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投資戦略ウィークリー 2022年1月31日号(2022年1月28日作成)】”割高感解消、信用買い残整理中、IMF世界経済見通し”

 

■”割高感解消、信用買い残整理中、IMF世界経済見通し”

  •  グローバル株式市場は、ロシアを巡るウクライナ情勢の緊迫化に伴い、天然ガス供給懸念を通じたエネルギー価格上昇、小麦など穀物相場上昇などが世界的なインフレリスクを高めるのではないかとの懸念と、1/26の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明発表とパウエル米FRB議長の記者会見を通じたFRBのインフレ抑制に向けた利上げやバランスシート縮小懸念が密接に絡みついて、市場参加者の不安心理をエスカレートさせているように見受けられる。
  •  日本株市場は、24日から27日にかけて日経平均株価が日中の高値と安値を日々切り下げる下げ相場の展開となり、27日終値は前日比841円安の2万6,170円まで大きく下げる展開となった。月末最終営業日だったことや2/1からの中国春節(旧正月)の大型休暇を控えて流動性の観点から日本株市場に売りが集中した点も理由しとして考えられる。この水準の日経平均株価は、時価総額などで加重平均したPBR(株価純資産倍率)で19倍と、2020年3月を除いた過去10年程度の平均的水準とほぼ一致している。また、加重平均でのPERも13倍を下回るなど、2020年2月頃まで6年程度の期間で見ても平均を下回る割安水準と言えるだろう。
  •  また、制度信用取引の信用買い残を信用売り残で割った「信用倍率」は、2020年3月に0倍割れまで低下した後で反転上昇し、1/21基準では5.7倍まで上昇した。これは2018年3-4月以来の高水準であり、信用買い残の金額も同様に2018年後半と同様の高い水準にある。日経平均先物・オプション取引に係る裁定取引の買い残と売り残は整理が進んでいたが、信用取引の需給面はまだ整理が進んでいなかった面も大きいと思われる。
  •  1/25発表のIMFによる2022年世界経済見通しは、全世界GDPが前回(10月時点)比5ポイント低下の4.4%、米国が同1.2ポイント低下の4.0%、ユーロ圏が同0.4ポイント低下の3.9%、中国が同0.8ポイント低下の4.8%と軒並み下方修正となるなか、日本が同0.1ポイント上昇修正の3.3%。昨年に緊急事態宣言やまん延防止措置などが繰り返された行動制限の反動増という側面もあるが、世界的に景気拡大に伴うインフレへの対応で金融引き締めが主流となる一方、日銀が強力な金融緩和による景気支援を続ける姿勢を明示したことも反映されている。インフレリスクを嫌うグローバルマネーが、低インフレ市場へと逃避していく展開となる可能性は高まっているのではないだろうか。当ウィークリー2021年12月27日(年末・年始特別)号で示した「2022年株式市場予想」の大枠は現時点で変更の必要がないように思われる。(笹木)

1/31号では、BASE(4477)、東映アニメーション(4816)、フルヤ金属(7826)、キヤノン・マーケティング・ジャパン(8060)、パブリック・バンク(PBK)を取り上げた。

 

■主な企業決算の予定

   (※日本企業はTOPIX500構成企業よりピックアップ)

  • 131日(月):JSR、LIXIL、NTN、PALTAC、SCSKTDK、あおぞら銀行、アコム、アズワン、エス・エム・エス、エフピコ、オークマ、オートバックスセブン、きんでん、コーエーテクモHD、スタンレー電気、トクヤマ、ヒロセ電機、ほくほくフィナンシャルG゚、マキタ、りそなHD、レーザーテック、ワコールHD、塩野義製薬、京セラ、京成電鉄、京都銀行、九州電力、栗田工業、阪急阪神HD、三菱自動車工業、三菱倉庫、三和HD、住友化学、住友重機械工業、商船三井、小松製作所、小野薬品工業、清水建設、西日本旅客鉄道、静岡銀行、積水化学工業、大阪ガス、大同特殊鋼、大日本住友製薬、大和工業、第一三共、中国電力、電源開発、東海旅客鉄道株式会社、東京電力HD、東日本旅客鉄道、東北電力、東洋水産、南海電気鉄道、日本ゼオン、日本碍子、日本軽金属HD、日本精工、日本電気、日本特殊陶業、日野自動車、日立金属、日立建機、日立物流、北陸電力、味の素、(米)NXPセミコンダクターズ
  • 21日(火)村田製作所、日本ユニシス、キーエンス、アマノ、カルビー、ケーズHD、ANAHD、テクノプロ・HD、コニカミノルタ、HOYA、ローム、メディパルHD、大正製薬HD、ベネフィット・ワン、三越伊勢丹HD、ブラザー工業、京王電鉄、大塚商会、大塚商会、野村HD、伊藤忠テクノソリューションズ、(米)アルファベット、マッチ・G、ギリアド・サイエンシズ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズスターバックス、エレクトロニック・アーツ、ペイパル・HDゼネラル・モーターズエクソンモービル、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、シリウスXMHD
  • 22日(水)エムスリー日本電気硝子、トヨタ紡織、宇部興産、みずほフィナンシャルG、カゴメ、ネットワンシステムズ、三菱電機、日本光電工業、豊田自動織機、デンソー、日本空港ビルデング、川崎重工業、双日、ダイセル、三井住友フィナンシャルG、豊田通商、三菱UFJフィナンシャル・G、パナソニック、カシオ計算機、日本航空、ソニーG日立製作所HD、豊田合成、日本ハム、ジェイテクト、アイシン、アステラス製薬、(米)メタ・プラットフォームズ、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、クアルコム、メットライフ、TモバイルUS、アライン・テクノロジー、サーモフィッシャーサイエンティフィック、アッヴィ、オールド・ドミニオン・フレイト・ライン、アイデックスラボラトリーズ、エマソン・エレクトリック
  • 23日(木):MonotaRO、アズビル、ウシオ電機、エーザイ、カカクコム、カドカワ、コナミHD、コンコルディア・フィナンシャルG、ソフトバンク、ニコン、ニフコ、ハウス食品G本社、フジ・メディア・HD、伊藤忠商事、科研製薬、花王、ヤマダHD、丸井G、群馬銀行、古河電気工業、三井物産、三菱ケミカルHD、三菱商事、住友電気工業、川崎汽船、相鉄HD、中外製薬、東ソー、日清食品HD、日本触媒、日本製鉄、日本郵船、任天堂、武田薬品工業、(米)フォーティネット、アクティビジョン・ブリザード、スカイワークス・ソリューションズ、マイクロチップ・テクノロジー、アマゾン・ドット・コム、フォード・モーター、メルク、コノコフィリップス、ハネウェルインターナショナル、バイオジェン、イーライリリー
  • 24日(金):TIS、アリアケジャパン、イビデン、エヌティティデータ、オリンパス、キッコーマン、グローリー、ジーエス・ユアサ コーポレーション、スクウェア・エニックス・HD、スズキ、セブン銀行、ダイフク、ツムラ、ニッコンHD、ふくおかフィナンシャルG、ミネベアミツミ、めぶきフィナンシャルG、リコー、レンゴー、王子HD、岩谷産業、三井不動産、山口フィナンシャルG、持田製薬、住友商事、小林製薬、西松建設、千葉銀行、太陽誘電、中国銀行、島津製作所、東武鉄道、東洋製罐GHD、日産化学、日本水産、日本電子、(米)リジェネロン・ファーマシューティカルズ、ブリストルマイヤーズスクイブ

 

主要イベントの予定

  • 131日(月)

・日銀金融政策決定会合議事録(2011年7-12月開催分)、小売売上高(12)、百貨店・スーパー売上高(12月)、鉱工業生産(12月)、消費者態度指数(1月)、住宅着工件数(12月)

中国が春節で休場入り(2月7日に取引再開)、米サンフランシスコ連銀総裁オンラインイベントで講演、ブルームバーグNEFサミット(サンフランシスコ、2月1日まで)、カタール首長訪米でバイデン大統領と会談

・ユーロ圏GDP(4Q)、独CPI(1月)、米シカゴ製造業指数(1月)

  • 21日(火)

・有効求人倍率・完全失業率 (12月)、じぶん銀行日本PMI製造業(1月)、自動車販売台数(1月)

・香港休場(3日まで)、豪中銀が政策金利発表、インド政府予算案発表、ハンガリー首相訪ロ

・マークイット米製造業PMI ・改定(1月)、米自動車販売(1月)、米求人件数(12)、米ISM製造業景況指数(1月)、米建設支出(12月)、マークイット・ユーロ圏製造業PMI・改定 (1月)、ユーロ圏失業率(12月)、独失業率(1月)

  • 22日(水)

・中曽東京国際金融機構会長と木原官房副長官、国際金融都市に関するイベントであいさつ・講演、マネタリーベース(1月)

「OPECプラス」閣僚級会合(オンライン)、ブラジル中銀が政策金利発表

米ADP雇用統計 (1月)、ユーロ圏CPI(1月)

  • 23日(木)

・Recovery Internationalが東証マザーズに新規上場、対外・対内証券投資(1月23-29日)、じぶん銀行日本PMIサービス業 ・コンポジット (1月)

・米上院銀行委員会でFRB銀行監督担当副議長らの指名承認公聴会、ECB政策金利発表・ラガルド総裁記者会見、英中銀政策金利と金融政策報告発表・ベイリー総裁記者会見、チェコ中銀が政策金利発表、ロシア外相が訪中、EU司法・内務相会合(非公式、4日まで)

米新規失業保険申請件数(29日終了週)、米製造業受注(12月)、マークイット米サービス業・総合PMI・改定(1月)、米ISM非製造業総合景況指数(1月)、マークイット・ユーロ圏サービス業・総合PMI・改定(1月)、ユーロ圏PPI (12月)

  • 24日(金)

・セイファートが東証ジャスダックに新規上場、GPIFの21年度第3四半期の運用状況

・ECB専門家予測調査、北京冬季五輪が開幕(20日閉幕)、ロシア大統領が開会式に出席

・米雇用統計 (1月)、 ユーロ圏小売売上高 (12月)、独製造業受注(12月)

  • 26日(日)

・英エリザベス女王即位70年、コスタリカ大統領選、北朝鮮最高人民会議

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

※本レポートは当社が取り扱っていない銘柄を含んでいます。

 

■ITバブル崩壊局面の逆行高銘柄

グロース株中心の米ナスダック総合指数が昨年11月にコロナ禍前の最高値を約65%上回る史上最高値を付けたのに対し、S&P500の直近の最高値は同最高値を約42%、NYダウ平均株価の直近の最高値は同最高値を約25%上回る上昇を示した。その意味では、コロナ禍後の相場上昇はグロース中心のナスダック主導相場だったと言えよう。インフレ加速と金利上昇に備える観点では今回と同様にナスダック主導の上昇相場だった2000年3月末までの「ITバブル」の後の相場動向を参考にできる面が多いとみられる。

2000年3月末からの相場下落局面ではナスダックの下落率の大きさが目立つ。更に、S&P500構成銘柄で、現在も上場の企業における値上がり率上位30銘柄とその事業内容は参考となろう。

ITバブル崩壊局面の逆行高銘柄~歴史は繰り返さずとも韻を踏むのか?】

■中国アセアン越境ECとアリババ

中国・アセアン間のライブビデオ配信による越境Eコマース(EC)が急成長するなか、2020年11月の過去最高値から6割以上も株価下落中の中国アリババ集団に見直し余地があるのかもしれない。同社は昨年、独占禁止法違反で約3,000億円相当の罰金処分を課されたことに加え、中国国内で低価格の共同購入型EC「ピンドゥオドゥオ」の急速な台頭への対抗から競合テンセントと提携した低価格ECプラットフォーム「淘宝(タオパオ)特価版」への注力が利益率を押し下げた。

他方、「海外コマース」の中でシンガポール拠点の「ラザダ」はアセアン最大級のECプラットフォームとしてインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム6ヵ国で展開し急成長中。1アカウントで6ヵ国の越境ECを管理可能だ。

【中国アセアン越境ECとアリババ~今年元旦発効RCEP協定で見直し余地大】

■紙パルプ、水産・食品、鉄鋼株

当ウィークリー2021年12月27日(年末・年始特別)号で「2022年株式相場で予想される有望セクター」として、紙パルプ、食品・水産、鉄鋼の3セクターを取り上げた。これらのセクター毎に、主要3銘柄を選んで時価総額で加重平均した株価の推移を昨年9月末、および昨年末終値を100とした相対指数で見ると、鉄鋼は変動性が高いのに対し、紙パルプは相対的に安定した推移をしている。また、食品・水産はTOPIXとの乖離が小さい。

紙パルプは低PBR(株価純資産倍率)に加えて製品値上げが進みやすい点が評価されている。食品・水産は家庭用冷凍食品の「冷食エコノミー」拡大の割には評価が進んでいない面も見受けられる。製品値上げによろ消費者人気に陰りが出ることへの懸念が残る面もあろう。

【紙パルプ、食品・水産、鉄鋼株~2021年12月27日号「有望セクター」を検証】

■銘柄ピックアップ

BASE4477)    

455 円(1/28終値)

・2012年設立。個人・小規模事業者向けEコマース(EC)プラットフォーム「BASE」を運営。ECプラットフォーム(BASE事業)、オンライン決済サービス(PAY事業)、資金調達サービス(債権買取)を営む。

・11/4発表の2021/12期9M(1‐9月)は、売上高が前年同期比19.7%増の71.76億円、営業利益が前年同期の11.46億円から▲4.90億円へ赤字転落。新型コロナ感染拡大を契機としたネットショップ開設需要増および消費者のEC移行で流通総額が増加した一方、利益面では決済手段の構成多様化に伴い売上原価率が悪化した。

・通期会社計画は、売上高が前期比17.6-27.1%増の97.50-105.36億円、営業利益が前期の8.03億円から▲14.23-▲9.29億円へ赤字転落。昨年9月、短編動画プラットフォームだけでなく消費への影響力を強めている「TikTok」と提携。BASE加盟店がTikTokを活用した集客・販促を円滑に行うことを目指す。楽天やアマゾンのようなモール型ECから同社やショッピファイのシステムによる自社直販ECへの事業者の移行増が期待されよう。

東映アニメーション4816)  

8,170 円(1/28終値)

・1948年設立。各種アニメ作品の企画・製作・放映権販売の映像制作・販売事業、キャラクターをライセンス許諾しロイヤリティを得る版権事業、キャラクター商品販売の商品販売事業等を手掛ける。

・1/27発表の2021/3期9M(4-12月)は、売上高が前年同期比13.0%増の425.22億円、営業利益が同20.4%増の143.31億円。収益性の高い映像配信の国内外での好調な稼働、および海外版権部門における「ドラゴンボール」や「ワンピース」のゲーム化権や商品化権の販売増が業績に貢献。

・通期会社計画を上方修正。版権事業で海外だけでなく国内でも人気シリーズの配信権販売が好調なことを受け、売上高を前期比6.8%増の551億円(従来計画510億円)、営業利益を同8.4%増の168億円(同145億円)とした。テレビ朝日HD9409は「超電磁ロボ コン・バトラーV」など東映ロボットアニメ作品を使用したデジタル・トレーディングカードをNFT(非代替性トークン)として販売開始。

フルヤ金属(7826    

9,460 円(1/28終値)

・1951年設立。白金族(プラチナ、イリジウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム)を中心として工業用貴金属製品の製錬加工・販売を行う。電子、薄膜、センサー、ケミカルの4事業セグメントを営む。

・11/5発表の2022/6期1Q(7-9月)は、売上高が前年同期比2.4倍の118.47億円、営業利益が同4.9倍の47.40億円。4事業全てが増収・粗利益増益だったなか、ケミカル事業は昨年実施の設備投資により精製・回収や化学プラント向け触媒の受注増で売上高が同4.8倍、粗利益が同8.1倍に拡大。

・通期会社計画は、売上高が前期比25.0%増の423億円、営業利益が同12.9%増の118億円。自動車排ガス浄化に使う貴金属のパラジウムはロシアが世界最大産地であるためウクライナ情勢による供給逼迫の可能性があろう。白金は中国を中心に排ガス浄化触媒向けのほかFCV(燃料電池自動車)向けの中長期的需要増、HDDに使うルテニウムもデータセンター向け需要増が見込まれる。

キヤノン・マーケティング・ジャパン(8060  

 2,326 1/28終値

・1968年にキャノン(7751)の販売子会社として設立。国内市場におけるキャノン製品の販売に加え、独自事業としてITソリューションや産業機器、ヘルスケア等の顧客向けソリューションに注力。

・1/26発表の2021/12通期は、売上高が前期比1.3%増の5,520.85億円、営業利益が同26.8%増の396.99億円。中高級のミラーレスカメラやRFマウントの交換レンズの販売拡大、企業のIT投資を背景としたSI(システム・インテグレーション)サービスやデータセンターの売上拡大が増収増益に貢献。

・2022/12通期会社計画は、売上高が前期比5.1%増の5,800億円、営業利益が同2.0%増の405億円。供給制約や原材料コスト増の一方、成長事業と位置づけるITソリューション事業では、データセンターの3号棟設置を計画中のほか、生命保険業界や銀行・証券など金融業界のデジタル変革(DX)への取り組みのため、キャピタル・アセット・プラニング3965と1/27に資本業務提携を発表。

パブリック・バンク(PBK  

市場:マレーシア     4.21 MYR 1/27終値)

・1966年に鄭鴻標(Teh Hong Piow)によって設立されたマレーシアの銀行。21年9月現在マレーシア国内で262支店、海外で香港・中国に83支店、カンボジアで31支店、ベトナムに26支店を展開。

・11/29発表の2021/12期9M(1-9月)は、総収益が前年同期比14.6%増の94.91億MYR、純利益が同14.8%増の42.75億MYR。マレーシア全土での完全移動制限令(FMCO)の影響で与信関連費用が増加したものの、経費率の低下の寄与で最終増益。3Q(7-9月)は前四半期比3.9%減収だった。

・マレーシア国立銀行は1/20、政策金利を1.75%と9会合連続で据え置いた。昨年4Q(10-12月)に経済活動が上向いたと指摘しており、22年後半の利上げが見込まれる。また、パブリック・バンクは中国・香港のほか、カンボジアやベトナムでも支店数を増加させており、今年元旦に発効したRCEP(地域的な包括的経済連携)協定で中国とアセアン連携強化によるシナジー効果が期待されよう。

■アセアン株式ウィークリーストラテジー

1/31号「アセアン越境EC拡大で躍進する企業」

今年元旦の「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」の発効により中国・アセアンを跨ぐ越境Eコマース(EC)の拡大が見込まれるなか、アセアンでは中国のアリババ傘下でシンガポールを拠点とする「ラザダ」と、同じくシンガポール拠点の消費向けインターネット会社で米ニューヨーク市場に上場するシー(SE)の電子商取引部門「ショッピー」が激しく勢力争いをしている。

ショッピーはシンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンのほか、台湾やブラジルでもインターネット上のモールを運営。日本からの越境ECサービスも充実させ、出店手数料を無料にするキャンペーンも行っている。段ボール大手のレンゴー(3941)は、合弁会社を通じてアセアン内で複数の大手段ボールメーカーに出資。アセアン越境EC拡大の恩恵が見込まれる。

 

 

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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