【投資戦略ウィークリー 2020年12月21日号(2020年12月18日作成)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
アサヒグループホールディングス(2502)
4,253 円(12/18終値)
・1949年設立の総合酒類・飲料メーカー。ビール類・焼酎・洋酒・ワインなどの酒類事業、清涼飲料などの飲料事業、菓子・サプリメントなどの食品事業、および海外展開を行う国際事業などを営む。
・11/5発表の2020/12期9M(1-9月)は、売上収益が前年同期比5.1%減の1兆4,713億円、営業利益が同19.6%減の1,309.01億円。4-6月期を底としてコロナ禍からの回復傾向となっているものの、世界各国における外食産業の低迷や外出自粛の影響が続いたことが響き減収減益となった。
・通期会社計画は、売上収益が前期比3.9%減の2兆70億円、営業利益は同31.0%減の1,470億円。近年では国産のジャパニーズ・ウィスキーへの世界的評価の高まりに伴い、子会社のニッカ・ウヰスキーが製造・販売する「竹鶴」や「余市」、「宮城峡」などのボトルの価格が高騰。熟成させたウィスキー製造のためには10年以上の歳月が必要であることから、供給不足の状況が続くとみられる。
東洋紡(3101)
1,395 円(12/18終値)
・1882年に渋沢栄一策定の紡績事業計画に基づき大阪紡績会社として発足。主力のフィルム・機能樹脂事業のほか、産業マテリアル、ヘルスケア、繊維・商事、不動産、その他の事業を営む。
・11/9発表の2021/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比4.5%減の1,575.07億円、営業利益が同6.2%減の104.20億円。液晶偏光光子保護フィルム「コスモシャインSRF」、および新型コロナのPCR検査用試薬や検出キットが好調だったが、世界的な自動車減産や消費冷え込みが響いた。
・通期会社計画は、売上高が前期比2.8%減の3,300億円、営業利益が同12.3%減の200億円。12/7、米先物取引所のCMEが「ナスダック・ヴェレス・カリフォルニア水指数」先物を新規上場。近い将来の世界的水不足が懸念されるなか、逆浸透膜(RO膜)を用いた同社製品「ホロセップ」を採用した大型海水淡水化プラントのシェアは、中東湾岸諸国で約5割、世界でも約2割を占めている。
壱番屋(7630)
5,150 円(12/18終値)
・1978年に名古屋市で創業。2015年にハウス食品G本社(2810)の子会社となった。直営店およびフランチャイズ加盟店を通じ、カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」を中心に飲食店を展開。
・10/7発表の2021/2期1H(3-8月)は、売上高が前年同期比16.4%減の214.60億円、営業利益が同64.3%減の10.70億円。宅配と持ち帰りのテイクアウト売上高(既存店)は同36.8%増と伸びたが、外出自粛や営業時間短縮の要請等により店内売上高(既存店)が同30.4%減となったことが響いた。
・通期会社計画は、売上高が前期比13.2%減の447億円、営業利益が同50.4%減の25.80億円。8/3、三井物産(8031)との合弁会社が「カレーハウスCoCo壱番屋」のインド1号店をニューデリー近郊で開店。本場のインドカレーとは異なる分野の料理として現地で好評の模様。所得水準向上に伴い中産階級が育ってきたインドでは、他国の料理を味わいたい需要が高まっているとみられる。
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人(9283)
106,600 円(12/18終値)
・2016年に設立された上場インフラファンド。アールジェイ・インベストメントが設立企画人および資産運用会社。再生可能エネルギー事業を手掛けるリニューアブル・ジャパンをスポンサーとする。
・9/14発表の2020/7期(2-7月)は、営業収益が前期(2020/1期)比0.7%増の16.20億円、営業利益が同7.9%減の4.16億円、1口当たり分配金が同2.2%減の3,200円。九州電力が再生可能エネルギー発電設備に対して出力制御を従来より多く実施したため、売電収入額が会社計画を下回った。
・2021/1期の会社計画は、営業収益が前期(2020/7期)比0.1%増の16.22億円、営業利益が同3.9%減の3.99億円、1口当たり分配金が同横ばいの3,200円。会社予想年分配金に基づく12/17終値での予想分配金利回りは6.01%。2050年温暖化ガス排出量実質ゼロの政府目標に向け、再生可能エネルギー事業者による送電網の優先利用のほか、広域送電網の整備・強化が見込まれる。
IHHヘルスケア(IHH)
市場:マレーシア 77 MYR(12/17終値)
・時価総額でアジア最大の民間病院の持株会社。三井物産(8031)が32.92%保有の筆頭株主。マレーシア、シンガポール、トルコ、インド、中国ほか11ヵ国で15,000超の病床を80の病院で運営。
・11/26発表の2020/12期3Q(7-9月)は、営業収益が前年同期比7.1%減の35.18億MYR、EBITDAが同0.5%増の8.32億MYR、純利益が同31.2%増の2.38億MYR。外国人患者減が響き減収だが、コスト管理や政府からのコロナ対策支援金が増益に寄与。前四半期比の営業収益は37%増となった。
・今年2月策定の「リフレッシュ・ストラテジー」に基づき、国際規模の相乗効果発揮のため8月にインド子会社のブランド名を主力の「パークウエイ」に変更したほか、インド合弁事業への50%出資分を今月までに売却後、より高い期待収益率プロジェクトへ資金を回す方針。同社は国際分散ポートフォリオ戦略の下、世界10市場に進出していることが特定地域のリスクを緩和する強みとなっている。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。