投資戦略ウィークリー 2023年11月6日号(2023年11月2日作成)】”長期金利上昇でも円安、原発と為替、空き家問題 ”
■“長期金利上昇でも円安、原発と為替、空き家問題”
- 10/31に発表された日銀のYCC(長短金利操作)再修正をどう見ればよいのだろうか?長期金利の上限は1%をめどとして1%を一定程度超えることを容認するとされた。植田総裁は「円滑に長期金利が形成されるように柔軟性を高めておく」と述べた。11/1終値で10年国債利回りが950%、20年債が1.73%と利回りが上昇。このような長期金利上昇を伴う動きからは為替相場が円高ドル安に動くとみられがちだが、実際には金融緩和を維持するとした面が注目されて想定よりも「ハト派」とみなされ、円安ドル高に振れた。
- 日本の長期金利上昇が為替相場の円高要因となりにくくなっている背景として別の要因が考えられる。政策金利に連動しやすい短期債利回りと異なり、長期金利は財政赤字拡大による国債の信用力悪化が債券売りと通貨安につながる場合もある。昨年10月、英トラス首相が就任から45日で辞任に追い込まれたのは、インフレ加速の中で大型減税計画が債券売りと英ポンド売りで市場の大混乱を招き、与党内での信頼感を失った点もあった。日本でも岸田首相の減税政策案に対して与党内から不協和音が出ている。
- これに対し、賃金上昇を伴うインフレにより、名目金利とインフレ率のマイナスの格差である「実質金利」が縮小するような場合は、長期金利上昇と通貨高が両立すると考えられよう。
- 今後、円高要因として重要になると考えられるのは貿易収支の動向だろう。原油輸入の減少もあり、今年9月の貿易収支は624億円と3ヵ月ぶりに黒字に転じるも、2022年通年の貿易収支は約20兆円と1979年以降で最大の赤字額だった。日本はエネルギー資源を輸入に頼らざるを得ないことから資源価格高騰により貿易赤字が膨らむ。これが円安圧力となるのは自然だろう。エネルギー安定調達といった「経済安全保障」と脱炭素社会の観点から政府も原発再稼働や原発運転期間延長を進めている。電気料金見直しに伴う業績改善で低PER(株価収益率)と低PBR(株価純資産倍率)となっている電力株は、原発再稼働が投資のポイントだろう。
- 先週号で、空き家解消に向けた専用ローンを開始したオリエントコーポレーション(8585)を「銘柄ピックアップ」で取り上げた。総務省統計局によれば、日本では「空き家」件数が2018年に846万件と総住宅数に占める割合が5年前比1ポイント上昇の13.6%に達した。「改正空き家対策特別措置法」の施行により除却、またはリノベーションを行った上での賃貸といった不動産取引需要も出て来よう。住宅に関しては老後資金問題に対し、自宅を担保に生活資金等を借り入れて契約者死亡時に担保不動産売却により借入れを返済する「リバースモーゲージ」の普及も期待される。(笹木)
11/6号では、文化シヤツター(5930)、アンリツ(6754)、住友倉庫(9303) 、東北電力(9506)、CPオール(CPALL)を取り上げた。
■主な企業決算の予定 ※TOPIX500、S&P100、NASDAQ100構成銘柄
- 11月6日(月): 東洋製罐グルーフHD、マルハニチロ、ニッスイ、日本郵船、UBE、NTTデータグループ、JSR、JFEHD、帝人、ウシオ電機、大林組、三浦工業、三菱重工業、住友ベークライト、インターネットイニシアティブ、全国保証、全国保証、味の素、京王電鉄、伊藤忠商事、(米)バーテックス・ファーマシューティカルズ、NXPセミコンダクターズ、ダイヤモンドバック・エナジー、Constellation Energy Corp
- 11月7日(火): ハウス食品グループ本社、リンナイ、スクウェア・エニックス・HD、王子HD、ゴールドウイン、任天堂、ユー・エス・エス、西松建設、島津製作所、タカラトミー、アルフレッサ HD、カカクコム、ジーエス・ユアサ コーポレーション、栗田工業、サンケン電気、アズビル、IHI、ユニ・チャーム、パイロットコーポレーション、ケーズHD、九州旅客鉄道、バンダイナムコHD、不二製油グループ本社、日本化薬、スズキ、日本触媒、ツムラ、ブラザー工業、ライオン、太陽誘電、参天製薬、東海カーボン、ダイキン工業、横河電機、アルバック、グローリー、ヤマハ発動機、東急不動産HD、マツダ、SANKYO、小林製薬、LINE ヤフー、日本電信電話、清水建設、エーザイ、旭化成、(米)ギリアド・サイエンシズ、イーベイ、ルーシッド・グループ、グローバルファウンドリーズ、データドッグ、エマソン・エレクトリック
- 11月8日(水): 三井化学、科研製薬、ダスキン、東レ、フジテック、川崎重工業、日本空港ビルデング、芙蓉総合リース、シスメックス、リコー、コスモエネルギーHD、フジクラ、丸一鋼管、ENEOSHD、デンカ、富士フイルムHD、クボタ、東急、群馬銀行、群馬銀行、セガサミーHD、NOK、ダイフク、ピジョン、日本光電工業、三井不動産、三菱瓦斯化学、ソフトバンク、花王、カシオ計算機、ディー・エヌ・エー、住友金属鉱山、住友金属鉱山、SUMCO、リクルートHD、シャープ、キリンHD、(米)ウォルト・ディズニー・カンパニー、ワーナーブラザース・ディスカバリー、バイオジェン
- 11月9日(木): レゾナック HD、神戸製鋼所、エア・ウォーター、日揮HD、森永乳業、飯田グループHD、日清食品HD、ダイワボウHD、コカ・コーラ ボトラーズジャパ、住友大阪セメント、ワコールHD、H.U.グループHD、関西ペイント、オリンパス、岩谷産業、アマダ、京阪HD、セコム、第一興商、リログループ、東京建物、共立メンテナンス、太平洋セメント、住友重機械工業、五洋建設、宝HD、日清紡HD、カネカ、名古屋鉄道、メイテックグループホールディ、コムシスHD、日産自動車、ソフトバンクグループ、古河電気工業、INPEX、ニコン、三菱マテリアル、ペプチドリーム、ペプチドリーム、三菱地所、千葉銀行、アコム、西武HD、トレンドマイクロ、ネクソン、ソニーグループ、楽天グループ、本田技研工業、ニプロ、明治HD、クラレ、(米)イルミナ、ザ・トレードデスク、アストラゼネカ
- 11月10日(金):長谷工コーポレーション、シップヘルスケアHD、ミライト・ワン、森永製菓、アサヒグルーフHD、東京応化工業、FOOD & LIFE COMPANIES、サワイグループHD、三井金属鉱業、しずおかフィナンシャルグルー、ADEKA、大正製薬HD、リゾートトラスト、ミルボン、浜松ホトニクス、浜松ホトニクス、日本電子、住友ゴム工業、ひろぎんHD、ひろぎんHD、いよぎんHD、いよぎんHD、東邦HD、りそなHD、京浜急行電鉄、ホシザキ、山口フィナンシャルグループ、セブン銀行、セブン銀行、三菱HCキャピタル、めぶきフィナンシャルグループ、めぶきフィナンシャルグループ、スズケン、ゼンショーHD、ベネッセHD、クレディセゾン、西日本鉄道、セイノーHD、日本製鋼所、DOWAHD、上組、ショーボンドHD、エクシオグループ、パーソルHD、ロート製薬、サッポロHD、サントリー食品インターナショ、すかいらーくHD、横浜ゴム、東京センチュリー、ニッコンHD、ニトリHD、アシックス、八十二銀行、八十二銀行、SBIHD、いすゞ自動車、TBSHD、東京エレクトロン、三越伊勢丹HD、資生堂、ほくほくフィナンシャルグループ、THK、日産化学、パン・パシフィック・インター、住友不動産、ほくほくフィナンシャルグループ、ちゅうぎんフィナンシャルグル、コロワイド、コンコルディア・フィナンシャルグループ、コンコルディア・フィナンシャルグループ、大日本印刷、テイ・エス テック、ブリヂストン、大和ハウス工業、大王製紙、インフロニア・HD
■主要イベントの予定
- 11月6日(月)
・日銀金融政策決定会合議事要旨(9月21・22日分)、auじぶん銀行日本サービス業・複合PMI (10月)、 郵船とNYKグループESGストーリー2023発表
・香港、グローバル・ファイナンシャル・リーダーズ・インベストメント・サミット(8日まで)
・S&PグローバルHCOBユーロ圏サービス業・総合PMI (10月)、独製造業受注 (9月)、インドネシアGDP(3Q)
- 11月7日(火)
・G7外相会合(都内、8日まで)、毎月勤労統計-現金給与総額・実質賃金総額・家計支出(9月)、日本航空がJALマイレージバンク会員アプリを発表
・米カンザスシティー連銀総裁とダラス連銀総裁が講演、米3年債入札、イタリア大統領が韓国訪問(9日まで)、豪中銀が政策金利発表
・米貿易収支(9月)、米消費者信用残高 (9月)、ユーロ圏PPI(9月)、独鉱工業生産 (9月)、中国貿易収支(10月)、中国外貨準備高(10月)
- 11月8日(水)
・DAIWA CYCLEが東証グロースに新規上場、景気一致指数・先行CI指数(9月)
・米10年債入札、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)、英中銀総裁が講演、ポーランド中銀が政策金利発表
・米卸売在庫 (9月)、ユーロ圏小売売上高(9月)、独CPI(10月)
- 11月9日(木)
・日銀金融政策決定会合における主な意見(10月30・31日分)、保険監督者国際機構(IAIS)年次総会(ヒルトン東京で10日まで)、国際収支:経常収支・貿易収支(9月)、貸出動向 銀行計(10月)、対外・対内証券投資(10月29-11月4日)、東京オフィス空室率(10月)、景気ウォッチャー調査 現状判断・ 先行き判断(季調済) (10月)
・米パウエルFRB議長がパネル討論会に参加、米アトランタ連銀総裁とリッチモンド連銀総裁が座談会に参加、米30年債入札、EU財務相理事会、ECB経済報告、メキシコ中銀と ペルー中銀が政策金利発表
- 11月10日(金)
・マネーストックM3・M2(10月)
・米ダラス連銀総裁と米アトランタ連銀総裁が講演、 EU財務相理事会(予算)
・米ミシガン大学消費者マインド指数 ・速報値(11月)、米財政収支 (10月)、英GDP(3Q)、英鉱工業生産 (9月)、香港GDP (3Q)
11月11・12日(土・日)
・米アトランタ連銀総裁が討論会で司会、中国「独身の日」
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
※本レポートは当社が取り扱っていない銘柄を含んでいます。
■米防衛関連株の受注残と収益
ガザ地区におけるイスラエルとハマスを巡る情勢への不透明感が高まっている。イスラエルによる地上侵攻への警戒に加え、親イラン武装勢力によるシリアやイラク駐留米軍への攻撃への抑止のため米軍がイラン幹線施設を空爆。米主力防衛関連企業は、ロシアのウクライナへの侵攻が勃発した2022年以降、受注残が増加傾向。昨年受注した契約分が1年経過することで収益の計上増加に繋がっている。
防衛関連企業への追い風が吹くなか、米政府は20日、イスラエルとウクライナへの軍事支援など1050億ドルを超える緊急の補正予算を発表し、議会に可決するように求めた。L3ハリス・テクノロジーズ(LHX)はイスラエルのELTAシステムグループとの提携で最先端の航空機早期警戒管制ソリューションを提供と発表。
【米防衛関連株の受注残と収益~L3ハリスは7月イスラエル企業と提携拡大】
■VIX指数2015年・2018年・2023年
「恐怖指数」と言われるVIX指数が10/19以降、中期的に市場心理の強気と弱気の分岐点とされる20を上回り始めた。これは信用不安による米銀の破綻連鎖が起きた3月以来2回目の「恐怖警報」と見る余地もありそうだ。
2018年も同様にVIX指数が年に2回警報を発していたことは記憶に新しい。利上げペース加速との見方から長期金利上昇を背景に2月に「VIXショック」と呼ばれる大幅な世界同時株安が発生。10月になり米中貿易摩擦に伴う地政学的リスクも世界的株価大幅下落を後押しした。
2015年は8月に中国景気減速から世界経済減速懸念が強まり「チャイナショック」の世界同時株安が発生。更に、2016年6月に英国のEU離脱(ブレグジット)国民投票も世界同時株安を引き起こした。
【VIX指数2015年・2018年・2023年~恐怖指数が盛り上がる一定のリズム】
■パソコンとスマホの世界出荷台数
市場調査会社IDCは四半期ごとのスマートフォンとパソコンの世界出荷台数を公表している。IDCによる今年7-9月は、世界パソコン出荷台数が前年同期比7.6%減の6820万台と7四半期連続の減少も減少率が1桁台に縮小。IDCは、買い替えサイクルやWindows10サポート終了に向けて本格的に伸びるのは24年後半以降としつつも、販売価格が大幅に引き上げられた生成AI(人工知能)搭載「AIパソコン」の展開も示唆している。
同様にスマホは前年同期比0.1%減も3億0280万台。9四半期連続の前年割れだが、中国が10四半期連続減の6.3%減、欧州が8.6%減、日本が5.3%減に対し、中東・アフリカ(18%増)や中南米など新興市場が牽引した。アップルは2.5%増。中国企業がアフリカで躍進。
【パソコンとスマホの世界出荷台数~業績の足を引っ張る時期は終わりか?】
■銘柄ピックアップ
文化シヤツター(5930)
1298 円(11/2終値)
・1955年設立。主な事業内容は、シャッター、住宅用建材およびビル用建材の製造販売とその保守点検・修理、住宅リフォーム。ゲリラ豪雨対策の浸水防止用設備を取り扱う止水事業を強化。
・8/4発表の2024/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比16.3%増の454.77億円、営業利益が前年同期の▲1.01億円から3.23億円へ黒字転換。大型物流倉庫向け重量シャッター、大型商業施設向けスチールドア、緊急修理対応・定期保守メンテ契約等が堅調に推移。買収関連費用を吸収。
・通期会社計画は、売上高が前期比5.9%増の2110億円、営業利益が同10.5%増の107億円、年間配当が同横ばいの42円。10/30に1H(4-9月)会社計画を上方修正。売上高を前期比13.9%増の986億円(従来計画930億円)、営業利益を同66.4%増の43億円(同22億円)とした。大都市圏を中心に物流倉庫と商業施設でシャッターや防火扉が堅調。「物流2024年問題」対応の需要もあろう。
アンリツ(6754)
1180.5 円(11/2終値)
・1931年に安中電機製作所と共立電機が合併し設立。計測およびPQA(プロダクツ・クオリティ・アシュアランス)の開発・製造・販売を主な事業とする。通信系計測器は海外でも高シェアを占める。
・10/30発表の2024/3期1H(4-9月)は、売上収益が前年同期比5.7%減の508.95億円、営業利益が同45.8%減の29.34億円。売上比率65%の通信計測事業で世界的な5Gスマホの開発投資需要の減少によるモバイル市場の成長鈍化が響いた。PQA事業は原材料費や販促・物流費が高騰した。
・通期会社計画を下方修正。売上収益を前期比0.5%増の1115億円(従来計画1155億円)、営業利益を同7.2%減の109億円(同:137億円)とした。年間配当は同横ばいで据え置き。IDC調査によれば7-9月スマホ世界出荷台数が前年同期比0.1%減までマイナス縮小。同社の協業先である米通信半導体クアルコム(QCOM)も1日決算発表で、スマホ販売低迷が緩和し始めている旨に言及。
住友倉庫(9303)
2411 円 (11/2終値)
・1899年に住友家の個人営業で倉庫業を開始。倉庫業、港湾運送業、国際輸送業および陸上運送業などの「物流事業」のほか、船舶使用の貨物運送に係る「海運事業」、「不動産事業」を営む。
・8/4発表の2024/3期1Q(4-6月)は、営業収益が前年同期比32.7%減の466.78億円、営業利益が同75.1%減の33.42億円。倉庫収入は同4.1%増と堅調も、事業選択集中から海運事業のウエストウッド・シッピング・ラインを非連結化した要因および海上運賃相場下落に伴う国際輸送収入減が響いた。
・通期会社計画は、営業収益が前期比10.7%減の2000億円、営業利益が同44.4%減の145億円、年間配当が同1円増配の101円。同社はコア事業の物流事業と不動産事業に事業を集中。傘下に遠州トラックを擁することから運転手の働き方改革に係る「物流2024年問題」へのソリューション提供が可能。中期経営計画でも物流拠点の分散需要や中継輸送・共同輸送などへの取組みを明記。
東北電力(9506)
982.8 円 (11/2終値)
・1951年に東北6県並びに新潟県を電気の供給区域として設立。2016年に首都圏における一般家庭向けの電力販売に参入。20年より同社の送配電部門が「東北電力ネットワーク」として分社化。
・10/31発表の2024/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比3.6%増の1兆3878億円、営業利益が前年同期の▲1262億円から2275億円へ黒字転換。卸電力取引所への販売減も電気料金見直しが増収に寄与。燃料価格低下による燃料費調整制度のタイムラグが営業利益大幅増に繋がった。
・通期会社計画は、売上高が前期比0.4%増の3兆200億円、営業利益が前期の▲1800億円から2200億円へ黒字転換、年間配当が前期の無配から15円へ増配。閣議決定で原発運転期間の60年超への延長を盛り込んだGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法の施行が2025年6月とされたことは電力会社へ追い風だろう。同社は女川原発、東通原発といった再稼働候補先を擁する。
CPオール(CPALL)
市場:タイ 55.50 THB(11/1終値)
・1988年にタイ最大のコングロマリットのチャルーン・ポーカパン・グループが設立。セブンイレブン運営のコンビニ事業のほか「Siam Marko」のキャッシュ&キャリー、「ロータス」の小売・モール賃貸を営む。
・8/10発表の2023/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比8.5%増の2320億THB、EBITDAが同10.5%増の193.47億THB。2020年末に英テスコから買収したロータスが増収に貢献のほか、1日当たりのべ来客数増加に伴い既存店売上高も同8%増加。6月末店舗数も同5.8%増の1万4215店。
・2023/12通期会社計画は、オンラインとオフラインの両プラットフォーム強化に向けて、設備投資計画としてコンビニエンスストア120-130億THB、キャッシュ&キャリー131-140億THB、小売りおよびモール賃貸122-134億THBと従来計画を据え置き。海外進出について、6月末店舗数が66店(3月末比12店増)に達したカンボジアの2023年末目標店舗数が100店。9月、ラオスに1号店を出店した。
■アセアン株式ウィークリーストラテジー
(11/6号「タイのビール市場の寡占構造に変化も」)
タイのビール市場は大手財閥系の2社が長らくほぼ独占してきた。老舗のブンロート・ブルワリーは、獅子をトレードマークとした「シンハー」と低価格ブランド「レオ」を擁する。財閥大手TCCグループは、1995年に象のマークの「チャーン(タイ語で象を意味する)」で参入した。英調査会社モニターによれば、タイのビール市場シェアは、ブンロートが57%、TCC傘下のタイ・ビバレッジ(シンガポール上場)が34%を占める。
仏教による飲酒節制を善とする価値観の下、資本金や年間製造量による制限など新規参入を難しくする酒造規制があったが、2022年11月に一部緩和された。更に、消費者の嗜好多様化を受け、タイの栄養ドリンク大手カラバオグループがブランド力を背景にビールに本格参入を発表。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。