【投資戦略ウィークリー 2019年5月27日号(2019年5月24日作成)】銘柄ピックアップ
中外製薬(4519)
7,190円(5/24終値)
・1925年創業、1943年に会社設立。2002年よりスイスのロッシュグループの子会社となった。医薬品の研究、開発、製造、販売および輸出入を行う。バイオ・抗体医薬品の国内リーディング・カンパニーで、がん領域、抗体医薬品では国内売上シェア1位。116ヵ国でバイオ医薬品の承認を取得。
・4/24発表の2019/12期1Q(1-3月)は、売上収益が前年同期比4.7%増の1,542.88億円、営業利益が同20.2%増の460.94億円、純利益が同25.6%増の350.31億円。ガン領域で新製品のテセントリクや主力品のパージェタ、アレセンサが堅調。アレセンサ、アクテムラのロシュ向け輸出も伸びた。
・通期会社計画は、売上収益が前期比2.2%増の5,925億円、コア営業利益が同9.7%増の1,430億円、コアEPSが同12.2%増の198円、配当性向が48.5%。同社は5/21、1,273億円を投じ横浜市に研究施設を建設すると発表。2拠点に分散していた研究機能を集約し、シナジーを追及する。(増渕)
エンバイオ・ホールディングス(6092)
819円(5/24終値)
・1999年設立。土壌汚染対策事業(土壌汚染調査・浄化工事・リスクコンサルティング)とブラウンフィールド活用事業(土壌汚染地有効活用支援)の主要事業のほか、自然エネルギー事業を行う。
・5/15発表の2019/3通期は、売上高が前期比2.1%増の85.63億円、営業利益が同19.5%減の6.33億円、当期利益が前期の4.03億円から▲1.50億円の赤字転落。増収を確保したが、連結子会社に係る事業撤退損を▲4.96億円計上した他、原位置浄化技術の導入に係る開発費用が嵩んだ。
・2020/3通期会社計画は、売上高が前期比7.9%増の92.37億円、営業利益が同32.7%増の8.40億円。中国では2019/1に土壌汚染防治法が施行され、環境規制による操業停止リスクが高まったことから中国におけるコンサルティング受注が2018/4-12の11件から2019/1-3の25件に増加。米中摩擦深刻化の中で中国事業リスクの低減を図りたい企業からの受注増が期待される。(笹木)
技研製作所(6289)
3,260円(5/24終値)
・1967年創業。無振動・無騒音の油圧式杭圧入引抜機(サイレントパイラー)に係る開発・製造・販売・保守サービス等の建設機械事業、および圧入技術の新工法を活用した圧入工事事業を行う。
・4/8発表の2019/8期1H(2018/9-2019/2)は、売上高が前年同期比1.6%増の141.73億円、営業利益が同1.3%増の32.09億円。売上の73%を占める建設機械事業において防災・減災需要の高まりに伴うインプラント工法市場の拡大により、セグメント利益が同5.1%増の34.96億円と堅調だった。
・2019/8通期会社計画は、売上高が前期比10.2%増の32.10億円、営業利益が同7.4%増の64.2億円。「国土強靭化のための3か年緊急対策」で注目の日本だけでなく、欧米主要都市でも老朽化した都市インフラの再整備が急務である。同社は、米国子会社および欧州子会社の拠点強化に注力中であり、省スペース・工期短縮・環境負荷低減に資する圧入工法の海外普及に期待。(笹木)
タムロン(7740)
2,300円(5/24終値)
・1952年設立の精密光学メーカー。一眼レフカメラレンズなど一般ユーザー向けの光学製品からデジタルカメラ用レンズなどOEM関連製品、監視カメラ用レンズ、超精密光学部品などの産業分野製品まで様々な製品の供給する。業界に先駆けて各種豊富なバリフォーカルレンズを開発した。
・4/26発表の2019/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比4.9%増の130.62億円、営業利益が同5.3%増の6.87億円、純利益が同66.9%増の5.05億円。車載カメラ用レンズがセンシング用途で伸びたほか、産業用レンズユニットも好調。カメラモジュールの販売本格化や為替差損減少も寄与。
・通期会社計画は、売上高が前期比5.2%増の650.00億円、営業利益が同8.8%増の59.00億円、当期利益が同4.6%減の41.30億円。Bloombergによると、米政権は中国監視機器メーカー5社のエンティティー・リストへの追加を検討。監視カメラの代替供給先として、引き合いが高まろう。(増渕)
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)
3,448円(5/24終値)
・2008年設立。三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、三井住友海上あいおい生命、三井住友アセットマネジメントなどを傘下に持つ持株会社。国内損害保険事業を基軸に、国内生命保険、海外事業、金融サービス事業、リスク関連サービス事業の5つの事業ドメインを展開。
・5/20発表の2019/3通期は、経常収益が前期比5.4%増の5兆5,004億円、経常利益が同37.5%増の2,908.47億円、当期利益が同25.1%増の1,927.05億円。国内自然災害による損害は過去最大となったが再保険回収や異常危険準備金取崩などでカバー。北米ハリケーンの損害の反動も出た。
・2020/3通期会社計画は、経常利益を前期比2.5%増の2,980億円、当期利益は同3.8%増の2,000億円。英子会社MS Amlinは2019/3期中、引受条件の見直しや適用料率の引上げなどの改善取組により損害率が10pt超改善したほか、経費削減によりEI事業費率が1.6pt改善した。(増渕)
ニトリホールディングス(9843)
13,015円(5/24終値)
・1967年創業。家具・インテリア用品の企画・販売、新築住宅のコーディネート、海外輸入品・海外開発商品の販売事業を行う。同社は、商品企画や原材料調達から製造・物流・販売に至るまで、中間コストを極力削減しながら全体でプロデュースするビジネスモデル「製造物流小売業」を確立。
・4/8発表の2019/2通期は、売上高が前期比6.3%増の6,081.31億円、営業利益が同7.9%増の1,007.79億円、当期利益が同6.2%増の681.80億円。32期連続の増収増益。接触冷感素材を使用した「Nクール」および吸湿発熱素材を使用した「Nウォーム」が、安定供給体制構築により伸びた。
・2020/2通期会社計画は、売上高が前期比5.7%増の6,430億円、営業利益が同3.2%増の1,040億円、当期利益が同4.9%増の715億円。5月度の既存店売上高は前年同月比5.6%増。10連休中の良好な販売状況を示唆。新生活開始後の買い足し需要などにより、収納用品が伸びた。(増渕)
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。