【投資戦略ウィークリー 2020年2月25日号(2020年2月21日作成)】銘柄ピックアップ
■銘柄ピックアップ
不二製油グループ本社(2607)
2,752 円(2/21終値)
・1950年に伊藤忠商事(8001)の出資により設立。油脂製品、製菓・製パン素材製品、大豆製品の製造販売を主として行う。触ってもべたつかないチョコレートの開発など独自の技術に定評がある。
・2/4発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比28.6%増の2,914.99億円、営業利益が同4.4%増の166.40億円。業務用チョコレート事業がブラジルの原材料調達の通貨安の影響などにより営業減益だったが、植物性油脂事業、乳化・発酵素材事業、大豆加工素材事業が営業増益。
・通期会社計画は、売上高が4,300億円、営業利益が255億円。在外連結子会社の決算期変更により前期比増減率は非開示。モスフードサービス(8153)が大豆をベースにした代替肉を使った植物性100%のハンバーガーを今夏に全国販売すると報じられたほか、食肉大手メーカーも家庭用植物肉市場に参入するなど、同社が開発に注力してきた大豆ミート市場の成長が期待されよう。
伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(3493)
130,200 円(2/21終値)
・2018/5に設立後、2018/9に上場。物流との親和性の高い生活消費関連ビジネスに強みを持つ伊藤忠商事をスポンサーとする物流施設REIT。千葉県の「アイミッションズパーク印西」が旗艦物件。
・9/13発表の2019/7期(2-7月)は、営業収益が前期(2019/1期)比32.1%増の17.18億円、営業利益が同9.9%増の8.10億円、利益超過を含む1口当たり分配金が2,311円。アイミッションズパーク印西とアイミッションズパーク守谷2を49.90億円で追加取得。取得価格合計は588.30億円となった。
・2020/1期は、営業収益が前期(2019/7期)比2.7%増の17.64億円、営業利益が同1.5%増の8.22億円、利益超過を含む1口当たり分配金が同2.4%増の2,366円。2/20終値ベースの予想年分配金利回りは3.78%。伊藤忠グループと同グループ顧客を中心としたテナントからの安定したキャッシュフローを強みとするほか、今後もEコマースの拡大が物流施設需要を下支えすると見込まれよう。
菱洋エレクトロ(8068)
1,925 円(2/21終値)
・1961年に三菱電機(6503)の半導体販売商社として設立。エレクトロニクス商社として、三菱電機製のほかインテル(INTC)、エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)などの外国製を取り扱う。
・11/28発表の2020/1期3Q(2‐10月)は、売上高が前年同期比17.6%増の813.00億円、営業利益が同43.2%増の16.47億円。デジタル家電向け半導体がアジア向けに増加したこと、および日本におけるWindows7サポート終了を控えた更新需要に伴うパソコン用ソフトウエア増加が寄与した。
・通期会社計画は、売上高が前期比11.9%増の1,050億円、営業利益が同51.1%増の19億円。同社の主な外国仕入先であるインテルやエヌビディアの決算では2019/10以降のデータセンター向けの半導体需要の堅調な増加が示されており、同社の業績への追い風が期待されよう。また、働き方改革や生産性向上への取り組みを背景にAIやIoT関連分野への需要拡大が見込まれよう。
イオンフィナンシャルサービス(8570)
1,779 円(2/21終値)
・1981年にジャスコ(現イオン(8267))の子会社として設立。イオングループの金融サービス事業を行う。4/1の事業会社化(従来は銀行持株会社)に伴い、決算期を3月末日から2月末日へ変更。
・2/14発表の2020/3期3Q(4-12月)は、営業収益が前期比9.8%増の3,561.20億円、営業利益が同17.3%減の431.39億円。政府が進めるキャッシュレス推進によって獲得した会員へのサービス強化が増収に寄与したが、アセアン・香港における貸倒引当金繰入額の増加などが響き減益となった。
・2020/2通期会社計画は、営業収益が4,300億円、営業利益が700億円。決算期変更により前期比増減率は非開示。政府の未来投資会議にてアジア各国との間の規格の相互乗り入れによる日本の統一QRコード(JPQR)の海外展開が成長戦略実行計画に盛り込まれた。アセアン諸国の商流およびお金の流れのデータを活用するうえで同社の役割の重要性が見直されるものと期待されよう。
アドバンスト・インフォ・サービス(ADVANC)
市場:タイ 206.0 THB(2/20終値)
・1986年創業のタイ最大規模の通信会社。同社の持株比率第2位のテマセクHDS(シンガポール政府所有の投資会社)は、同社の筆頭株主であるインタッチHDSの筆頭株主でもあり、経営に関与。
・2/6発表の2019/12通期は、売上高が前期比8.0%増の1,834.32億YHB、営業利益が同2.2%増の410.09億MYR、純利益が同4.6%増の310.51億MYR。2019/1より新たにタイ国営電話公社(TOT)からの電波塔の賃貸およびメンテナンス収入が追加されたことが増収増益に寄与した。
・2/16日に実施された5G向けの電波競売で、同社が56枠のうち最多の23枠を獲得。チャロン・ポカパン系のトゥルー・コーポレーションが17枠、テレノール(ノルウェー)系のトータル・アクセス・コミュニケーションは2枠だった。同社は観光地のパタヤ近くのウタパオ空港で5GおよびAIロボットの実証実験を始める予定。ロボットを使った目的地への案内などスマート空港としての開発が期待される。
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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部
笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。