【米国ウィークリー 2020年12月22日号(2020年12月21日作成)】“FOMC、およびヘッジファンドのネット・エクスポージャー”

 

■”FOMC、およびヘッジファンドのネット・エクスポージャー

  •  12/15-16に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、FRB(連邦準備制度理事会)が長期金利の上昇を抑えるために長期国債買い入れ枠を増額するかに注目が集まっていたなか、月額1,200億ドル規模の現状の債券買い入れを維持するにとどまった。この点は以下の2点を示唆するものと考えられる。
  •  先ず、長期金利を現状よりも強く抑制することは考えていない可能性があるという点である。「名目金利=実質金利+期待インフレ率」であることから、期待インフレ率が上昇する場合であっても名目金利上昇を抑制すれば実質金利の低下によりグロース株が復活しやすくなる面も出てくるが、その可能性はやや遠のいたかも知れない。12/21にテスラTSLAがS&P500構成銘柄となった後のナスダック総合指数の動きは要注意だろう。その一方、世界経済の全般的な商品価格動向とインフレを示す先行指標とされる「S&P500 GSCIトータルリターン指数」のS&P500株価指数に対する倍率が5倍台と過去最低水準にとどまるなか、同倍率は過去に、1973-74年の石油ショックや90年の湾岸危機、2008年のリーマンショック直前に7-9倍台まで上昇している。グローバル投資資金が「コモディティ・シフト」の様相を強める展開になることが考えられよう。
  •  次に、債券買い入れの規模を維持することにより、FRBのバランスシートの対GDP比率は着実に上昇するとみられることから、基軸通貨である米ドル安を通じて法定通貨の価値が相対的に毀損されることを意味する。その一方、「デジタル・ゴールド」と称される暗号資産のビットコインは発行上限枚数が2,100万枚となるように設計され、今年5月の「半減期」に増加した発行枚数は、従来の累計1,575万枚に対し上限までの残枚数の半分となる262万5千枚にとどまりった。また、マイニング報酬も半減することで供給減が期待される。そのため、決済大手のペイパル・ホールディングスPYPLの新規参入といった需要増の要因があることで一気に需給がタイトとなって価格が上昇しやすくなると言えるだろう。
  •  なお、12/4発表のゴールドマン・サックス・グローバル・インベストメント・リサーチのデータによれば、ヘッジファンドのエクイティへの配分比率を表すネット・エクスポージャーが2017年12月に82%近辺まで上昇後、2019年前半に55%近辺まで下落。そして今年12月に17年12月を超えて85%近辺まで上昇しており、ビットコインの価格動向と類似している。これらは、3年単位で見た場合、投資家のリスクテイクが行き過ぎている可能性を示唆している面があろう(笹木)
  • 12/22号では、カプリ・ホールディングス(CPRI)、データドッグ(DDOG)、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)、マイクロン・テクノロジー(MU)、ニューコア(NUE)、携程旅行網[トリップドットコムグループ](TCOM)を取り上げた。

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率12/18現在)

■主な企業決算の予定

  • 1222日(火)カーマックス、シンタス
  • 1223日(水):ペイチェックス

 

■主要イベントの予定

  • 1222日(火)

米GDP(3Q)中古住宅 販売件数(11)、消費者信頼感指数(12月)

 

  • 1223日(水)

・バー米司法長官退任

米新規失業保険申請件数(19日終了週)個人所得・支出 (11月)、耐久財受注 (11月)、FHFA住宅価格指数 (10月)、新築住宅販売件数 (11月)、ミシガン大学消費者マインド指数 (12月)

 

  • 1224日(木)

米株式・債券市場が短縮取引

 

  • 1225日(金)

米国、欧州、香港休場 (クリスマス)

 

  • 1228日(月)

・ダラス連銀製造業活動(12月)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 

PDF版

 

留意事項
  1. 上場有価証券等のお取引の手数料は、国内株式の場合は約定代金に対して上限1.265%(消費税込)(ただし、最低手数料2,200円(消費税込)、外国取引の場合は円換算後の現地約定代金(円換算後の現地約定代金とは、現地における約定代金を当社が定める適用為替レートにより円に換算した金額をいいます。)の最大1.10%(消費税込)(ただし、対面販売の場合、3,300円に満たない場合は3,300円、コールセンターの場合、1,980円に満たない場合は1,980円)となります。
  2. 上場有価証券等は、株式相場、金利水準等の変動による市場リスク、発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合の信用リスク、外国証券である場合には為替変動リスク等により損失が生じるおそれがあります。また新株予約権等が付された金融商品については、これらの権利を行使できる期間の制限等があります。
  3. 国内金融商品取引所もしくは店頭市場への上場が行われず、また国内において公募、売出しが行われていない外国株式等については、我が国の金融商品取引法に基づいた発行者による企業内容の開示は行われていません。
  4. 金融商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、お取引に際しては、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料をよくお読みください。

 

免責事項
  1. この資料は、フィリップ証券株式会社(以下、「フィリップ証券」といいます。)が作成したものです。
  2. 実際の投資にあたっては、お客様ご自身の責任と判断においてお願いいたします。
  3. この資料に記載する情報は、フィリップ証券の内部で作成したか、フィリップ証券が正確且つ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性又は完全性を保証したものではありません。当該情報は作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。この資料に記載する内容は将来の運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
  4. この資料を入手された方は、フィリップ証券の事前の同意なく、全体または一部を複製したり、他に配布したりしないようお願いいたします。

アナリストのご紹介 フィリップ証券リサーチ部

笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家や投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

アセアン・米国株、個別銘柄のリサーチレポート承ります
世界経済のけん引役と期待されるアセアン(ASEAN:東南アジア諸国連合)。そのアセアン各国で金融・証券業を展開し、マーケットを精通するフィリップグループの一員である弊社リサーチ部のアナリストが、市場の動向を見ながら、アセアン主要国(シンガポールタイマレーシアインドネシア)の株式市場を独自の視点で徹底解説します。

レポート・コメント提供の他、メディア出演依頼等はこちらから。お気軽にご連絡下さい。

 

お知らせ

 

フィリップ証券では現在中途中途採用を募集しております