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【投資戦略ウィークリー 2020年2月10日号(2020年2月7日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

星野リゾート・リート投資法人(3287)   

539,000 円(2/7終値)

・2013年設立。ホテル・旅館および付帯施設に対する投資を行うホテル特化型のREIT。主に星野リゾートグループの「星のや」、「星野リゾート 界」、「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランドに投資。

・12/16発表の2020/10期(5-10月)は、営業収益が前期(2019/4期)比2.7%増の60.86億円、営業利益が同2.7%増の33.30億円、1口当たり分配金が同1.5%増の13,174円。外部オペレーター物件は減収も星野リゾート物件が収益を堅持し、NOI(営業純利益)利回りが同0.2%ポイント上昇した。

・2020/4期会社計画は、営業収益は前期(2019/10期)比1.1%増の61.54億円、営業利益が同1.4%増の33.78億円、1口当たり分配金が同0.5%増の13,234円。訪日外国人の旅行者数および旅行消費額の増加基調が見込まれる中、星野リゾートグループの主要ブランドの下で経営難や後継者不足等に悩む既存旅館から経営を承継する事業モデルが利益率の持続的向上に寄与しよう。

 

メルカリ4385   

2,338 円(2/7終値)

・2013年設立。スマホに特化した個人間取引(CtoC)のためのマーケットプレイス「メルカリ」を運営。メルカリJP(日本)、メルカリUS(米国)、およびキャッシュレス決済の「メルペイ」の運営を手掛ける。

・2/6発表の2020/6期2Q(7-12月)は、売上高が前年同期比38.7%増の329.93億円、営業利益が前年同期の▲36.54億円から▲139.06億円へ赤字幅拡大。メルカリJPの調整後営業利益は同50.0%増と堅調に伸びたが、メルカリUSと2019/2に開始したメルペイの先行投資費用が拡大した。

・通期会社計画は非開示。メルペイ事業は、NTTドコモ9437との業務提携によるdポイント連携、およびOrigamiとの統合に伴う信金中央金庫との業務提携など、メルカリおよびメルペイを「スーパーアプリ」と位置付けてユーザー基盤の拡大を加速する戦略を進める。台湾やタイで人気のあるLINEに対し、メルカリUSの成長次第では米国を視野に入れたスーパーアプリとなる可能性もあろう。

 

マネックスグループ(8698   

258 2/7終値

・2004年設立。金融商品取引業、クリプトアセット事業、有価証券の投資事業を主要な事業とし、日本、米国およびアジア太平洋に主要拠点を有する。2018年にコインチェックを完全子会社化。

・1/31発表の2020/3期3Q(4-12月)は、営業収益が前年同期比3.8%減の385.75億円、純利益が同16.5%減の22.52億円。クリプトアセット事業の仮想通貨(暗号資産)取引増加によりトレーディング損益が同17.2%増と伸びたが、日本セグメントにおける委託手数料の減少が響き減収となった。

・通期会社計画は非開示。日本株に係る委託手数料への値下げ圧力が強まる一方、クリプトアセット事業では、ビットコインに係るブロックチェーンのマイニング報酬の半減が2020/5に予定されており、供給減少による相場上昇を予想した投資家の取引増加が期待されよう。コインチェックはbitFlyerと共に国内大手仮想通貨取引所としての地位を確立しつつあり、恩恵が期待されよう。

 

松屋フーズホールディングス(9887   

4,805 2/7終値

・1966年に創業後、1980年に会社設立。牛めし・カレー・各種定食等を提供する和風ファーストフード店「松屋」、とんかつ専門店「松のや」を2本柱として展開。2018/10に持株会社体制に移行。

・11/7発表の2020/3期3Q(4-12月)は、売上高が前年同期比8.7%増の795.99億円、営業利益が同60.1%増の48.27億円。既存店売上高が同5.3%増となったほか、新規出店が増収に寄与した。FLコスト(売上原価と人件費の合計)の売上高比率が同0.8%ポイント改善したことが増益に貢献した。

・通期会社計画は、売上高が前期比6.1%増の1,041.00億円、営業利益が同42.9%増の55.50億円。「ごろごろ煮込みチキンカレー」などの期間限定メニューの復刻販売や「創業ビーフカレー」などの商品企画が好調なことに加え、店舗改装の設備投資に伴うキャッシュレス化やセルフサービス化による運営オペレーションの改善が進展中。これらが業績向上を後押しすると期待されよう。

 

IHHヘルスケア(IHH

市場:マレーシア   5.77 MYR2/6終値)

・時価総額でアジア最大の民間病院の持ち株会社。三井物産が32.92%の持株比率の筆頭株主。マレーシア、シンガポール、トルコ、インド、中国ほか11ヵ国で15,000超の病床を80の病院で運営。

・11/29発表の2019/12期3Q(1-9月)は、売上高が前年同期比32.5%増の110.76億MYR、EBITDAが同37.8%増の24.16億MYR。既存施設運営からの増収のほか2017年開業の香港の病院が増収に寄与。その一方、調整後純利益は同8.0%減の6.30億MYR。インドの病院買収関連費用が響いた。

・インドでは2018/11のフォルティス買収以降の患者数急増により業績が改善し、トルコでは非トルコリラ建て債務の削減に伴い7-9月の為替換算損益が前年同期の赤字から黒字転換。今後は2019/10に開業した成都、および現在建設中の上海といった中国事業の進展が期待される。三井物産(8031)はアジアでの医療データビジネスを検討する方針であり、同社の重要性が高まろう。

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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