【投資戦略ウィークリー 2020年3月23日号(2020年3月20日作成)】”銘柄ピックアップ”
■銘柄ピックアップ
横浜冷凍(2874)
867 円(3/19終値)
・1948年設立。水産品・農畜産品などについて冷蔵・冷凍保管事業、加工・販売・輸出入などの食品販売事業、および不動産賃貸等を行う。IR候補地の大阪(夢洲)や横浜に物流センターを所有。
・2/13発表の2020/9期1Q(10-12月)は、売上高が前年同期比15.5%減の316.67億円、営業利益が同5.0%減の11.56億円。畜産品を中心とした高い在庫水準が続き保管料収入が増加したが、食品販売事業における鮭鱒の国内在庫増による相場下落、およびカニの相場下落が響き減収減益。
・2020/9通期会社計画は、売上高が前期比2.2%減の1,430億円、営業利益が同13.1%増の54億円。中国でのアフリカ豚熱(ASF)のまん延を受けた食肉の前倒し輸入増加が続くことに加え、TPPやEPAの発効で関税が下がった食肉の輸入量増加を受けて冷蔵倉庫の不足が首都圏や横浜で目立つ。同社は東京向け荷物の需要を見込み、2020/2に茨城県つくば市に大型の冷蔵倉庫を開設。
富士フイルムホールディングス(4901)
4,794 円(3/19終値)
・1934年設立。写真や画像に係るイメージングソリューション、人々の健康(予防・診断・治療)に関わるヘルスケア&マテリアルズソリューション、および富士ゼロックス事業の3つを事業の柱とする。
・2/6発表の2020/3期3Q(4‐12月)は、売上高が前年同期比4.0%減の1兆7,283億円、営業利益が同4.2%減の1,516.35億円。メディカルシステム、バイオCDMO、および再生医療事業が伸長したが、フォトイメージング、光学・電子映像、およびドキュメント事業が伸び悩み減収減益となった。
・通期会社計画を下方修正。売上高を前期比2.5%減の2兆3,700億円(修正前:2兆4,350億円)、営業利益を同4.8%増の2,200億円(同:2,400億円)とした。3/17に中国科学技術省より同社傘下の富山化学が開発したアビガンの新型コロナウイルス感染治療への有効性を臨床研究で確認したと発表された。ライセンス供与先の中国製薬会社による後発医薬品の量産本格化が見込まれる。
ライドオンエクスプレスホールディングス(6082)
1,035 円(3/19終値)
・2001年設立。宅配寿司「銀のさら」や宅配御膳「釜寅」などの宅配事業を直営およびフランチャイズにてチェーン展開。提携レストランの宅配代行サービス「ファインダイン」を直営で運営する。
・2/14発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比2.8%増の155.49億円、営業利益が同42.4%増の9.92億円。電子ポイント「デリポイント」発行による利用機会の創出およびWEB注文促進に伴い販管費が嵩んだが、増収による粗利益増加および生産性の向上により増益を確保した。
・通期会社計画は、売上高が前期比2.4%増の210.06億円、営業利益が同50.2%増の15.57億円。新型コロナウイルス感染拡大の影響により在宅勤務が推進され学校が休校となるなか、料理宅配の堅調な注文の伸びが見込まれる。同社ウエブサイトによれば銀のさらの宅配寿司市場シェアは50.4%、釜寅の宅配釜飯市場シェアは78.7%(いずれも2017年実績)であり、恩恵が期待されよう。
任天堂(7974)
37,230円(3/19終値)
・1889年に花札製造で創業後、1947年にかるた・トランプ類の製造・販売で発足。コンピューター利用の「ゲーム専用機」を主な製品とする。株式会社ポケモンは持株比率32%の持分法適用会社。
・1/30発表の2020/3期3Q(4‐12月)は、売上高が前年同期比2.5%増の1兆226億円、営業利益が同19.5%増の2,629.30億円。有料オンライスンサービス(Nintendo Switch Online)の通年寄与に加え、Nintendo Switchのハード販売台数が同22.5%増、ソフト販売本数が同30.1%増と堅調に拡大。
・通期会社計画を上方修正。売上高は前期比4.1%増の1.25兆円で据え置きだが、営業利益を同20.1%増の3,000億円(修正前:2,600億円)とした。Nintendo Switch用のエクササイズゲーム「リングフィットアドベンチャー」は、新型コロナウイルスの影響で生産が遅れるなか、ジムで運動できずに自宅に籠らざるを得ない人々の手軽なフィットネス手段として世界的な需要の高まりが見込まれよう。
ユニリーバ・インドネシア(UNVR)
市場:インドネシア 6,050 IDR(3/18終値)
・1933年設立。イギリスとオランダが本拠地の消費財メーカーであるユニリーバの子会社。インドネシアを代表する日用消費財メーカー。家庭・パーソナル用品事業および食品・茶菓事業を営む。
・1/29発表の2019/12通期は、売上高が前期比2.7%増の42.92兆IDR、当期利益が同18.6%減の7.39兆IDR、EBITDAが同15.9%減の11.25兆IDR。2事業とも増収だったが、マーケティングおよび販売費用増、前期計上の商標権売却益の反動減、および固定資産売却損の計上により減益。
・インドネシアは2020年に中間層(家計当たり年間可処分所得が5,000USD超35,000USD以下)および富裕層(同35,000USD超)が人口の半分を超えると見込まれており、個人消費の伸びが加速し始める段階にあると考えられる。新型コロナウイルス感染拡大がインドネシア経済への下押し圧力になると予想されるが、同社の主力である家庭・パーソナル用品への需要への悪影響は限られよう。
- 上場有価証券等のお取引の手数料は、国内株式の場合は約定代金に対して上限1.265%(消費税込)(ただし、最低手数料2,200円(消費税込)、外国取引の場合は円換算後の現地約定代金(円換算後の現地約定代金とは、現地における約定代金を当社が定める適用為替レートにより円に換算した金額をいいます。)の最大1.10%(消費税込)(ただし、対面販売の場合、3,300円に満たない場合は3,300円、コールセンターの場合、1,980円に満たない場合は1,980円)となります。
- 上場有価証券等は、株式相場、金利水準等の変動による市場リスク、発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合の信用リスク、外国証券である場合には為替変動リスク等により損失が生じるおそれがあります。また新株予約権等が付された金融商品については、これらの権利を行使できる期間の制限等があります。
- 国内金融商品取引所もしくは店頭市場への上場が行われず、また国内において公募、売出しが行われていない外国株式等については、我が国の金融商品取引法に基づいた発行者による企業内容の開示は行われていません。
- 金融商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、お取引に際しては、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料をよくお読みください。
免責事項
- この資料は、フィリップ証券株式会社(以下、「フィリップ証券」といいます。)が作成したものです。
- 実際の投資にあたっては、お客様ご自身の責任と判断においてお願いいたします。
- この資料に記載する情報は、フィリップ証券の内部で作成したか、フィリップ証券が正確且つ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性又は完全性を保証したものではありません。当該情報は作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。この資料に記載する内容は将来の運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
- この資料を入手された方は、フィリップ証券の事前の同意なく、全体または一部を複製したり、他に配布したりしないようお願いいたします。
アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。