【投資戦略ウィークリー 2021年12月6日号(2021年12月3日作成)】”オミクロン懸念相場における海運・倉庫・鉄鋼株”
■”オミクロン懸念相場における海運・倉庫・鉄鋼株”
- 南アフリカで検出された新型コロナの新しい変異株(オミクロン)が11/26に日本で報道され、デルタ変異株以上の感染力、および多くの変異があることから従来のワクチンをすり抜ける免疫逃避(エスケープ)への疑いが投げかけられた。日米の株式市場、WTI原油先物市場など主要金融市場が価格変動性を高め、オミクロンに関する情報に一喜一憂しつつ上下に振らされる展開となった。
- JPXが集計する「空売り比率」は、月初から25日まで概ね40%台前半で推移していたなか、26日に5%に急上昇後、更に29日から12/2も46.6-47.8%台の高水準で推移した。また、市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から過熱感を見る指標である「騰落レシオ」も11/24以降に80%を下回って推移し、12/2には売られ過ぎの底値ゾーンと言われる70%以下に達した。3日の日本株市場でも、2日の空売り比率が高水準だった陸運業(54.9%)および空運業(56.5%)の銘柄を中心に買戻しで株価が反発した。
- オミクロン変異株の感染拡大への予防・対応として各国政府が相次いで行動規制装置の導入に踏み切った場合、海運におけるコンテナの運賃高騰が進むと考えられる。また、各国の防疫体制の強化で港湾のコンテナ積み降ろしが停滞することから、貨物の倉庫への保管需要も高まると想定される。その意味では、今年9月頃まで堅調な上昇トレンドで推移していた海運株と倉庫株の主要銘柄は、オミクロン感染懸念で不透明な環境の下で相対的に良好な業績見通しを持つことができるものと言えるだろう。倉庫株については、商船三井(9104)からのYOBによるダイビル(8806)と宇徳(9358)の完全子会社化など、事業多角化を目指す海運会社主導の業界再編が広がる可能性も考慮されるべきだろう。
- 政府による行動規制に伴う景気失速懸念に対しては、既に米国で可決・署名された大型のインフラ投資計画をはじめとして、老朽化が激しい生活関連インフラのリニューアルを中心としたインフラ投資の実施が世界的に進む可能性が高いだろう。その意味では鉄鋼株が注目されよう。日本製鉄(5401)およびJFEホールディングス(5411)は連結配当性向を30%とする方針を掲げている。日本製鉄は通期会社予想EPS(1株当たり利益)が565円、実績中間配当が70円。JFEは通期会社予想EPSが434円、実績中間配当が60円。両社に対する増配期待が高まろう。中国の「脱石炭」政策に伴う中国企業の粗鋼生産削減が見込まれることから、安値輸出による鉄鋼の値崩れが起こりにくいことも追い風となろう。(笹木)
12/6号では、日本水産(1332)、エムスリー(2413)、ニッポン高度紙工業(3891)、ふくおかフィナンシャルグループ(8354)、ユニリーバ・インドネシア(UNVR)を取り上げた。
■主な企業決算の予定
- 12月6日(月):ACCESS
- 12月7日(火): Casa、アイル、くら寿司
- 12月8日(水): アイモバイル、アルトナー、コーセーアールイー、ザッパラス、シルバーライフ、ミライアル、泉州電業、丹青社、東京楽天地
- 12月9日(木):グッドコムアセット、スバル興業、トップカルチャー、ビューティガレージ、ラクスル、鎌倉新書、積水ハウス、(米)ブロードコム、ルルレモン・アスレティカ、オラクル、コストコホールセール
- 12月10日(金):gumi、HEROZ、アセンテック、エイチーム、カナモト、サムコ、シーアールイー、シーイーシー、トーホー、トビラシステムズ、フリービット、ベステラ、丸善CHIHD、三井ハイテック、鳥貴族HD、日東製網
■主要イベントの予定
- 12月6日(月)
・臨時国会召集・衆院本会議で岸田首相の所信表明演説・鈴木財務相の財政演説
・ロシア大統領が訪印、インド・ロシアで外務・防衛閣僚会合(「2+2」、ニューデリー)、ノーベル賞授賞式(平和賞除き8日まで、米英ドイツ・イタリアで)、真鍋淑郎氏にノーベル物理学賞授与(ワシントン)、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)
・独製造業受注 (10月)
- 12月7日(火)
・黒田日銀総裁「AMRO’s 10th Anniversary Celebration」であいさつ(ビデオメッセージ)、家計支出・毎月勤労統計–現金給与総額(10月)、景気一致指数・景気先行CI指数(10月)
・豪中銀が政策金利発表、EU財務相理事会・EU保健相会合
・米貿易収支(10月)、米非農業部門労働生産性(3Q)、米消費者信用残高(10月)、ユーロ圏GDP(3Q)、独鉱工業生産(10月)、独ZEW期待指数(12月)、中国貿易収支(11月)、中国外貨準備高(11月)、南アGDP(3Q)
- 12月8日(水)
・「サステナブル マテリアル展」開幕(幕張メッセ10日まで)、GDP(3Q)、経常収支・貿易収支(10月)、銀行貸出動向(11月)、倒産件数(11月)、景気ウォッチャー調査の現状・先行き判断(11月)
・ドイツ連邦議会が新首相の指名選挙を予定・ショルツ政権発足へ、インド中銀・カナダ中銀・ブラジル中銀・ポーランド中銀が政策金利発表、ECB総裁が欧州システミックリスク理事会(ESRB)のイベント冒頭挨拶、前沢友作氏がロシアの宇宙船で宇宙旅行出発(カザフスタン・バイコヌール宇宙基地)、 ブルームバーグのサステナブル・ビジネス・サミット(オンライン、9日まで)
・米求人件数(10月)
- 12月9日(木)
・景況判断BSI(4Q)、マネーストックM2(11月)、対外・対内証券投資(11月28-12月4日)、東京オフィス空室率(11月)、工作機械受注(11月)
・米の民主主義サミット(オンライン、10日まで)、米ミネアポリス連銀総裁、オンラインイベント(10日まで)で講演、ペルー中銀が政策金利発表
・米新規失業保険申請件数(4日終了週)、米卸売在庫(10月)、米家計純資産(3Q)、独貿易収支(10月)、中国CPI・PPI(11月)、中国経済全体のファイナンス規模・新規融資・マネーサプライ (11月、15日までに発表)
- 12月10日(金)
・SBIホールディングスによる新生銀行へのTOB期限、フレクトが東証マザーズに新規上場、国内企業物価指数(11月)
・主要7カ国(G7)外相・開発担当相会議(英リバプール、12日まで)、ノーベル平和賞授賞式(オスロ)・ノーベル賞関連式典(ストックホルム)
・米CPI(11月)、米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(12月)、米財政収支(11月)、独CPI(11月)、英鉱工業生産(10月)
- 12月11日(土)・12日(日)
・中国の世界貿易機関(WTO)加盟20年、仏領ニューカレドニアで独立の是非問う住民投票
(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
■アルファベットの事業別別売上高
アルファベット(GOOGL)の10/26発表の2021年7-9月期決算は、売上高が前年同期比41%増、純利益が同68%増となり、四半期ベースで過去最高を記録。メタ・プラットフォームズ(FB)とは対照的に、アップル(AAPL)のプライバシー保護機能に伴うネット広告規制強化の影響を受けにくかったことが功を奏した。
四半期ごと事業セグメント別売上高推移では、2020年以降、デバイス端末収入などの「ハードウェア・その他」を除けば、検索広告やAndroid、Chrome、アプリのGoogle Playを含む主力の「Google検索・その他」、「YouTube広告」、ウエブサイト収益化支援など「Googleネットワーク」、およびクラウド・コンピューティングの基盤を提供する「Google Cloud」がバランス良く成長を継続しているのが特徴だ。
【アルファベットの事業別売上高~コロナ禍後は全事業が好バランスで推移】
■新型コロナ新規感染者数の推移
南アフリカで検出された新型コロナのオミクロン変異株について11/26に日本で報道されたなか、その前から欧州で新型コロナ感染再拡大に伴う都市封鎖などの規制再導入の動きが相次いでいる。人口当たりの新規陽性検査者数(7日移動平均)では、イギリスが今年夏のピーク時に並び、ドイツも過去最多を更新してイギリスのピーク水準に並んだ。ドイツの都市封鎖に係る動向が注目されよう。
一方、アセアンは総じて今年夏をピークにして新規陽性検査者数の減少傾向が続き、10月以降は入国規制や国内移動規制の緩和、および入国者の隔離義務免除の開始など経済活動の本格的再開に舵を切った。これを受けてアセアン通貨・株式も10月以降に反転上昇したが、オミクロン変異株に水を差された。
【新型コロナ新規感染者数の推移~オミクロン感染前で英独は既に高水準】
■海運株の増配圧力と主要運賃指標
海運大手3社の会社通期予想に基づく12/1終値での年配当利回りは、日本郵船(9101)が10.5%、商船三井(9104)が11.9%、川崎汽船(9107)が6.1%。日本郵船が連結配当性向25%を、商船三井が同20%を目安とする旨を有価証券報告書に明記するなか、2022/3通期予想配当性向で日本郵船は19%、商船三井は20%であり、特に日本郵船には株主からの増配圧力が高まると想定される。
日本郵船の株価が9/24に年内最高値を付けたのに対し、バルチック海運指数が10月上旬、中国上海発ロサンゼルス向けコンテナ運賃が9月中旬に年内最高値を付けた。両指標が足元で底入れの兆しが見えるなか、オミクロン変異株の感染拡大で移動規制の導入が相次げば、コンテナ運賃の高騰が期待されよう。
【海運株の増配圧力と主要運賃指標~バルチック海運指数とコンテナ運賃】
■銘柄ピックアップ
日本水産(1332)
585 円(12/3終値)
・1911年に田村市郎が下関で創業後1943年設立。漁撈・養殖など水産事業、食品の加工・チルド等の食品事業、医薬原料・機能性食品等のファイン事業、および冷蔵倉庫等の物流事業を営む。
・11/5発表の2022/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比13.1%増の3,396.11億円、営業利益が同2.0倍の138.66億円。国内漁業と北米のスケソウダラ加工事業が苦戦したものの、水産事業における国内外の養殖事業の改善、および食品事業の欧米での家庭用・業務用販売が堅調に推移。
・通期会社計画を上方修正。売上高を前期比9.4%増の6,730億円(従来計画6,420億円)、営業利益を同36.1%増の245億円(同200億円)とした。国内養殖事業やチルド事業での体質強化を見込む。12/2発表の日本経済新聞社による21年ヒット商品番付で西の小結に「冷食エコノミー」が選出された。家庭の食卓で冷凍食品の存在感が高まるなか、ニッスイ冷凍食品は国内市場シェア首位。
エムスリー(2413)
5,859 円(12/3終値)
・2000年設立のソニーG(6758)関連会社。国内の医師会員30万人以上が利用の医療従事者専門サイト「m3.com」、米国「MDLinx」や英国「Doctors.net.uk」等の医療従事者プラットフォームを運営。
・10/27発表の2022/3期1H(4-9月)は、売上収益が前期比30.2%増の976.47億円、営業利益が同2.6倍の619.41億円。製薬会社向けマーケティング支援に係る主力のメディカルプラットフォーム事業が同24.2%増収ほか、新型コロナワクチン接種支援プロジェクト拡大が業績の押し上げに貢献。
・新型コロナ感染の世界的拡大による影響を合理的に算定できないとして通期会社予想を非開示。同社グループが世界中で運営する医療従事者向けウェブサイトおよび医師パネルに登録する医師は合計で約600万人に達した。新型コロナのオミクロン変異株感染拡大への懸念が強まるなか、世界各国は警戒度を上げてPCRや抗体の検査を強化の方針。同社事業への需要が高まろう。
ニッポン高度紙工業(3891)
2,593 円(12/3終値)
・1941年に高知市で設立。電気絶縁用セパレータ紙の専業大手であり、アルミ電解コンデンサ用および電池用のセパレータ製造・販売を主事業とする。アルミ電解コンデンサー用は世界シェア6割。
・10/29発表の2022/3期1H(4-9月)は、売上高が前期比30.7%増の91.20億円、営業利益が同93.6%増の22.45億円。アルミ電解コンデンサ用セパレータが車載向けや通信設備関連の堅調な推移を受けて同41%増収。また、機能材がリチウムイオン電池用セパレータ拡大により同5%増収。
・通期会社計画は、売上高が前期比9.9%増の175億円、営業利益が同34.0%増の37億円。11/29、日産自動車(7201)が5年間で電気自動車(EV)など電動車開発に2兆円を投じると発表するなどリチウムイオン電池のセパレータ(絶縁体)需要の高まりが期待されるなか、同社は世界初となる植物由来の高性能セルロース系セパレータを開発・納入。紙素材の優位性が強みとなろう。
ふくおかフィナンシャルグループ(8354)
1,898 円(12/3終値)
・2007年に福岡銀行と熊本ファミリー銀行(現在は熊本銀行に改称)の統合により設立。同年に親和銀行を経営統合。2019年に十八銀行を経営統合後、2020年に長崎県で十八親和銀行を発足。
・11/10発表の2022/3期1H(4-9月)は、コア業務純益が前年同期比24.0%増の480億円、信用コストが同96%減の3億円繰入れへ改善、純利益が同6.5%増の279億円。資金利益の堅調な推移および好調な投信販売に伴う役務利益の上振れに加え、統合効果等による経費減少が業績に寄与。
・通期会社計画は、コア業務利益が前期比21.1%増の827億円、当期利益が同18.6%増の530億円、年間配当が前期比10円増配の95.00円。5月末サービス開始の傘下のモバイル専業銀行「みんなの銀行」は11/14時点で口座数14万2千件、うち30代までが約66%を占めるなど順調に推移。また、改正銀行法の施行により銀行が広告やシステム事業に参入し易くなった点も追い風だろう。
ユニリーバ・インドネシア(UNVR)
市場:インドネシア 4,290 IDR (12/2終値)
・1933年設立。イギリスとオランダが本拠地の消費財メーカーであるユニリーバの子会社。インドネシアを代表する日用消費財メーカー。家庭・パーソナル用品事業および食品・茶菓事業を営む。
・10/19発表の2021/12期9M(1-9月)は、売上高が前年同期比7.5%減の30.02兆IDR、EBITDAが同16.0%減の6.60兆IDR。食品・茶菓事業は巣ごもり需要により増収増益だったが、家庭・パーソナル用品事業は政府による新型コロナ対応の7-8月の移動規制措置導入が響き、減収減益となった。
・インドネシア経済は7-9月期実質経済成長率が前年同期比3.51%と4-6月期の7.07%から減速したものの、10月発表のIMFによる世界経済見通しでは2022年の実質成長率が5.9%と中国の5.6%を上回る見通し。それに加えて、10月の消費者物価指数が前年同月比1.66%上昇と中央銀行が目標とする2-4%を下回る水準で推移。低インフレによる経済成長が消費拡大への追い風となろう。
■アセアン株式ウィークリーストラテジー
(12/6号「ベトナムの成長率と1人当たり国民所得」)
10月発表のIMFの2022年世界経済見通しでは、ベトナムの実質経済率がアセアン主要5ヵ国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン)の5.8%を上回る6.6%である。2020年の実質成長率では主要国およびアセアン主要5ヵ国が軒並みマイナス成長となるなか、ベトナムは中国(2.3%)を上回る2.9%だった。2021年もアセアン主要5ヵ国全てを上回る3.8%の見通しだ。
また、ベトナムの1人当たりGNI(国民総所得)は2019年時点で約2,500USD。世界銀行の定義では1人当たりGNIが約1,000-13,000USDが中所得国とされ、約4,000USDを境に「高・中所得国」と「低・中所得国」に分けられている。アセアンではマレーシアとタイが高・中所得国に、フィリピン、ベトナムが低・中所得国に分類され、インドネシアが両者の境目近辺に位置付けられている。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。