【投資戦略ウィークリー 2020年4月20日号(2020年4月17日作成)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
倉敷紡績(3106)
2,547 円(4/17終値)
・1888年設立。通称並びに対外名称はクラボウ。繊維事業、化成品事業、環境メカトロニクス事業、食品・サービス事業、不動産事業を営む。ブラジル、インドネシア、タイ、中国でも事業を展開する。
・2/7発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比9.1%減の1,057.24億円、営業利益が同23.6%減の29.59億円。半導体洗浄装置やバイオマス発電に係る売電、およびバイオメディカル分野を含む環境メカトロニクス事業は増収増益だったが、その他の事業の減収減益が響いた。
・通期会社計画を下方修正。繊維事業や食品・サービス事業の販売が低調に推移する見込みから売上高を前期比8.3%減の1,440億円(従来計画:1,500億円)、営業利益を同29.1%減の40億円(同:46億円)とした。同社は研究用に新型コロナウイルスの抗体を検出する検査試薬キットを3/16より販売開始。既に感染し抗体を有する人への仕事再開に向けた期待の高まりが追い風となろう。
イビデン(4062)
2,309 円(4/17終値)
・1912年創業。プリント配線板・パッケージ基板の電子事業、環境関連・特殊炭素・ファインセラミック・セラミックファイバー製品のセラミック事業、建材・樹脂・設備工事関係等のその他事業を営む。
・2/5発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比1.1%増の2,169.05億円、営業利益が同86.3%増の131.66億円。主力の電子事業は、パソコン市場の下げ止まりやデータセンターで使われるICパッケージ基板の需要拡大により、売上高が同11.4%増、営業利益が同8.5倍となった。
・通期会社計画は、売上高が前期比3.0%増の3,000億円、営業利益が同67.7%増の170億円。同社の前期実績における米インテル(INTC)への売上高は621億円で売上構成比が21.4%である。4/23にインテルの2020/12期1Q(1-3月)決算発表が予定される中、新型コロナウイルスの影響により在宅での仕事や学習がデータ通信量を増加させ、同社製品への需要を高めるものと期待されよう。
JTOWER(4485)
3,900 円(4/17終値)
・2012年設立。携帯キャリア各社単独で行われてきた基地局関連インフラ設備投資を一本化し、各社へシェアリングする通信インフラシェアリング事業を営む。日本電信電話(9432)が22.2%出資。
・2/5発表の2020/3期3Q(4‐12月)は、売上高が17.29億円、営業利益に減価償却費、暖簾償却額、および長期前払費用償却額を加算した額であるEBITDAが4.87億円、純利益が▲6,722万円。同社は2019/3期3Qに四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同期比は非開示である。
・通期会社計画を上方修正。売上高を前期比77.0%増の24.39億円(従来計画と同じ)、EBITDAを同3.6倍の6.00億円(従来計画:5.00億円)、当期利益を▲1.69億円(同:▲2.89億円)とした。携帯キャリアへの5G周波数の割当や第4の携帯キャリアの新規参入を背景とし、大型施設内の携帯インフラに係る共用設備の新規導入を加速化。日本の5G通信インフラ構築への貢献が注目されよう。
ニトリホールディングス(9843)
16,420 円(4/17終値)
・1972年設立。家具・インテリア用品の企画・販売などを行う。商品企画や原材料調達から製造・販売にとどまらず物流機能に至るまで全体としてプロデュースする「製造物流小売業」に特色がある。
・4/6発表の2020/2通期は、売上高が前期比5.6%増の6,422.73億円、営業利益が同6.6%増の1,074.78億円。主力の国内既存店は機能性寝具などが牽引。新型コロナウイルス感染拡大後の2020/3の売上高も前年同月比10.9%増。新生活需要で収納付きベッドなどの販売が好調だった。
・通期会社計画は、売上高が前期比1.7%増の6,532億円、営業利益が同4.4%増の1,122億円。同社は新型コロナウイルスの影響から国内既存店売上高の減収を想定するなか、同社の似鳥会長は「不況こそチャンス」と述べ、新規店舗数増による増収を見込む。ドル円相場を巡る環境が円高ドル安に傾きやすくなっており、円高に伴う仕入れコスト減が業績上振れをもたらす可能性もあろう。
ラチャブリ・グループ(RATCH)
市場:タイ 58. 75 THB(4/16終値)
・2000年設立のタイ大手電力会社。タイ王国発電公社が45%の筆頭株主。熱発電設備からなる発電所を運営する他、オーストラリアで風力・太陽光発電といった再生可能エネルギー事業を営む。
・2/19発表の2019/12通期は、燃料費を除く売上高が前期比6.0%増の156.68億THB、当期利益が同6.7%増の59.63億THB。オーストラリアの風力・太陽光発電および基本発電可用性に係る権利の増加が寄与し、燃料費を除く販売・サービス収入が同37.2%増の76.38億THBと好調に推移した。
・同社はタイのほか、オーストラリアやインドネシアで再生可能エネルギーを中心とした発電プロジェクトを2020-2024年の工事完了に向けて進行中であり、進行中プロジェクトの発電能力は既存の稼働プロジェクトの約21%が見込まれる。また、光ファイバーネットワークおよび関連設備を手掛ける企業への51%の出資を行うなど成長分野への投資を積極化。業績への貢献が期待されよう。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。