【投資戦略ウィークリー 2020年8月3日号(2020年7月31日)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
タマホーム(1419)
1,086 円(7/31終値)
・1998年設立の戸建て注文住宅建設会社。住宅事業、不動産事業、金融事業、エネルギー事業、およびその他事業を営む。「高品質住宅を低価格で提供する」を経営方針に全国展開を行う。
・7/13発表の2020/5通期は、売上高が前期比12.0%増の2,092.07億円、営業利益が同34.0%増の98.73億円。主力の住宅事業は売上高が同10.2%増、営業利益が同4.7倍。営業拠点数の増加(前期比7.5%増)、地域限定商品が好調に推移したこと、および利益率の改善などが奏功した。
・2021/5通期会社計画は、売上高が前期比6.8%減の1,950億円、営業利益が同24.0%減の75億円。新型コロナウイルス流行の下でのテレワークへの備え、および家族と過ごす時間が増えたことから戸建て住宅を購入する動きが増えるなか、同社の注文住宅が相対的に低価格帯であることは、テレワークに慣れた若年層に訴求しよう。また、会社予想1株配当金が60円である点も要注目。
アキレス(5142)
1,810 円(7/31終値)
・1947年に設立。シューズ製品、プラスチック製品、産業資材製品の製造・販売を主な事業とする。1948年に日本初の軟質塩ビシートの開発・商品化に成功して以来、多彩なフィルム製品を提供。
・5/29発表の2020/3通期は、売上高が前期比6.4%減の802.25億円、営業利益が同14.3%増の16.02億円。シューズ事業が減収・営業赤字縮小、プラスチック事業が減収・営業減益だったが、産業資材事業は、工業資材が海外の半導体分野向けや国内の医療機器向けが好調で営業増益。
・コロナ禍の影響が不透明であることから2021/3通期会社計画を未定とした。売上の15%を占めるシューズ事業はコロナ禍に伴う外出減少の影響から減収が予想される一方、プラスチック事業(売上構成比47%)のフィルムはウイルス対策製品、飛沫感染防止シート用、感染予防ガウン用などの需要増が見込まれる。塩ビシートの受注は4月の3日間に1ヵ月分の受注があったと伝えられた。
技研製作所(6289)
3,830 円(7/31終値)
・1967年創業。無振動・無騒音の油圧式杭圧入引抜機(サイレントパイラー)に係る開発・製造・販売・保守サービス等の建設機械事業、および圧入技術の新工法を活用した圧入工事事業を行う。
・7/10発表の2020/8期9M(2019/9-2020/5)は、売上高が前年同期比4.8%減の190.91億円、営業利益が同24.3%減の24.04億円。コロナ禍に伴う移動自粛や世界各国の入国制限などの影響を受け工法提案活動が限定されたこと、および工事一時中止や工期延長などが響き減収減益だった。
・通期会社計画を下方修正。売上高を前期比24.5%減の245億円(従来計画330億円)、営業利益を同67.1%減の22億円(同59億円)とした。コロナ禍に伴う厳しい状況が続くと予想される一方、「令和2年7月豪雨」に続き、山形県最上川も記録的大雨で氾濫するなど、頻発し激甚化する自然災害への抜本的対策が急務とされる。同社工法への社会的需要が一層高まるものと見込まれよう。
スタンレー電気(6923)
2,516 円(7/31終値)
・1920年創業。自動車用照明製品などの自動車機器事業、LEDといった電子デバイス製品などのコンポーネンツ事業、および電子応用製品事業を主要事業とする。ホンダ向けが約4割を占める。
・7/27発表の2021/3期1Q(4‐6月)は、売上高が前年同期比42.0%減の598.54億円、営業利益が前年同期の129.76億円から▲4.50億円へ赤字転落。自動車生産台数の世界的減に加え、感染症拡大防止のための生産活動一時停止や減産に伴う自動車関連部品の減収が業績に響いた。
・コロナ禍の影響が不透明なため未定としていた通期会社計画を公表。売上高を前期比13.2%減の3,400億円、営業利益を20.8%増の300億円とした。営業増益は前期に品質に関わる費用を180億円計上した反動増による。深紫外線を発生するLEDの量産を7月より開始。深紫外線は照射することで新型コロナウイルスを不活性化する効果がある。殺菌に関連した需要拡大が見込まれよう。
IHHヘルスケア(IHH)
市場:マレーシア 5. 40 MYR(7/30終値)
・時価総額でアジア最大の民間病院の持ち株会社。三井物産が32.92%の持株比率の筆頭株主。マレーシア、シンガポール、トルコ、インド、中国ほか11ヵ国で15,000超の病床を80の病院で運営。
・6/29発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比2.4%減の35.55億MYR、EBITDAが同9.7%減の7.34億MYR。純利益は前年同期の8,950万MYRから▲3.19億MYRへ赤字転落だったが、インド事業の暖簾の減損損失など特別項目を除いた調整後純利益は同0.5%増の1.89億MYR。
・コロナ禍の影響を受けた入院患者原が予想されるなか、2021年完成予定のグレンイーグルス上海病院(収容能力450床)および成都病院(同312床)を中心に成長に向けた高水準の設備投資を継続。また、マレーシアがイスラム教経済の世界的なハブとなることを国家成長戦略と位置付けるなか、トルコや中近東・北アフリカで事業を営むトルコ子会社のアシバデムの重要性が高まろう。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。