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【投資戦略ウィークリー 2020年8月17日号(2020年8月14日)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

明治ホールディングス2269

8,600  円(8/14終値)

・2009年に明治製菓と明治乳業が合併して設立。食品と医薬品の2事業セグメントを営む。化学及び血清療法研究所(化血研)の製薬事業を継承したKMバイオロジクスを2018年に連結子会社化。

・8/12発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比5.9%減の2,811.67億円、営業利益が同12.2%増の231.61億円。菓子事業の減収、および株式譲渡により3社が連結対象から除外されたことから全体は減収だったが、ヨーグルトなどの増収や販促費などのコスト管理が増益に寄与。

・通期会社計画は、売上高が前期比横ばいの1兆2,530億円、営業利益が同7.1%増の1,110億円。インフルエンザと新型コロナウイルスの両方にかかった場合に深刻な症状が出る可能性があることから世界的にインフルエンザ予防接種の需要が高まると見られるなか、KMバイオロジクスが手掛けるインフルエンザワクチンの売上高見通し(前期比15.7%増の302億円)の上振れが期待されよう。

 

日本電子材料(6855)                      

1,662  円(8/14終値)

・1960年設立。半導体検査用部品および電子管部品の開発・製造・販売を行う。主力の半導体検査用プローブカード(探針付き基板)は半導体製造の前工程におけるウエハテストで使用される。

・8/6発表の2021/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比31.2%増の41.88億円、営業利益が同6.6倍の8.04億円。データセンター関連投資を背景とした半導体市場の回復を受け、サーバーやPC向け需要が拡大したメモリーIC向け製品拡販が進んだことにより主力のプロープカードが伸びた。

・通期会社計画は、売上高が前期比8.5%増の170億円、営業利益が同2.3倍の23億円。最先端の半導体技術において回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートル(nm)への微細化が注目されるなか、半導体デバイス製造の「ウエハテスト」(製作されたICチップの良品判定テスト)工程に必要不可欠なプロープカードに要求される技術水準も高まると見られ、同社技術への需要も高まろう。

 

キャノンマーケティングジャパン(8060     

2,060 円(8/14終値)

・1968年にキャノン(7751)の販売子会社として設立。国内市場におけるキャノン製品の販売に加え、独自事業としてITソリューションや産業機器、ヘルスケア等の顧客向けソリューションに注力。

・7/27発表の2020/12期1H(1-6月)は、売上高が前年同期比13.3%減の2,625.93億円、営業利益が同2.1%減の131.40億円。コロナ禍の影響によりビジネス機器や消費者向け機器の市場が減少したこと、および緊急事態宣言下で全社的に輪番休業を実施したことが響き、減収減益となった。

・通期会社計画は、売上高が前期比14.4%減の5,320億円、営業利益が同35.3%減の210億円。配当予想も年20円減配となる40円とした。中堅中小企業向けITソリューションは、テレワークの普及に伴いリモートワーク環境構築のニーズが高まると見込まれる。また、コロナ禍の不透明感が続くなか、利益を企業グループに留めたい親会社の事情からTOBによる完全子会社化の可能性もあろう。

 

C&Fロジホールディングス(9099      

1,892 8/14終値

・2015年にフローズン輸送のヒューテックノオリンとチルド輸送の名糖運輸が統合して設立。総合物流企業を志向し、保管在庫型物流(DC)事業、通過型センター(TC)事業、その他事業を営む。

・8/7発表の2021/3期1Q(4-6月)は、営業収益が前年同期比1.3%増の277.91億円、営業利益が同39.9%増の15.78億円。DC事業における家庭用冷凍食品の物量の増加が増収に寄与したほか、燃油単価下落に伴うコスト削減やTC事業における自社車両による配送比率引き上げが増益に寄与。

・通期会社計画は、営業収益が前期比0.9%増の1,117億円、営業利益が同15.3%増の56億円。同社が主軸を置く低温食品物流業界ではライフスタイルの変化を背景として冷凍・冷蔵食品の需要が堅調に推移するなか、外食から中食・内食への需要シフトへの対応は順調に進んでいる。それに加え、外注費削減と配送効率化、および倉庫荷役管理に伴うコスト構造見直しが注目される。

 

インドフード・サクセス・マクムール(INDF

市場:インドネシア   7,225 IDR8/13終値)

・インドネシア財閥サリムグループ企業で、1990年創業。主力の包括的な消費者向けブランド商品(CBP)のほか小麦粉を生産・販売するBogasari、アグリビジネス、物流の4つの戦略的事業を行う。

・8/3発表の2020/12期1H(1-6月)は売上高が前年同期比2.0%増の39.38兆IDR、営業利益が同17.5%増の5.62兆IDR、純利益が同11.7%増の2.84兆IDR。Bogasari事業はレストランなどの需要減が響き減益だったが、CBP事業が巣篭り消費拡大の恩恵により引き続き堅調だった。

・インドネシア政府によるバイオ30%混合のB30ディーゼル義務化が実現したことにより平均粗パーム油価格が堅調に推移し、アグリビジネスの1-6月が前年同期の赤字から黒字転換となった。また、1-6月の海外売上が前年同期比20.4%増であり、特にサウジアラビアが同58.0%増と伸びるなか、同じイスラム教国の中東やアフリカ諸国への輸出売上を伸ばすことが今後の成長を後押ししよう。

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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