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【投資戦略ウィークリー 2020年11月2日号(2020年10月30日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

戸田建設1860) 

 594 円(10/30終値)

・1881年創業。国内建築事業、国内土木事業、投資開発事業、新領域事業(浮体式洋上風力発電事業を含む)、および海外事業を主な事業とし、その他各事業に関連するPFI事業などを展開。

・8/4発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比18.9%減の971.45億円、営業利益が同79.2%減の17.49億円。コロナ禍の影響を受けて国内建築事業における完成工事高の減少が減収に響いたほか、好採算の工事減小および販管費増加(同10.1%)が営業利益減少に繋がった。

・2021/3通期会社計画は、売上高が前期比5.6%減の4,450億円、営業利益が同26.3%減の240億円。1Qの受注高は、建築事業が前年同期比26%増、土木事業が同34%増であり、将来売上見通しは良好。また、菅首相が所信表明演説で掲げた「2050年までに温暖化ガス排出を実質ゼロ」方針に関し、同社が高い技術力を有する浮体式洋上風力発電施設の設置工事への注目が高まろう。

 

グローバルキッズCOMPANY6189) 

 702 円(10/30終値)

・2006年設立。保育所等の運営に係る「子育て支援事業」を主な事業とする。首都圏中心に、自治体より認可等を受けた保育施設、学童クラブ・児童館、および児童発達支援事務所を運営する。

・7/31発表の2020/9期9M(2019/10-2020/6)は、売上高が前年同期比14.3%増の165.61億円、営業利益が同2.2倍の4.15億円、経常利益が同50.4%減の8.65億円。新園開設抑制に伴う設備投資の補助金収入減が経常減益に影響したが、営業増益により経常減益幅は会社計画を下回った。

・通期会社計画は、売上高が前期比12.2%増の221億円、営業利益が同2.0倍の3.50億円、経常利益が同55.8%減の7.90億円。臨時国会召集後に行われた菅首相の所信表明演説でも待機児童の解消を目指すとして、幼稚園を含めた地域の子育て資源の活用を検討し、年末までにポスト「子育て安心プラン」を取りまとめることが表明された。同社の新規施設の開設増加への追い風となろう。

 

パラマウントベッドホールディングス (7817

 4,030 円(10/30終値)

・1950年に前身の木村寝台工業を設立。医療福祉用ベッド、マットレス、病室用家具、医療用器具備品の製造・販売、メンテナンス、レンタルを行う。医療・介護用ベッドで国内シェア7割を占める。

・7/31発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比0.6%減の170.41億円、営業利益が同19.5%減の14.35億円。コロナ禍への対応に伴い営業活動が制限されるなか、海外は病床確保の需要により増収となったが、国内では製品販売およびアフターサービスの減少が業績に響いた。

・コロナ禍の影響が不透明であることから通期会社計画を引き続き未定としている。6月以降、福祉用具レンタル事業および健康事業が前年同期比で増収に転じている。また、同社はオンライン開催された先進技術展示会「CEATEC2020」で、就寝中のいびきを検知し寝ている人の気道が開くように自動的に抑制する寝具を開発中と発表。睡眠時無呼吸症候群の解決への貢献も期待される。

 

ベネッセホールディングス(9783 

2,459 10/30終値

・1955年に岡山市で前身の福武書店を設立。進研ゼミなどの国内教育事業、幼児向けのグローバルこどもチャレンジ事業、介護・保育事業、および語学のベルリッツ事業の4事業を中心に展開。

・8/7発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比9.9%減の980.97億円、営業利益が前年同期の1.50億円から▲52.54億円へ赤字転落。コロナ禍の影響による学校休校や学習塾・英語教室の営業自粛、ランゲージセンターの一時閉鎖、および今年3月の子会社事業売却が影響した。

・コロナ禍の影響が不透明であることから通期会社計画を引き続き未定としている。コロナ禍に係る緊急事態宣言解除後の業績は回復基調。また、文科省が2020年中に小中学生全員に1人1台情報端末の配備を目指すなか、同社は全国の公立小中学校で教育デジタル化を支援するためタブレットを使った学習ソフト「ミライシード」を提供。20年度中に5,000校への導入を目標としている。

 

シンガポール・テレコムST

市場:シンガポール   2.04 SGD10/29終値)

・1879年設立のアジア最大級の通信会社。主力エリアのシンガポールとオーストラリアのほか、タイ、フィリピン、インドネシア、インドの通信企業を戦略パートナーの「地域関連会社」と位置付ける。

・8/17発表の2021/3期1Q(4-6月)は、営業収益が前年同期比12.7%減の35.43億SGD、海外地域関連会社を除くEBIT(利払・税引前利益)が同51.2%減の2.62億SGD。コロナ禍の影響で相互接続(ローミング)が減収。その一方、海外地域関連会社の税引前利益は同7.5%増の3.73億SGD。

・10/1に最高デジタル責任者のユエン・クアンムン氏が2021年初よりCEOに就任することが発表された。同社は政府より5G通信の事業免許を交付され、2021年1月よりサービスを開始し、22年末までに国土の50%まで普及させる計画である。5G通信サービスの下、現在赤字のデジタル事業を柱とする成長が求められよう。ユエン氏はデジタル銀行の設立に向けて適切に投資を行う旨を表明。

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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