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【投資戦略ウィークリー 2020年3月9日号(2020年3月6日作成)】”銘柄ピックアップ”

 

■銘柄ピックアップ

TIS3626)   

6,510 円(3/6終値)

・1971年に東洋情報システムとして創業。2008年にインテックHDSとの合併に伴い設立。情報化投資に関わるアウトソーシング業務・クラウドサービス、ソフトウェア開発、ソリューションの提供を行う。

・2/6発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比5.3%増の3,190.09億円、営業利益が同20.3%増の301.03億円。金融業界のIT投資拡大の動きを受けて同業界向けの金融IT事業が堅調に推移したほか、エネルギー系や製造業系を根幹顧客とする産業IT事業も増収増益だった。

・通期会社計画は、売上高が前期比3.6%増の4,360億円、営業利益が同10.4%増の420億円。同社はキャッシュレス化に伴うIT投資が見込まれる決済分野でサービス型ビジネスの事業拡大に注力。トヨタグループのスマホ決済アプリ「TOYOTA Wallet」の構築を支援。また、アセアンでは2/25にシンガポールの配車サービス大手グラブと資本業務提携を行うなど成長分野投資が注目されよう。

 

テラスカイ(3915)   

2,806 円(3/6終値)

・2006年設立。SalesforceやAWS(Amazon Web Service)のクラウドシステムにおけるソリューション事業、およびSaaSベンダーとして国内外にクラウドサービスを提供する製品事業から構成される。

・1/14発表の2020/2期3Q(3-11月)は、売上高が前年同期比44.1%増の67.45億円、営業利益が前年同期の▲700万円から5.58億円へ黒字転換。ソリューション事業はSalesforceなどのクラウドサービス導入実績が累計4,000件突破。製品事業はグループウエアのmitocoの契約件数が伸びた。

・通期会社計画は、売上高が前期比36.6%増の89.60億円、営業利益が同4.0倍の4.98億円。新型コロナウイルス感染拡大の影響から在宅勤務のテレワークを採用する企業が増加。グループウエアのmitocoは、IoT技術を活用したリアルタイムの情報把握といった高機能化を実現。出勤時と変わらない業務効率を実現するコミュニケーション・プラットフォームとして需要拡大が見込まれよう。

 

みらかホールディングス4544   

2,645 円(3/6終値)

・臨床検査薬事業を営む富士レビオと受託臨床検査事業を行う業界首位のエスアールエルが2005年に経営統合して発足。両事業のほか滅菌関連事業や新規育成事業その他を手掛ける。

・2/10発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比4.9%増の1,418.46億円、営業利益が同26.6%減の83.49億円。全ての事業が増収だったが、臨床検査薬事業における大口契約終了と顧客開拓に伴う費用増、および新規育成事業における先行費用の拡大が響き営業減益となった。

・通期会社計画は、売上高が前期比5.3%増の1,910億円、営業利益が同19.4%減の118億円。新型コロナウイルスの医療機関でのPCR検査が3/6より保険適用されることを受け、エスアールエルが同検査を臨床検査として受託。また、尿一滴で癌の有無をスクリーニングする安価な線虫癌検査を手掛けるHIROTSUバイオサイエンスとの資本業務提携も今後の業績への貢献が期待されよう。

 

日本賃貸住宅投資法人(8986   

101,800 3/6終値

・2005年設立。大和証券グループ本社8601をスポンサーとする住居特化型J-REIT。2010年にプロスペクト・リート投資法人を吸収合併。2020/4に日本ヘルスケア投資法人3308と合併予定。

・11/19発表の2019/9期(4-9月)は、営業収益が前期(2019/3期)比2.5%増の84.60億円、営業利益が同3.1%増の38.34億円、1口当たり分配金が同2.5%増の2,040円。新規4物件(合計取得価格54.83億円)に対し、10物件(合計譲渡価格45億円)を売却。ポートフォリオの質向上に努めた。

・2020/3期会社計画は、営業収益が前期(2019/9期)比3.4%減の81.75億円、営業利益が同5.0%減の36.44億円、1口当たり分配金が同2.0%減の2,000円。日本ヘルスケア投資法人との合併により住宅・ヘルスケア施設の複合型REITとなる予定であり、ポートフォリオの安定化が図られよう。独自の日次稼働率予測システムで高稼働率を維持するなど内部成長への注力に特徴が見られる。

 

バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(BDMS

市場:タイ   22.90 THB3/5終値)

・1969年に設立。タイ最大の民間病院運営会社であり、同業では時価総額で世界トップ5に入る。留学経験のある質の高い医師や看護師を揃え、国内外の患者に最先端の医療サービスを提供。

・2/26発表の2019/12通期は、総営業収益が前期比7.0%増の837.74億THB、純利益が68.8%増の155.17億THB、一時的項目を除く調整後EBITDAが同5.8%増の185.79億THB。保険適用患者ベースの拡大、および緊急状態の患者の照会に係る「バンコク緊急サービス」が増収増益に貢献した。

・新型ウイルスの流行により、短期的には外国人患者が旅行を避けて治療を延期することが考えられるものの、長期的にはタイ国内における高齢化の進展や、地方における所得向上と保険適用者の増加によるヘルスケアへの需要増が見込まれよう。タイが世界有数の魅力的な医療ツーリズムの拠点としての地位を高めることで中東の富裕層などの海外からの外来患者数増加が見込まれよう。

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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