【投資戦略ウィークリー 2020年6月1日号(2020年5月29日作成)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
マツオカコーポレーション(3611)
2,417 円(5/29終値)
・1956年に松岡呉服店として創業。企画・製造および物流を含め、アパレルメーカー、商社および量販店からの発注を受けて委託者のブランドで衣料品を製造する「アパレルOEM事業」を営む。
・5/22発表の2020/3通期は、売上高が前期比9.9%減の571.12億円、営業利益が同22.6%減の26.03億円。下半期に大手SPA向けカジュアルウェアを中心に受注が伸びたものの上半期における気候要因に伴うアパレル業界の生産調整や顧客の物流施策の変更が響き減収減益となった。
・新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明であることから2021/3通期の会社計画を未定とした。政府が配付中の布製マスクの供給元5社に選定され回収トラブルが起きていないことで評価を高めた。それに加え、ファーストリテイリング(9983)傘下のユニクロが今夏にマスク事業に参入し、通気性の良い素材で蒸れにくい布製マスクを生産販売することも業績への追い風となろう。
マクセルホールディングス(6810)
1,077 円(5/29終値)
・1966年に設立。2010年の日立製作所(6501)による完全子会社化後、2014年に再上場し日立グループから独立。主にエネルギー、産業用部材料および電器・消費者製品の製造・販売を行う。
・5/14発表の2020/3通期は、売上高が前期比3.7%減の1,450.41億円、営業利益が前期の54.24億円から▲1.37億円へ赤字転落。プロジェクター、半導体関連組込みシステムの減収のほか、中国工場の稼働率低下、および健康・理美容機器や自動車市場向け光学部品の販売減が響いた。
・2021/3通期の会社計画は、売上高が前期比3.5%減の1,400億円、営業利益が前期の▲1.37億円から5億円へ黒字転換。新型コロナウイルス感染拡大で衛生意識が高まっており、法人や一般消費者向け除菌消臭器に加え、検温で使う体温計向け電池の販売も伸びている。除菌消臭器は日本企業がオフィスで利用するほか、中国をはじめアジア地域でも受注が拡大している模様。
西日本鉄道(9031)
2,906 円(5/29終値)
・1908年設立。鉄道・バスなどの運輸業、賃貸・住宅などの不動産業、流通業、国内外にわたる物流事業、ホテルや旅行などのレジャー・サービス業、およびICカードなどのその他事業を営む。
・5/20発表の2020/3通期は、営業収益が前期比1.9%減の3,894億円、営業利益が同18.6%減の164.11億円。国際物流事業での米中通商問題の影響による取扱高の減少、ホテル事業やバス事業での感染症の流行拡大の影響による減収、住宅事業での分譲販売区画数の減少が響いた。
・新型コロナウイルス感染拡大の影響を現時点で合理的に算定できないため2021/3通期会社計画を未定とした。タイの非常事態宣言の期限が6月末まで延長されることが決定した中、バンコクの一等地のBTSアソーク駅にフロントが直結した「ソラリア西鉄ホテルバンコク」を5/30に開業。当面は収益面で苦戦が予想されるが、アセアンにおける同社のブランド価値向上への貢献が見込まれよう。
アイネス(9742)
1,402 円(5/29終値)
・1964年設立。情報システムやネットワークの企画・開発から稼働後の運用・保守・メンテナンスまで一貫したサービスを提供。自治体向けウェブ型総合行政システム「WebRings」を中核製品とする。
・5/8発表の2020/3通期は、売上高が前年同期比10.8%増の422.78億円、営業利益が同33.8%増の29.03億円。公共分野における各種の法改正に伴うシステム改修需要や公的機関向けのBPO業務拡大が増収に寄与したほか、利益面で不採算プロジェクトの解消が増益に貢献した。
・新型コロナウイルス感染拡大の影響を現時点で合理的に算定できないため2021/3通期会社計画を未定とした。特別定額給付金の手続き迅速化のため導入したマイナンバーを使ったオンライン申請を巡り、自治体の受付休止が相次いでいる。システム整備が遅れている実態が浮かび上がるなか、公共分野の前期売上構成比が39%を占め自治体に強い同社への受注の期待が高まろう。
インドフード・サクセス・マクムール(INDF)
市場:インドネシア 5,675 IDR(5/28終値)
・インドネシア財閥サリムグループ企業で、1990年創業。主力の包括的な消費者向けブランド商品(CBP)のほか小麦粉を生産・販売するBogasari、アグリビジネス、物流の4つの戦略的事業を行う。
・5/19発表の2020/12期1Q(1-3月)は売上高が前年同期比7.0%増の19.34兆IDR、営業利益が同33.2%増の3.43兆IDR、消費者向けブランド製品事業、Bogasari事業が引き続き堅調だったことに加え、粗パーム油相場の上昇によりアグリビジネス事業が前期までの営業減益から増益に転じた。
・粗パーム油価格は新型コロナウイルス感染拡大の影響による相場下落が懸念されるものの政府が年初から実施したバイオ30%混合のB30ディーゼル義務化が実現したことに伴う実需が中長期的に相場を下支えすると期待される。また、サウジアラビアへの輸出売上が伸びるなか、同じイスラム教国の中東やアフリカ諸国への輸出売上を伸ばすことが今後の成長にとって重要となろう。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。