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【投資戦略ウィークリー 2019年10月28日号(2019年10月25日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

はごろもフーズ(2831   

2,600円(10/25終値)

・1931年に鮪油漬缶詰事業を創業後、1947年に設立。1958年に製品名「シーチキン」を商標登録。缶詰類・パスタ・包装米飯・かつお削り節・のりなどの製造販売を行う食品事業を手掛ける。

・8/14発表の2020/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比3.3%増の209.78億円、営業利益が同8.5%増の7.03億円。売上構成比46%を占める主力のツナ製品の売上高が同8.5%増だったこと、および粗利益率が高い新製品の売上好調と広告宣伝費の減少などが増収増益に寄与した。

・通期会社計画は、売上高が前期比0.6%増の804億円、営業利益が同21.8%増の19億円。サバ缶ブームに押されがちではあるが、同社は油を使用しない「オイル不使用シーチキン」などの新製品が好調。海水温の変動による主原料のビン長鮪の価格高騰も10/1出荷分より値上げにより吸収。災害時避難食の缶詰需要増も見込めよう。10/15に就任した後藤社長の手腕に期待。(笹木)

 

サイバネットシステム(4312   

779円(10/25終値)

・1985年にスーパーコンピュータのパイオニアである米コントロール・データ社(CDC)の日本法人がサイバーネットサービス事業を分離独立させ設立。ソフトウェアおよび技術サービスによるソリューションサービス事業を行っている。CAE(Computer Aided Engineering)のリーディング・カンパニー。

・8/7発表の2019/12期1H(1-6月)は、売上高が前年同期比9.8%増の117.98億円、営業利益が同55.0%増の16.24億円、純利益が同10.1%増の10.49億円。CAEソリューションサービス、ITソリューションサービスがともに好調に推移。米国の開発子会社やアジアの販売子会社も売上を伸ばした。

・10/24に通期会社計画を上方修正。売上高を前期比8.0%増の213.00億円(従来計画:200.00億円)、営業利益を同31.8%増の19.80億円(同:15.20億円)、当期利益を12.50億円と前期の▲6.56億円から黒字転換(同:9.58億円)とした。年間配当予想も15.38円から20.06円に引き上げ。(増渕)

 

中外製薬(4519   

8,790円(10/25終値

・1925年創業、1943年に会社設立。2002年よりスイスのロッシュグループの子会社となった。医薬品の研究、開発、製造、販売および輸出入を行う。医療用医薬品に特化。バイオ・抗体医薬品の国内リーディング・カンパニーで、がん領域製品および抗体医薬品では国内売上高トップシェア。

・10/24発表の2019/12期3Q(1-9月)は、売上収益が前年同期比19.3%増の5,088.51億円、営業利益が同64.3%増の1,608.78億円、純利益が同61.7%増の1,145.88億円。新製品・主力品の貢献や輸出の伸びにより、製品売上高は二桁増。ヘムライブラの寄与でロイヤルティ等収入も増加した。

・通期会社計画を上方修正。売上収益を前期比17.3%増の6,800億円(従来計画:5,925億円)、コア営業利益を同67.3%増の2,180億円(同:1,430億円)、コアEPSを同71.2%増の302円(同:198円)とした。年間配当予想を未定としたため、48.5%としていたコア配当性向は未定となった。(増渕)

 

東京製鐵(5423)   

871円 (10/25終値)

・1934年設立の電炉メーカー。鋼塊、各種鋼材、特殊鋼、鐵鋼製品の製造・販売を行う。電炉法のパイオニアで、大型直流電気炉やシャフト式電気炉電炉法などを開発。小型形鋼・異形棒鋼の他、H形鋼・鋼矢板、ホットコイル・縞コイル・酸洗コイル・溶融亜鉛メッキコイルなども生産している。

・10/24発表の2020/3期1H(4‐9月)は、売上高が前年同期比1.0%減の959.17億円、営業利益が同7.6%増の77.31億円、純利益が同8.9%増の73.23億円。主原料である鉄スクラップ価格が続落した一方、製品出荷単価の値下がりが主原料の値下がり以下に留まったため利益率が改善した。

・通期会社計画を上方修正。営業利益を前期比12.6%減の140億円(従来計画:130億円)、当期利益を同15.8%減の130億円(同:115億円)とした。売上高については、同11.6%減の1,830億円(同:2,000億円)と引き下げた。発行済株式数の5.06%を上限とする自社株取得も発表。(増渕)

 

トプコン(7732   

1,474円(10/25終値)

・1932年設立。測量・建設・3D計測のスマートインフラ事業、GPS測位技術によるICT自動化土木施工・IT農業のポジショニング事業のほか眼科医療・診断スクリーニングのアイケア事業を手掛ける。

・7/31発表の2020/3期1Q(4‐6月)は、売上高が前年同期比2.0%減の327.47億円、営業利益が同47.0%減の10.09億円、純利益が前年同期の4.92億円から▲3.75億円の赤字転落。研究開発費増により営業減益だったほか、子会社株式売却による特別損失計上が響き純利益は赤字となった。

・通期計画は、売上高が前期比3.6%増の1,540億円、営業利益が同6.6%増の145億円、当期利益が同22.2%増の80億円。ポジショニング事業は建設ICTで自動ショベルシステムの販売が本格化。スマートインフラ事業は「i-Construction」実施件数が国・都道府県共に公共工事で増加基調。先行投資を伴いつつ中国向け販売が伸長しているアイケア事業の動向が注目される。(笹木)

 

松屋フーズHD9887   

4,155円(10/25終値)

・1966年に個人経営の中華飯店「松屋」として創業。1980年に会社設立。飲食事業を行う。牛めし・カレー・各種定食等を提供する和風ファーストフード店「松屋」、とんかつ専門店「松のや」を2本柱として展開。新業態の開発や海外展開、M&Aなども行っている。2018/10に持株会社体制に移行。

・10/23発表の2020/3期1H(4-9月)速報値は、売上高が前年同期比9.2%増の520億円、営業利益が同2.1倍の31.50億円、純利益が同88.8%増の18.50億円。販促策として投入した「創業ビーフカレー」、「ビビン丼」、「うな丼」、「お肉どっさりグルメセット」が好調推移。会社計画を上回って着地。

・通期会社計画は、売上高が前期比6.0%増の1,040.50億円、営業利益が同6.8%増の41.50億円、当期利益が同0.1%増の22.00億円。5/8公表の内容を据え置いたが上振れ余地もありそうだ。既存店売上高は14ヵ月連続で前年を上回って推移。特に客単価の改善が続いている。(増渕)

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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