【投資戦略ウィークリー 2019年5月20日号(2019年5月17日作成)】銘柄ピックアップ
東映アニメーション(4816)
5,660円(5/17終値)
・1948年設立。主に、各種アニメ作品企画・製作・放映権販売の映像制作・販売事業、キャラクターをライセンス許諾しロイヤリティを得る版権事業、キャラクター商品販売の商品販売事業から成る。
・5/14発表の2019/3通期は、売上高が前期比21.1%増の557.01億円、営業利益が同39.6%増の157.41億円、当期利益が同44.9%増の113.75億円。セグメント利益は、映像制作・販売事業が同71.2%増、版権事業が同25.5%増、商品販売事業が同4.8%増。特に海外の映像、版権が好調。
・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比17.1%減の462億円、営業利益が同23.8%減の120億円。会社計画はテレビ向け作品の製作本数減少、前期の遊技機大口契約反動減、中期成長の為の販管費増を見込むが、スマホ普及による映像配信・アプリゲーム市場拡大の世界的傾向は不変だろう。放映中の人気ドラマに登場するアニメ制作会社のモデルという点も注目されよう。(笹木)
横河ブリッジホールディングス(5911)
1,633円(5/17終値)
・1918年設立。主力の橋梁事業の他、システム建築・土木関連の設計・製作を行うエンジニアリング関連事業、CAD技術などを活かして精密機器製造を行う先端技術事業、不動産事業から成る。
・5/15発表の2019/3通期は、売上高が前期比8.3%増の1,419.24億円、営業利益が同23.5%減の105.09億円。セグメント別営業利益は、主力の橋梁が前期大型工事の反動減から同29.0%減の60.30億円。エンジニアリング関連が同1.1%減、先端技術が同12.2%減、不動産が同16.7%増。
・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比7.8%増の1,530億円、営業利益が同6.6%増の112億円。高速道路の大規模更新・修繕、国土強靭化緊急対策、大阪湾岸道路西伸部などが今後の需要として見込む。リニア中央新幹線、都心再開発の土木・建築関連大型プロジェクトにも支えられ、2019/3期末で過去最高にある受注高(1,532.40億円)が今後も堅調に伸びることを期待。(笹木)
ムーンバット(8115)
794円(5/17終値)
・1885年に「西陣帯問屋」として創業。衣服装飾品事業(毛皮商品、宝飾商品)、身回り品事業(洋傘商品、洋品商品、帽子商品)から成り、各々について企画、輸入、製造、仕入、販売を行う。
・5/14発表の2019/3通期は、売上高が前期比5.9%減の116.24億円、営業利益が同68.6%減の1.90億円、当期利益が同68.2%減の1.32億円。百貨店の閉店が響いた。セグメント利益は、衣服装飾品が前期の8,200万円から▲2,000万円へ赤字転落、身回り品が同32.8%減の5.18億円。
・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比1.5%増の118億円、営業利益が同46.6%増の2.8億円。2017/4に事業戦略部を新設し、既存ルート以外のチャネルでの収益拡大に取り組み中。業績が季節要因に左右されやすいが、傘や帽子は、米トランプ政権による中国への追加制裁関税「第4弾」の中でも米国の対中依存度が高い消費財であり、「漁夫の利」獲得の機会もあり得よう。(笹木)
丸井グループ(8252)
2,298円(5/17終値)
・1941年設立。商業施設の賃貸・運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、店舗内装、広告宣伝、ファッション物流受託、建物の保守管理を行う。「マルイ」、「モディ」の2つのストアブランドを展開。クレジットカード業務、消費者ローン・家賃保証、情報システム、不動産賃貸なども手掛ける。
・5/14発表の2019/3通期は、売上収益が前期比4.6%増の2,514.15億円、営業利益が同13.2%増の411.84億円、当期利益が同21.2%増の253.41億円。8期連続の増益。百貨店型モデルからSC型施設への転換の進展で収益安定化。クレジットカードや家賃保証など金融サービスが伸びた。
・2020/3通期会社計画は、売上収益が前期比3.0%増の2,590億円、営業利益を同10.5%増の455億円、当期利益が同8.5%増の275億円。2019/3通期のエポスカード総取扱高は同17%増の2兆3,000億円となった。年平均伸長率は19%と主要カード会社平均の7%を大幅に上回る。(増渕)
ソニーフィナンシャルホールディングス(8729)
2,358円(5/17終値)
・2004年設立の金融持株会社。生命保険事業、損害保険事業および銀行事業などを行う。子会社にはソニー生命保険、ソニー損害保険、ソニー銀行などがある。ソニーが65.06%出資。ダイレクト自動車保険では元受正味保険料で国内トップシェア。生命保険では保有契約高は業界第6位。
・5/15発表の2019/3通期は、経常収益が前期比8.3%増の1兆6,291.82億円、経常利益が同40.4%増の938.56億円、当期利益が同19.6%増の620.74億円。生命保険事業、損害保険事業および銀行事業が全て収益を伸ばした。前期に計上した投資用不動産の売却益の反動も乗り越え増益。
・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比3.7%増の1兆6,900億円、営業利益が同4.4%増の980億円、当期利益が同4.7%増の650億円。ソニー生命のMCEV(市場整合的エンベディッド・バリュー)は2019/3末時点で1兆7,202億円。新契約価値などが寄与し前期末から871億円増加。(増渕)
住友不動産(8830)
4,034円(5/17終値)
・1949年設立。ビルの開発・賃貸、マンション・戸建住宅の開発・分譲、宅地の造成・分譲、海外不動産の開発・分譲・賃貸、建築土木工事の請負・設計、不動産の売買・仲介などを行う。都心を中心にオフィスビルを220棟超を展開。分譲マンションでは供給戸数が全国・首都圏で5年連続1位。
・5/16発表の2019/3通期は、売上高が前期比6.8%増の1兆132億円、営業利益が同7.2%増の2,204.19億円、当期利益が同9.3%増の1,308.17円。売上高、営業利益、当期利益が全て6期連続で過去最高を更新。前期に竣工したビルが収益寄与したほか、既存ビルの空室率・賃料が改善。
・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比0.7%増の1兆200億円、営業利益が同6.2%増の2,340億円、当期利益が同7.0%増の1,400億円。2022/3までの中期計画では、3ヵ年累計経常利益7,000億円を目指す。都心の賃貸ビル投資を継続する方針で3年間で総額2兆円の投資を計画。(増渕)
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。