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【投資戦略ウィークリー 2020年9月28日号(2020年9月25日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

富士フイルムホールディングス4901)  

5,156 円(9/25終値)

・1934年設立。写真や画像に係るイメージングソリューション、人々の健康(予防・診断・治療)に関わるヘルスケア&マテリアルズソリューション、およびドキュメントソリューションの3事業を展開する。

・8/13発表の2021/3期1Q(4‐6月)は、売上高が前年同期比14.8%減の4,562.70億円、営業利益が同45.1%減の203.90億円。コロナ禍に伴う店舗休業や外出規制の影響でカメラ製品などの販売減が響いた。純利益は富士ゼロックスを完全子会社化した影響で同87.6%増の275.01億円だった。

・通期会社計画は、売上高が前期比5.0%減の2兆2,000億円、営業利益が同25.0%減の1,400億円。コロナ禍や為替の影響、および構造改革の一時費用を除けば前期比で増収・増益となる。子会社の富士フイルム富山化学が新型コロナウイルス治療薬候補アビガンの国内臨床第3相試験で主要評価項目を達成。10月中に予定されているアビガンの製造販売承認申請が注目される。

 

文化シャッター(5930

837 円(9/25終値)

・1955年設立。主な事業内容は、シャッター、住宅用建材およびビル用建材の製造販売とその保守点検・修理、住宅リフォーム。ゲリラ豪雨対策の浸水防止用設備を取り扱う止水事業を強化中。

・8/4発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前期比1.3%増の371.97億円、営業利益が同6.0倍の4.10億円。主力のシャッター関連製品および建材関連製品事業が増収だったこと、および建材関連製品事業の営業損益が前年同期の▲3.80億円から赤字解消となったことが業績に貢献。

・新型コロナウイルスの影響を現時点において合理的に算定することが困難なことから通期会社計画を未定とした。浸水防止用設備を手掛ける止水事業を含む「その他事業」の4-6月売上高は前年同期比1.5%増となった。今年7月に九州豪雨が発生し、9月にも大型で非常に強い台風10号が九州に接近するなど水害被害が懸念されるなか、同社事業の社会的評価の高まりが期待されよう。

 

NISSHA (7915

 1,288 円(9/25終値)

・1929年に京都で創業し1946年に設立。産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジー、情報コミュニケーションの生産・販売を主に行う。ディバイス事業のフィルムタッチセンサーが収益の柱。

・8/6発表の2020/12期1H(1-6月)は、売上高が前年同期比3.7%増の771.64億円、営業利益が前年同期の▲63.51億円から▲12.42億円へ赤字縮小。ディバイス事業のスマホやゲーム機、物流関連の産業用端末向けの製品需要の増加、およびコスト改善効果により増収・赤字縮小となった。

・通期会社計画は、売上高が前期比4.6%減の1,660億円、営業利益が前期の▲162.47億円から15億円へ黒字転換。同社が任天堂7974の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」向けタッチセンサーを供給するなか、任天堂はSwitchの品薄を解消するため、8月発表の2021/3通期製造目標(2,500万台)を9月に3,000万台に引き上げ、取引先の製造パートナーに増産を依頼したと報じられた。

 

三協フロンテア(9639

3,755 9/25終値

・1969年に千葉県柏市で設立。ユニットハウス、トランクルーム、立体駐車装置、植物工場の製造・販売・レンタルのほか、レンタルスペースの運営や建設機械(破砕機)の販売・レンタルも営む。

・8/3発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比9.8%増の108.48億円、営業利益が同15.4%増の16.19億円。コロナ禍の影響により一部工事の休止や延期の動きが見られたものの、首都圏を中心に継続して都市再開発工事が行われたこともあり、ユニットハウス販売が堅調に推移。

・9/17に通期会社計画を上方修正。売上高を前期比1.0%増の478億円(従来計画460億円)、営業利益を同3.0%増の75億円(同65億円)へ引き上げた。コロナ禍の影響が当初想定よりも軽微だったことに加え、3密対策やテレワーク推進を受け、新たな空間の必要性または既存空間の拡張ニーズが高まることに伴いユニットハウスに対する需要が拡大したことが上方修正の理由とされている。

 

サイム・ダービーSIME

市場:マレーシア  2.35 MYR9/24終値)

・1910年にスコットランドの冒険家ウイリアム・サイム、イングランドの銀行家ヘンリー・ダービーにより天然ゴム栽培企業として設立。現在はインダストリアル事業や自動車事業を主とする4事業を営む。

・8/27発表の2020/6期4Q(4-6月)は、売上高が前年同期比5.4%減の88.21億MYR、純利益が同3.8%減の1.77億MYR。ただし、一時的要因の影響を除くコア純利益は同2.9%増だった。インダストリアル事業のオーストラリアにおいて鉱業・建設業向けの建設機械の引渡しが堅調に推移した。

・インダストリアル事業はオーストラリアを含むオセアニア、中国、シンガポール、マレーシアの各地域でコロナ禍対応の経済対策に伴うインフラ建設需要による需要増が期待される。また、自動車事業の中国は今年1-3月期が前年同期比22.2%減収だったのに対し、4-6月期が同3.1%増収と回復に転じた。ターゲットとする富裕層向けの高級車需要の拡大による業績押し上げが期待される。

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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