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【投資戦略ウィークリー 2020年3月30日号(2020年3月27日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

ライト工業(1926

1,287 円(3/27終値)

・1948年に仙台市で設立。技術力に定評がある専業土木工事(斜面・法面対策工事、基礎・地盤改良工事、補修・補強工事、環境修復工事)、一般土木工事、および建築・その他工事を営む。

・2/6発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比2.2%増の748.10億円、営業利益が同3.4%減の65.89億円。前期に多発した自然災害の復旧工事や官公庁発注の斜面・法面対策工事の受注増および施工が順調に進捗したことが増収に寄与したが、販管費の増加が響き営業減益。

・通期会社計画は、売上高が前期比0.2%増の1,030億円、営業利益が同1.0%増の98億円。2020年が「防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策」の最終年であるほか、2019/12に閣議決定された経済対策における災害からの復旧・復興の取り組みの事業規模が約7兆円。自然災害発生の時期に株価が上昇しやすい季節性があるなか、「麦藁帽子は冬に買え」の格言が参考となろう。

 

伊藤忠食品(2692)   

4,535 円(3/27終値)

・1918年設立。1982年に現親会社の伊藤忠商事(8001)と資本・業務提携し、現在の持株比率は50.7%。食料品卸売業として酒類・食品の卸売および商品の保管・運送などの関連事業を行う。

・1/30発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比1.8%減の5,186.28億円、営業利益が同6.8%減の36.43億円。組織小売業との取引深耕による取引増加が発生したものの主にビールの売れ行き不振が響き減収。販売管理費が同3.4%減となったが、粗利益の減少が響き減益だった。

・通期会社計画は、売上高が同4.9%増の7,000億円、営業利益が同16.3%増の47億円。既存中核事業の拡大・深耕として菓子卸のコンフェックスHDSとの協働やプリマハム2281への出資を行っている。新型コロナウイルス感染拡大に伴い東京都は週末の不要不急の外出を控えるほか平日も夜間の外出を控える呼びかけを行った。食料品などの買いだめの動きが出る懸念はあろう。

 

GLP投資法人3281   

114,400 円(3/27終値)

・物流施設の開発・運営等の国際的大手であるグローバル・ロジスティック・プロパティーズの日本法人をスポンサーとする物流施設特化型REIT。資産規模は物流施設特化型の中では最大規模。

・10/16発表の2019/8期(3-8月)は、営業収益が前期(2019/2期)比6.4%増の198.91億円、営業利益が同6.5%増の108.52億円、1口当たり分配金が同5.5%増の2.802円(内、利益超過分配金が294円)。ポートフォリオ全体の期末鑑定評価額が7.210.11億円、含み益率が23.4%に達した。

・2020/2期(2019/9-2020/2)の会社計画は、営業収益が前期(2019/8期)比5.5%減の187.89億円、営業利益が同9.6%減の98.11億円、1口当たり分配金が同8.3%減の2,570円(内、利益超過分配金が295円)。3/26終値での予想年分配金利回りは4.24%。ネット通販の新規拡張および3PL(サードパーティロジスティクス)事業拡大を背景に物流施設に係る需給は今後も逼迫が予想されよう。

 

日本証券金融(8511   

522 3/27終値

・1927年に東株代行として設立。金融商品取引業者や個人投資家、機関投資家に金銭や有価証券を貸付ける証券金融業のほか、信託銀行業および不動産賃貸業を行う。

・2/7発表の2020/3期3Q(4-12月)は、営業収益が前年同期比10.4%増の223.07億円、経常利益が同8.6%減の40.81億円。有価証券貸付料や現先取引収益などにより増収だったが、有価証券借入料や現先取引費用の増加により営業費用が同18.8%増となったことが響き経常減益となった。

・会社の通期業績予想は非開示だが、貸借取引残高等の前提条件のもとに算出した会社試算値は、経常利益が47.00億円(前期:50.46億円)、当期利益が33.00億円(前期:37.65億円)。4Q(1-3月)の東証売買代金が新型コロナウイルス感染拡大の影響による相場の変動率上昇を受けて前年同期比、前四半期比ともに増加。配当利回りおよびPBR(株価純資産倍率)が注目されよう。

 

チャロン・ポカパン・フーズ(CPF

市場:タイ    23.50  THB3/26終値)

・1978年設立。チャロン・ポカパン(CP)グループの中核を成す食品会社。鶏肉・豚肉・エビ・魚・卵・家鴨肉、加工冷凍食品などを主な製品とする。セブンイレブンを展開するCP ALLはグループ会社。

・2/21発表の2019/12通期は、売上高が前期比1.7%減の5,325.73億THB、当期利益が同18.8%増の184.56億THB、EBITDAが同20.2%増の475.51億THB。収益認識に係る新会計基準(TFRS15)の採用および通貨換算差損の計上の影響を除く調整後売上高は同8.1%増と実質増収増益だった。

・2020/12通期会社計画は、通貨換算差損益の影響を除く売上高が前期比5-8%増。タイ国内の豚肉と鶏肉価格の上昇、ASF(アフリカ豚熱)の流行による豚不足、および海外での水産物養殖の拡大が増収要因と考えられる。ASFの流行は豚肉の輸出機会であると同時に飼料輸出減少にも繋がる。同社はファイブスターなどフードサービスのチェーン店を拡大するなど小売り事業を強化中。

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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