【米国ウィークリー 2020年7月14日号(2020年7月13日作成)】”米国株式市場の「牙の男」とは?”

 

”米国株式市場の「牙の男」とは?

  •  牙(きば)を英語で”fang”と言う。①フェイスブックFB、②アップルAAPL、③ネットフリックスNFLX、④グーグルの持株会社であるアルファベットGOOGL、⑤マイクロソフトMSFT、⑥アマゾンドットコムAMZN、⑦エヌビディアNVDAの7銘柄を称して「牙の男(FANGMAN)」と言う場合がある。これに、⑧テスラTSLAを入れた8銘柄の動向が現在の米国株式市場の趨勢を方向付けているように見受けられる。
  •  7/10終値の時価総額は、FANGMANの7銘柄で12兆ドル(762兆円相当)に達した。FANGMANの7銘柄は全てS&P500株価指数構成銘柄であり、7銘柄のS&P500における時価総額構成比は7/10終値で25%に達した。また、①-⑧はすべてナスダック総合指数の構成銘柄であり、その内、マイクロソフトを除く7銘柄がNYSE FANGプラス指数の構成銘柄である。なお、NYSE FANGプラス指数はこれらの7銘柄のほかにはツイッターTWTRアリババ集団BABAバイドゥBIDUの3銘柄を含んでいる。ナスダック総合指数終値が年初来安値を付けた3/23を100とした相対指数で見ると、7/10終値はナスダック総合指数が143.7、フィラデルフィア半導体指数が140.55であるのに対し、NYSE FANGプラス指数が165.3と伸びた。同指数の構成銘柄の株価上昇が特に際立っていたことが示されていると言えよう。
  •  更に、上記8銘柄の7/10終値での50日移動平均線からのプラス乖離率を見ると、テスラが0%、アマゾン・ドット・コムが23.9%、ネットフリックスが23.3%、エヌビディアが18.7%、アップルが14.7%、マイクロソフトが12.1%、アルファベットが8.7%、フェイスブックが8.2%とバラつきが見られるが、全銘柄がS&P500株価指数の乖離率5.0%を上回り、アルファベットとフェイスブックを除く6銘柄がナスダック総合指数の乖離率10.5%を上回っている。短期的な過熱感を伴って上昇した銘柄が牙を剥いて調整下落に転じるリスクには要注意だろう。
  •  このような上昇基調がこれからも続くのだろうか。まず、ナスダック総合指数の対S&P50指数の倍率の長期的推移では、7/9に、ドットコム・バブルと呼ばれた2000年3月以来の高水準である34倍となった。これは同月に付けた最高倍率3.62倍まで僅かの余地を残すのみである。また、7/6に資産運用世界最大手のブラックロックが米国株をオーバーウエイトから中立へ1ランク引下げる週次コメンタリーを発表した。4-6月決算発表後の株価動向が注目されよう。(笹木)
  • 7/14号では、オートマチック・データ・プロセシング(ADP)、Datadogs Inc(DDOG)、レナー(LEN)、マイクロン・テクノロジー(MU)、シノプシス(SNPS)、スプランク(SPLK)を取り上げた。

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率7/10現在)

■主な企業決算の予定

  • 7月14日(火): ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ファスナル、ファースト・リパブリック・バンク、デルタ航空、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
  • 7月15日(水): ゴールドマン・サックス・グループ、ユナイテッドヘルス・グループ、USバンコープ、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン
  • 7月16日(木):JBハント・トランスポート・サービシズ、PPGインダストリーズ、ネットフリックス、モルガン・スタンレー、トゥルイスト・ファイナンシャル、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ドミノ・ピザ、アボットラボラトリーズ、バンク・オブ・アメリカ
  • 7月17日(金): ステート・ストリート、シチズンズ・フィナンシャル・グループ、リージョンズ・ファイナンシャル、カンザスシティー・サザン、ブラックロック
  • 7月20日(月):ZBナショナル・アソシエーション、IBMハリバートン、ケイデンス・デザイン・システムズ

 

■主要イベントの予定

  • 7月14日(火)

・セントルイス連銀総裁がオンライン討論会に参加

・CPI (6月)

 

  • 7月15日(水)

・フィラデルフィア連銀総裁がオンライン討論会に参加、地区連銀経済報告(ベージュブック)

・輸入物価指数 (6月)、鉱工業生産(6月)

 

  • 7月16日(木)

・シカゴ連銀総裁がロッキーマウンテン・エコノミック・サミット(オンライン)に参加、ニューヨーク連銀 総裁がオンラインセミナーに参加

新規失業保険申請件数 (711日終了週)、小売売上高 (6)、企業在庫 (5月)、NAHB住宅市場指数 (7月)、対米証券投資 (5月)

 

  • 7月17日(金)

・住宅着工件数 (6月)、 ミシガン大学消費者マインド指数 (7)

 

  • 7月18日(土)

・G20財務相・中央銀行総裁会議(オンライン)

 

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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