.4%増の67.00億円。同社は、成熟した大人をターゲットとする新レーベル「LOEFF(ロエフ)」を2019年秋冬商品よりスタートすると発表。女性向けから発売する。(増渕)

 

SBIホールディングス(8473)   

2,494円(5/10終値)

・1999年設立。金融サービス事業のほか、アセットマネジメント事業、バイオ関連事業を展開する。SBI証券や住信SBIネット銀行などのネット金融を中心とした金融コングロマリットを形成する。

・4/26発表の2019/3通期は、収益が前期比4.3%増の3,514.11億円、税引前利益が同15.6%増の830.37億円、純利益が同12.6%増の525.48億円。税引前利益は金融サービス事業が同4.2%増の665.58億円、バイオ関連事業が同180.73億円の赤字幅縮小で▲191.79億円となり、増益に寄与。

・2020/3通期市場予想(会社予想は非開示)は、当期利益が同3.6%増の544億円。グループのビジョンは1-2年後の連結税引前利益(IFRS)が1,000億円超(2019/3通期830億円)。2016年開始の暗号資産関連事業では、SBIバーチャル・カレンシーズが2019/3通期黒字化を実現。更に、暗号資産の米リップルXRPと米R3社Cordaを使った国際送金決済システムの普及に期待がかかる。(笹木)

 

パスコ(9232)   

973円(5/10終値)

・1953年設立。空間情報サービ事業(地理空間情報の収集、加工・処理・解析、ICT活用の情報サービス)を行う。「国内部門」(国内公共部門、国内民間部門)および「海外部門」から構成される。

・2/7発表の2019/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比1.6%増の339.28億円、純利益が前年同期の▲9.93億円から▲3.52億円へ赤字幅縮小。4/19に2019/3通期業績予想を修正し、売上高が前期比1.6%増の519億円、営業利益が同26.8%増の26億円、純利益が同30.0%増の13億円。

・2019/3通期業績予想修正は、固定資産税評価業務、上下水道台帳・林地台帳整備業務および防災・減災関連業務等の受注好調が寄与。今後も政府の「国土強靭化計画」からの防災・減災関連業務の需要を見込む。中期経営計画は、2022/3通期営業利益目標が40億円。測量・調査から空間情報処理の自動化・高頻度化技術およびプラットフォーム構築への事業転換に期待。(笹木)

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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