【投資戦略ウィークリー 2020年12月7日号(2020年12月4日作成)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
ディジタルメディアプロフェッショナル(3652)
3,230 円(12/4終値)
・2002年設立。グラフィックスIPコアを開発してゲーム機器、自動車、モバイル通信機器等に組み込まれる半導体IPコアを半導体・最終製品メーカーに提供するほか、LSI製品の製造・販売を行う。
・11/10発表の2021/3期1H(4‐9月)は、売上高が5.33億円、営業利益が▲1.91億円。2021/3期1Q(4-6月)より連結財務諸表を作成しているため前年同期の数値を記載せず。LSI製品事業は前年同期比3.5倍の増収だったが、IPコアライセンスとプロフェッショナルサービス事業の減収が響いた。
・通期会社計画は、売上高が15億円、営業利益が▲1.5億円。自動車安全運転支援分野でアマゾン・ウエブ・サービス(AWS)を使ったSaaS型安全運転支援クラウドサービスの提供を開始したほか、11/30に米半導体大手のエヌビディア(NVDA)のパートナープログラム(NVIDIA Partner Network)に参画したと発表。人工知能ビジネス加速に加え、エヌビディアとの業務提携強化も期待されよう。
新日本電工(5563)
243 円(12/4終値)
・1934年設立の鉄鋼向け合金メーカー。筆頭株主である日本製鉄(5401)のグループ企業であり、主力の合金鉄(フェロアロイ)の製造・販売のほか、機能材料、環境、電力、その他の事業を展開。
・11/10発表の2021/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比26.4%減の399.06億円、営業利益が前年同期の▲11.49億円から46.13億円へ黒字転換。中国を除く地域の粗鋼生産量減少が減収に響いたが、昨年末実施の棚卸資産評価による帳簿価格切り下げにより原材料コストが低減した。
・通期会社計画は、売上高が前期比29.1%減の500億円、営業利益が前年同期の▲55.72億円から50億円へ黒字転換。同社は水素を吸蔵したり放出したりできる合金である水素吸蔵合金の製造で国内首位であり、ハイブリッド自動車用ニッケル水素電池向けの最大のサプライヤーとなっている。また、リチウムイオン電池の正極材料では住友金属鉱山(5713)からの製造受託も行っている。
東芝テック(6588)
3,900 円(12/4終値)
・1950年に東芝(6502)から分離独立。東芝グループの社会インフラ事業領域(リテール&プリンティングソリューション)の一角を担う。流通系のPOSシステム機器に係る「TEC」ブランドで知られる。
・11/9発表の2020/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比23.3%減の1,917.35億円、営業利益が前年同期の101.74億円から▲9.30億円へ赤字転落。固定費削減や構造改革等に取り組んだが、国内外ともに主力商品のPOSシステムや複合機の需要減退、および営業活動の制限が響いた。
・通期会社計画は、売上高が前期比17.3%減の4,000億円、営業利益が同28.5%減の100億円。同社は構造改革における選択と集中の方針下、プリンティングソリューション事業の外部企業との提携などを検討している。また、大手コンビニのレジでセルフレジへの段階的移行として来店客に決済手段の選択ボタンを押してもらうシステムへに変える動きが拡大中。同社への追い風となろう。
ゼンリン(9474)
1,304 円(12/4終値)
・1974年に北九州市で設立。地図データベース関連事業、および一般印刷関連事業を手掛ける。住宅地図を全国展開し、カーナビゲーションやインターネットの地図データ配信に強みを有する。
・10/28発表の2021/3期1H(4-9月)は、売上高が前期比9.7%減の242.09億円、営業利益が前年同期の▲3.34億円から▲14.60億円へ赤字拡大。オートモーティブ関連で国内外のカーナビゲーション用データの販売等の減少が業績に響いた。同社の売上高は1-3月期に集中する傾向がある。
・通期会社計画は、売上高が前期比2.1%減の585億円、営業利益が同54.6%減の15億円。同社株は「CASE」(繋がる、自動運転、シェアリング、電動化)関連として中長期的に期待されるなか、来年1月に住宅立地や区画ごとの世帯数などがわかる複数の地図データを組み合わせ、個人事業主の販促活動をネット上でサポートする月額定額のサブスクリプション型サービスを開始する予定。
ユニリーバ・インドネシア(UNVR)
市場:インドネシア 7,550 IDR(12/3終値)
・1933年設立。イギリスとオランダが本拠地の消費財メーカーであるユニリーバの子会社。インドネシアを代表する日用消費財メーカー。家庭・パーソナル用品事業および食品・茶菓事業を営む。
・10/21発表の2020/12期9M(1-9月)は、売上高が前年同期比0.3%増の32.45兆IDR、EBITDAが同5.2%減の7.87兆IDR、純利益が同1.3%減の5.43兆IDR。輸出売上減が全体の増収率鈍化に響いた。粗利率は同1.2ポイント上昇したが、販管費が嵩んで営業利益率が同1.3ポイント低下した。
・インドネシアではコロナ禍に伴う消費購買力の減退が見られるものの、家庭・パーソナル用品事業は、新型コロナウイルス感染への対応を意識した生活衛生面からの需要の高まりにより高付加価値製品が業績を牽引すると見込まれる。インドネシアは中間層および富裕層の人口に占める比率上昇により個人消費の伸びが加速し始める段階にあると考えられ、消費関連への恩恵が期待される。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。