【米国ウィークリー 2020年12月29日号(2020年12月28日作成)】“来年のキーワードは「4つのシフト」”

 

ドル安・コモディティ・新興国・新興企業へのシフト

  •  新型コロナウイルス感染に見舞われた2020年も残り僅かとなった。12/25現在、今年のダウ平均株価の安値は3/23に付けた18,213ドル、同高値は12/18に付けた30,343ドル。平均値24,278ドルに対し上下6,065ドル(平均値に対し上下0%)の変動幅を持った価格帯を推移した。この24,278ドルは、時を遡れば2017年12月上旬にトランプ政権による税制改革成立を直前に控えた時期の価格帯でもある。来月1/5にジョージア州で上院選決選投票が控えており、民主党候補が2議席を占めて米上下院および大統領ともに民主党が制することとなった場合、同価格は次期政権が公約に掲げる増税のリスクが市場で早晩意識され、調整による下落局面があった場合の下値の目処となる可能性があろう。
  •  来年以降の株式相場を展望する際のキーワードは、①FRBの金融緩和に伴うドル安シフト、②商品相場に注目のコモディティ・シフト、③ドル安に伴い緩和マネーが新興国に流入する新興国シフト、④ハイテク・グロース株でGAFAなど大型企業より新興企業が物色される新興企業シフトの「4つシフト」が挙げられる。
  •  「ドル安シフト」では、FRBのバランシート拡大により米国が緩和マネー供給源となり、新興国市場に流出しやすい構造・傾向が生まれよう。2013年以降は「円キャリートレード」を通じ日銀が異次元金融緩和により緩和マネーを主に米市場に供給する役割を担っていたなか、逆にFRBが緩和マネーを供給する側に立つことによるマネー潮流の変化が示唆される。「コモディティ・シフト」では、温暖化ガス排出量削減に向けた電気自動車(EV)やグリーンエネルギー・インフラ建設の推進に伴う非鉄金属や貴金属の価格高騰が見込まれる。それに加え、温暖化に伴う異常気象や天災の頻発、および人口増を続ける新興国の所得水準と消費・食生活の変化が水や食糧不足を招き、穀物価格などを押し上げよう。
  •  また、GAFAなど少数大手ハイテク企業を中心に米国に時価総額が偏った構造は、一方では、ドル安によって投資資金が相対的に所得水準の低い新興国に流入する「新興国シフト」による所得格差縮小の方向に変化することが考えられる。2000年から2008年までの金融市場は、商品価格高騰を背景にBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)ブームに湧いたことが想い起される。次の新興国ブームはインドやアフリカ諸国ほか人口の多い国が主役となる可能性があろう。他方、反トラスト法規制により、ハイテク企業の中でも大手企業よりも新興企業が買われやすい「新興企業シフト」が見られることが考えられよう。(笹木)
  • 12/29号では、フリーポート・マクモラン(FCX)、フェデックス(FDX)、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)(PG)、ターゲット(TGT)、Unity Software Inc(U)、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)を取り上げた。

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率12/24現在)

主な企業決算の予定

12月29日から1月4日までの該当銘柄はございません。

 

■主要イベントの予定

  • 1230日(水)

・米卸売在庫(11月)、中古住宅販売成約指数(11月)

 

  • 1231日(木)

・米債券市場が短縮取引、英EU離脱移行期間が終了、米新規失業保険申請件数(26日終了週)

 

  • 11日(金)

・米国・欧州・中国・香港市場休場

・米ア ップル、「アップルストア」で新手数料適用

 

  • 14日(月)

・米シカゴ連銀総裁・クリーブランド連銀総裁が講演、アトランタ連銀総裁がパネル討論会参加、「OPECプラス」閣僚級会合

・米建設支出(11月)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 

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アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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