【投資戦略ウィークリー 2020年11月16日号(2020年11月13日作成)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
日清紡ホールディングス(3105)
720 円(11/13終値)
・1907年設立。無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維、不動産、その他の事業セグメントで構成されるコングロマリット。「環境・エネルギーカンパニー」を目標に掲げる。
・11/12発表の2020/12期9M(1‐9月)は、売上高が前年同期比10.5%減の3,359.77億円、営業利益が前年同期の▲5.89億円から▲6.96億円へ赤字拡大。コロナ禍での需要低迷の影響を受けた。一方で、純利益は投資有価証券、固定資産売却益、助成金収入により同45.2%増の59.24億円。
・通期会社計画は、売上高が前期比9.4%減の4,620億円、営業利益が前期の64億円から▲40億円へ赤字転落。子会社JRCモビリティは今年4月末にドイツの車載機器開発会社2社を買収したほか、カメラ画像とミリ波レーダーのデータを組み合わせ3次元の位置情報と速度情報を同時に検出する技術を家電・IT見本市「CEATEC」で展示。自動車の自動運転時代への備えは順調な模様だ。
コメダホールディングス(3543)
1,862 円(11/13終値)
・1968年に名古屋で開店の喫茶店を発祥とする。「珈琲所コメダ珈琲店」のほか「おかげ庵」、「やわらかシロコッペ」、「コメダスタンド」、「石窯パン工房ADEMOK」のブランドを擁しFC事業を全国展開。
・10/14発表の2021/2期1H(3-8月)は、売上収益が前年同期比12.1%減の134.79億円、営業利益が同38.9%減の24.04億円。店舗におけるデリバリーを含むテイクアウト売上が伸びたが、コロナ禍が減収に影響した。FC加盟店への営業支援や一部の直営店舗に係る減損損失が減益に響いた。
・通期会社計画は、売上収益が前期比11.6%減の276億円、営業利益が同32.3%減の53.3億円。既存店のFC加盟店向け卸売売上前年同期比は、上半期(1H)が19.0%減だったが、9月単月が1.0%増、10月単月が1.6%増と業績改善が示された。今年8月末の総店舗数896店に対し、同社は1,000店舗体制構築を目標とする。台湾では2022年までに50店を目標として進出加速の見通し。
マクセルホールディングス (6810)
1,147 円(11/13終値)
・1966年に設立。2010年の日立製作所(6501)による完全子会社化後、2014年に再上場し日立グループから独立。主にエネルギー、産業用部材料および電器・消費者製品の製造・販売を行う。
・10/29発表の2021/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比13.5%減の636.40億円、営業利益が同17.8%増の8.27億円。自動車市場向け製品、コンシューマー製品、プロジェクターの減収が全体の売上減に響いた一方、プロジェクターなどの赤字幅削減や固定費削減が営業増益に寄与した。
・2021/3通期会社計画を修正。売上高を前期比5.0%減の1,333億円(従来計画1,400億円)としたが、営業利益を前期の▲1.37億円から15億円(同5億円)へ引き上げた。コロナ禍の売上への影響が継続するものの、各部門の原価低減策の効果を見込む。同社は、燃え難くエネルギー効率が高いため次世代電池の本命とされる「全固体電池」でコイン型の小型製品を21年に量産する見通し。
チノー(6850)
1,401 円(11/13終値)
・1913年創業の千野製作所を発祥とする計測機器メーカー。計測制御機器、計装システム、センサーなどの製造・販売を営む。赤外線計測、燃料電池評価試験分野で国内外で高シェアを占める。
・11/11発表の2021/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比2.5%増の93.14億円、営業利益が同13.1%減の9,900万円。新型コロナ感染症対策として体表面温度発熱監視カメラや体表面温度チェッカーの需要増が増収に寄与したが、自動車や電子部品など主要顧客向けの受注減が響いた。
・通期会社計画は、売上高が前期比1.9%減の202億円、営業利益が同14.3%減の8.80億円。新型コロナワクチン開発が現実味を帯びるなか、輸送に必要な超低温管理で同社の温度計測機器が注目される。また、21年6月より食品工場や飲食店などで食中毒など健康被害を起こす要因の管理手法に係るHACCP(ハサップ)が義務化される予定。同社は衛生管理システムの提案を強化中だ。
デジ・ドット・コム(DIGI)
市場:マレーシア 4.20 MYR(11/12終値)
・ノルウェーのグローバル通信事業者であるテレノール・グループが筆頭株主。2020/9末現在、マレーシアで約1,070万人のユーザーを擁し、4G+ネットワークはマレーシア国土の約90%をカバー。
・10/16発表の2020/12期3Q(7-9月)は、通信サービス収入が前年同期比2.8%減の13.74億MYR、純利益が同9.8%減の3.21億MYR。国境閉鎖の継続に伴うローミング収入の減少、および消費支出減少が響き減収となったほか、通信ネットワーク拡張やIT関連補修費用が嵩み減益に繋がった。
・3Qの前四半期は、通信サービス収入が8.7%増収、EBITDAが2.1%増益、純利益が11.5%増益とコロナ禍からの経済活動再開による2Qでの業績底打ちが示唆された。ポストペイドとプリペイドのプラン統合に伴い減少傾向だった登録利用者数が前四半期比5.4%増だったことに加え、1利用者当たり月間平均収入が同5.0%増となり、顧客数と顧客単価の両面から業績向上が見込まれよう。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。