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【投資戦略ウィークリー 2019年10月21日号(2019年10月18日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

ドトール・日レスホールディングス(3087   

2,180円(10/18終値)

・2007年に日本レストランシステムとドトールコーヒーの経営統合に伴い持株会社として設立。コーヒーの焙煎加工・販売および多業態の飲食店経営を主力事業としている。「ドトールコーヒーショップ」、「エクセルシオールカフェ」のほか「星乃珈琲店」、「洋麺屋五右衛門」などのブランドを展開。

・10/15発表の2020/2期1H(3-8月)は、売上高が前年同期比1.1%増の669.08億円、営業利益が同7.1%増の62.47億円、純利益は同3.3%増の38.74億円。ドトールコーヒーショップやエクセルシオールカフェで新商品導入に注力。洋麺屋五右衛門など既存業態のブラッシュアップも寄与した。

・通期会社計画は、売上高が前期比3.2%増の1,333.15億円、営業利益が同5.7%増の107.21億円、当期利益が同9.9%増の65.03億円。4/12公表の内容を据え置いた。併せて増配も発表。年間予想配当金を32.00円から34.00円に引き上げた。商品力や新規出店を強化する方針だ。(増渕)

 

大日本住友製薬(4506   

1,785円(10/18終値)

・1897年設立の大阪製薬が前身。2005/10に住友製薬と合併し、住友化学4005が51.6%所有の親会社となった。北米の売上収益構成比が50%を超える。抗精神病、抗がん、再生細胞に重点。

・7/29発表の2020/3期1Q(4-6月)は、売上収益が前年同期比1.4%増の1,174.84億円、営業利益から非経常項目を除外したコア営業利益が同20.9%増の222.75億円。コアセグメント利益は、日本が同23.0%減だったものの、主力の北米が同18.0%増、中国が同68.3%増と海外事業が貢献。

・通期会社計画は、売上収益が前期比3.4%増の4,750億円、コア営業利益が同0.4%減の770億円。東京医科歯科大学などのチームが、ヒトiPS細胞から肝臓や膵臓につながった「ミニ多臓器」を作ることに世界で初めて成功したと9/26に発表。同社はiPS細胞の大量製造技術に強みを持ち再生細胞医薬品を積極的に開発してきており、中長期的スタンスで成果を期待できよう。(笹木)

 

塩野義製薬(4507   

6,078円(10/18終値)

・1878年創業。医薬品、臨床検査薬・機器の開発・製造・販売などを行う。代謝性疾患、疼痛、感染症を重点領域と位置づけ、高コレステロール血症治療薬「クレストール」、高血圧症治療薬「イルベタンファミリー」、抗うつ薬「サインバルタ」などを提供する。HIV感染症治療薬「テビケイ」も展開。

・7/29発表の2020/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比10.5%減の792.25億円、営業利益が同4.7%増の289.57億円、純利益が同23.4%減の244.18億円。戦略的事業投資の反動で研究開発費が減少したものの、ヴィーブ社からの受取配当金の減少や為替変動により最終減益となった。

・通期会社計画は、当期利益が前期比0.2%増の1,330億円。米食品医薬品局の諮問委員会は10/16、抗菌薬「セフィデロコル」を複雑性尿路感染症の治療向けに承認するよう勧告。抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」についても、国内で感染症予防の効能・効果の追加申請を行った。(増渕)

 

東光高岳(6617   

1,190円(10/18終値)

・2012/10に高岳製作所と東光電気の共同株式移転により設立され、2014/4に経営統合。東京電力パワーグリッドが34.8%の筆頭株主。電力機器事業および計量事業などを主な事業とする。

・7/29発表の2020/3期1Q(4-6月)は、売上高が前年同期比4.8%減の191.50億円、営業利益が前年同期の7,600万円から▲3.88億円へ赤字転落。計量事業におけるスマートメーターの売上高減少が響き減収・営業赤字転落。同社の売上が4Q(1-3月)に集中しやすい季節的変動に要注意。

・通期会社計画は、売上高が前期比6.7%増の970億円、営業利益が同26.9%減の20億円。国の想定した基準を超える台風接近が相次ぎ気候変動リスクが意識される中、再生可能エネルギーを含めた分散型エネルギー関連設備、および大規模停電への対応に係る既設老朽化設備など国内電力インフラ増設・更新需要が追い風となろう。低PBR銘柄として株価の割安感も要注目。(笹木)

 

ネットワンシステムズ(7518)   

2,934円(10/18終値)

・1988年設立。情報インフラや戦略的なICT利活用を実現するノウハウを提供する。特定の機器メーカーに属さないマルチベンダー。プライベートクラウドの構築やマルチクラウド閉域網接続サービス「クラウドHUB」、SD-WANによる接続、クラウドシステムを横断したサイバー攻撃対策など手掛ける。

・10/17発表の2020/3期1H(4-9月)速報値は、売上高が前年同期比9.8%増の885億円、営業利益が同41.8%増の70億円、純利益が同51.1%増の50億円。セキュリティ対策およびクラウド基盤ビジネスが堅調に推移。下半期に予定していた一部案件の売上が前倒しされ、従来計画を上回った。

・通期会社計画は、売上高が前期比3.1%増の1,875億円、営業利益が同15.3%増の150億円、当期利益が同14.4%増の102億円。4/25公表の内容を据え置き。10/24に1H決算発表を予定。同社はパロアルトネットワークスPANWよりJapan Partner Of The Year 2019を4年連続で受賞。(増渕)

 

東宝(9602)   

4,590円(10/18終値)

・1932年に東京宝塚劇場として創業。東横映画劇場の合併を経て1937年に会社設立。映画事業、演劇事業、不動産事業、およびその他事業を行う。東宝スタジオは創立以来、「七人の侍」をはじめとする黒澤監督作品や「青い山脈」「駅」など、日本映画を代表する名作を産み出してきた。

・10/11発表の2020/2期1H(3-8月)は、営業収入が前期比8.3%増の1,440.58億円、営業利益が同32.8%増の335.39億円、純利益が同35.8%増の228.85億円。主力の映画事業では、新海誠監督作品「天気の子」がメガヒットを記録。その他、多数の話題作や定番アニメ作品の配給も寄与した。

・通期会社計画を上方修正。営業収入を前期比3.1%増の2,540億円(従来計画:2,500億円)、当期利益を同14.2%増の345億円(同:315億円)とした。下半期には前記配給作品の他、「アナと雪の女王2」、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」などの話題作を上映する予定。(増渕)

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

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