【米国ウィークリー 2020年7月28日号(2020年7月27日作成)】”米国経済とGAFAの転機となり得る重要週か?”

 

”米国経済とGAFAの転機となり得る重要週か?

  •  ドルインデックス終値が7/23に692まで低下し、3/9の94.895の年初来安値を更新した。今年3月下旬以降はドルインデックスの低下がリスクオフ時における安全資産のドル買い需要の低下として、株価が上昇するリスクオン相場を伴う場合が多かったが、7/23および7/24は米国主要株価指数が前日比で下落する一方、CMXの金先物価格の上昇を伴っていた。ヒューストンの中国総領事館閉鎖を契機とした米中関係悪化を懸念した買い要因もあるが、それ以上に、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利マイナス幅拡大に伴うインフレ懸念に対応した金価格上昇という側面が注目される。7/23実施の10年物インフレ指数連動債(TIPS)の入札は利回りが▲0.930%と過去最低を更新した。
  •  名目金利の上昇を抑えるためにFRBがバランスシートを拡大して長期国債の買付を一層強化すれば株式市場への好影響が期待されるなか、それを占う上でも7/29のFOMC後の声明およびパウエル議長記者会見が注目される。7/30には週次の新規失業保険申請件数とともに4-6月のGDPが発表される。7/23に発表された新規失業保険申請件数は前週比で4ヵ月ぶりの減少となった。雇用およびGDPの数値も良くない場合には実質金利マイナス幅が縮小し、リスクオフに伴う安全資産のドル買いへ回帰する可能性もあろう。ただし、トランプ大統領が11月上旬の大統領選挙を控え、10月下旬発表の7-9月GDPで景気回復の成果を上げるためには、4-6月GDPの結果が悪ければ思い切った景気対策が必要となろう。7月中の成立を目指す新型コロナウイルス追加対策がより大規模になる可能性もあることからバランスシート拡大加速にとどまらずイールドカーブ・コントロールにより長期金利上昇を抑制することがFRBに求められるかも知れない。
  •  また、7/29、7/30にはGAFAの巨大IT4企業の4-6月決算発表が予定されている。米議会下院の司法委員会が反トラスト法調査を巡る公聴会を7/29に開くと発表しており、GAFAの4企業の経営トップが出席予定である。中でも司法省は自社の検索・閲覧ソフトを標準設定してもらう排他的な契約をスマホのメーカーと結んでいるとしてグーグルを問題視していると伝えられているなか、ITプラットフォーマー企業を巡る規制強化の動きが本格化すれば、これらの企業が巨大な時価総額を擁することから株式市場への影響は避けられないだろう。調整局面があるとすれば押し目買いの良い機会と捉えることもできよう。(笹木)
  • 7/28号では、アボット・ラボラトリーズ(ABT)、IBM(IBM)、コカ・コーラ(KO)、ネットフリックス(NFLX)、台湾積体電路製造(TSM)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を取り上げた。

 

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率7/24現在)

 

■主な企業決算の予定

  • 728日(火)ビザスターバックス、モンデリーズ・インターナショナル、ファイザー3Mマクドナルド、アムジェン、レイセオン・テクノロジーズ、アルトリア・グループ、デクスコム、イーベイ、マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
  • 729日(水)クアルコムペイパル・ホールディングスフェイスブック、ゼネラル・モーターズ(GM)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ボーイング、ゼネラル・ダイナミクス、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ、オライリー・オートモーティブ、サーナー、オートマチック・データ・プロセシング(ADP)、ラムリサーチ
  • 730日(木)アップルギリアド・サイエンシズアマゾン・ドット・コムアルファベット、フォード・モーター、イーライリリー、コムキャスト、コノコフィリップス、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、サザン、アメリカン・タワー、クラフト・ハインツ、マスターカード、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、シアトル・ジェネティクス、エレクトロニック・アーツ、メルカドリブレ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、エクスペディア・グループ、ザイリンクス、シリウスXMホールディングス、エクセル・エナジー、アレクシオン・ファーマシューティカルズ
  • 731日(金)メルク、コルゲート・パルモリーブ、チャーター・コミュニケーションズ、デュポン・ド・ヌムール、エクソンモービルシェブロンアッヴィキャタピラー、アイデックスラボラトリーズ
  • 83日(月): アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、バークシャー・ハサウェイ、リバティ・グローバル、テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア、KLA

 

■主要イベントの予定

  • 7月28日(火)

・米FOMC(29 日まで)、主要20都市住宅価格指数 (5月)、消費者信頼感指数 (7月)

 

  • 7月29日(水)

FOMC声明発表および 議長記者会見、卸売在庫 (6月)、中古住宅販売成約指数 (6月)

 

  • 7月30日(木)

米新規失業保険申請件数 (725日終了週)GDP (2Q)

 

  • 7月31日(金)

米個人所得 (6)、個人支出 (6)、雇用コスト指数 (2Q)、ミシガン大学消費者マインド指数 (7)

 

  • 8月3日(月)

ISM製造業景況指数(7)、マークイット米国製造業PMI(7月)、建設支出(6月)

 

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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