【米国ウィークリー 2020年6月16日号(2020年6月15日作成)】銘柄ピックアップ

 

■銘柄ピックアップ

アリババ・グループ・ホールディング(BABA

市場:NYSEADR・・・2020/8/142021/31Q4-6月)の決算発表を予定

・1999年に設立。電子商取引世界最大手。C2C(顧客間)のEコマースサイト「淘宝」と、B2C(企業対顧客)のEコマースサイト「天猫(Tモール)」を運営。電子決済(支付宝)やクラウド事業なども展開。

・2020/3期4Q(1-3月)は、売上高は前年同期比22.2%増の1,143.14億元、純利益が同87.7%減の31.62億元。ただし、Non-GAAPの調整後純利益は同11.1%増の222.87億元と実質増益。売上の6割を占める中国リテール事業が同21.3%増収と堅調。コロナ禍に絡むベンダー支援費用を吸収した。

・中国リテール事業の3月の月間アクティブユーザー数(MAU)が前年同月比1.25億人増の8.46億人。新規ユーザーのうち7割を農村部が占める。1-4月の中国小売売上高は前年同期比16.2%減と大きく減速したが、コロナ禍に伴う巣籠もり消費の拡大を追い風に1-4月のネット通販が同8.6%増と好調。2036年までに世界ユーザー20億人を目指しているが、新興国開拓が決め手となろう。(李)

 

デルタ航空(DAL) 

市場:NYSE・・・2020/7/102020/122Q4-6月)の決算発表

・1924年創業。アトランタに本拠を置く航空会社。航空連合「スカイチーム」の設立メンバー。50ヵ国に300以上の航空路線を展開し航空業界最大のネットワークを形成する。年間旅客数は約2億人。

・4/22発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比18.0%減の85.9億USD、純利益が前年同期の7.3億USDから▲5.34億USDに赤字転落。旅客事業は同18.2%の減収、貨物事業が同20.8%の減収。燃料費が同2割減少したが、人件費増加や旅客搭乗率低下(同9.6ポイント減)が響いた。

・2020/12期2Q(4-6月)の輸送能力は、国際線が前年同期比90%減、国内線が同80%減との見通しが示されたなか、総コストの同5割削減、従業員37,000人への最大1年間の無給休暇措置など、徹底したコスト削減策を打ち出した。足元の業績は回復傾向にあり、7月の国内便数を対5月比で倍増させる方針。3人席の中央は予約不可とし、エコノミークラスの搭乗率の上限を6割とした。(李)

 

ゴールドマン・サックス・グループGS  

市場:NYSE・・・2020/7/152020/122Q4-6月)の決算発表

・1869年に創業した世界有数の金融機関。投資銀行業務、証券業務、投資運用業務を中心に、企業、金融機関、政府機関、個人など様々な顧客に、幅広い金融サービスを提供する。

・4/15発表の2020/12期1Q(1-3月)は、純営業収益(粗利益)が前年同期比0.7%減の87.43億USD、純利益が同46.1%減の12.13億USD。トレーディング収益はコロナ禍に伴う相場変動が追い風となり同27.8%増となったが、投融資収益が前年同期の17.93億USDから▲9,600万USDの赤字となった。

・株式市場が4月以降に上昇に転じたことから、トレーディング関連収入が好調に推移する見通しのほか、市況回復に伴い投資ポートフォリオの評価損も解消へ向かうとみられる。また、今年最大のIPOとなるワーナー・ミュージックが6/3に新規上場。今年後半にかけてIPOが相次ぐと期待され、投資銀行業務への追い風が見込まれる。景気回復の恩恵を受ける主力銘柄として注目される。(李)

 

ラスベガス・サンズ(LVS) 

市場:NYSE・・・2020/7/242020/122Q4-6月)の決算発表を予定  

・2004年にネバダ州で設立。統合型リゾート(IR)を米国、アジアで展開する。運営施設には、「The Venetian」や「Sands Expo」、マカオの「Cotai Strip」、シンガポールの「Marina Bay Sands」等がある。

・4/22発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比51.1%減の17.82億USD、純利益が前年同期の7.44億USDから▲5,100万USDへ赤字転落。調整後EBITDAは同69.9%減の4.37億USD。コロナ禍によるロックダウンに伴い、主力のマカオのカジノ売上が同3分の1に縮小したことが響いた。

・同社は四半期配当を一時的に見合わせた。マカオのカジノは2月下旬に再開したものの1-5月のマカオ全体の売上高は前年同期比73.7%減と低調。一方で、ラスベカスは6/4に営業を再開。1QのEBITDAマージンが24.5%と前四半期比15.3ポイント悪化したものの同社は米・マカオともに10月に向けての改善を見込む。手元流動性が潤沢であることが営業再開後の回復を後押ししよう。(李)

 

Vir Biotechnology IncVIR

市場:NASDAQ・・・2020/8/282020/122Q4-6月)の決算発表を予定

・2016年に設立。感染症治療薬開発を展開。B型肝炎治療薬は第2相試験段階にあるほか、新型コロナウィルス治療薬・ワクチン開発にも参入。ソフトバンクグループのビジョンファンドなどが出資。

・5/12発表の2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比56.2%増の571.8万USD、純利益が前年同期の▲2,867万USDから▲7,724万USDへ赤字拡大。インフルエンザやB型肝炎治療薬の開発に関わる協業費用、人件費、臨床費用を含む研究開発費が同2.5倍に膨らんだことが響いた。

・SARS治癒者から抗体を確保して新型コロナウイルス治療薬候補で有望視される2種類のモノクローナル抗体の前臨床試験を展開しており、3ヶ月以内に第2相臨床試験を行う予定。韓国のサムスン・バイオロジックスとの間でモノクローナル抗体の受託生産契約(3.62億USD)に係る最終合意を目指すほか、英グラクソ・スミスクラインの出資を受け入れて臨床試験で提携したことも注目される。(李)

 

ZoomInfo Technologies IncZI

市場:NASDAQ・・・会社発表およびBloombergともに決算発表日の記載なし

・2007年設立のマーケティング・ソフトウエア企業。営業、マーケティング、人材発掘、顧客開拓などに必要なソリューションをクラウドサービスで提供する。2020/6/4にナスクダック市場に新規上場。

・6/5発表の目論見書に基づく2020/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比87.2%増の1.02億USD、営業利益が前年同期の▲180万USDから2,030万USDへ黒字転換、純利益が同▲4,020万USDから▲590万USDへ赤字縮小。営業費用の増加(同47.5%増)を吸収して営業黒字化を達成した。

・上場初日(6/4)終値がIPO価格比62%高となり、同社と同規模以上の企業の中ではここ10年で最大の上場初日上昇率となった。同社の営業支援サービスは従来のCRM(顧客関係管理)サービスと異なり、顧客情報が常に自動で最新状態に更新され、最適な優良顧客を自動で分析しスコアリング化する特徴を持つ。営業・マーケティング効率化ニーズを幅広く取り込むと期待されよう。(笹木)

 

(※)決算発表の予定は6/12現在であり、変更される可能性があります

 

 

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笹木和弘プロフィール笹木 和弘
フィリップ証券株式会社:リサーチ部長
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は、個人投資家として活動する一方、投資セミナー講師としても活躍。テクニカル分析を得意とし、以前よりTwitterで米国市場関係者のアカウントをフォローし米国市場動向にも詳しい。アセアン諸国に長期滞在経験もあり、実用タイ語検定3級資格を保有するタイ通でもある。2019年1月にフィリップ証券入社、日本・米国・アセアン市場をカバー。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト(CIIA®)。

 

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